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毎週月曜日に各国で取材にあたる特派員がピックアップ。 マーケットが注目する今週の世界の重要イベントを深読みするコーナーです
【アメリカ】2日 雇用統計発表 雇用の好調続いているのか
アメリカでは40年ぶりの記録的なインフレの中、異例のスピードで利上げが続けられています。
FRBのパウエル議長は、先週の経済シンポジウムで「われわれは任務をやり遂げるまで続けなければならない」と利上げを続ける姿勢を鮮明にしました。
一方アメリカ経済に関してはすでに景気後退に入っている」もしくは「来年3月までに景気後退に陥る」と予測するエコノミストが、合わせて66%に上るという調査もあります。
これに対してパウエル議長は「景気は減速はしているもののアメリカ経済は強い」と強調。
その根拠が好調な雇用環境です。
いまと同様インフレに悩まされていた約40年前の失業率は約10%でした。
しかしいまは3.5%ほどと低水準となっています。
7月の農業分野以外の就業者も、市場の予想を大きく上回る増加数だったのです。
来月2日に発表される今月のデータでも雇用の好調さが確認されれば、パウエル議長の発言が裏打ちされた形になり、市場では9月の金融政策決定会合でも大幅な利上げに踏み切るという見方が強まりそうです。
【ドイツ】エネルギー供給危機 冬に向けガス貯蔵
今週31日からロシアの政府系ガス会社「ガスプロム」が、ドイツ向けの主要な天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」を、設備の点検のためとして3日間停止します。
供給停止は7月に続いて2回目です。
ドイツ政府は、もはや安定的な供給は見込めないとして、暖房需要が高まる冬に向けガスの貯蔵にやっきになっています。
そのために9月1日からは、病院などをのぞく公共施設で暖房の温度の上限が設定されたり、公共施設のトイレなどの蛇口からお湯を使えなくしたりと、制限が始まります。
さらに10月からは、エネルギー消費の多い企業は省エネの取り組みも求められます。
冬のガス不足を回避するため、これまで以上に省エネが注目されています。
【オーストラリア】LNG「輸出規制」導入のゆくえ…日本にも影響
オーストラリアは世界有数のLNG=液化天然ガスの輸出国です。
2日、インドネシアでG20のエネルギー担当相会合が開かれますが、参加国のオーストラリアはLNGの「輸出規制」を導入するかどうか検討しています。
その理由は世界的にガス価格が上昇する中、オーストラリア国内ではLNGの輸出が優先されていて今後、輸出はさらに増える見通しだからです。
このため来年には、オーストラリア国内で供給が足りなくなり、ガス不足に陥るおそれがあるとしています。
実はそのオーストラリアから大量のLNGを輸入しているのが日本なのです。
日本のLNG輸入量を国別で見てみると、約4割をオーストラリアが占めており、最大の輸入相手国となっています。
仮に規制された場合にはガスの価格や供給が不安定になり、日本にも影響が及ぶ懸念もあります。