ロシアの軍事侵攻を受けて東ヨーロッパで進んでいるのが兵器の"NATO化"です。
東ヨーロッパは旧ソビエト製の兵器を多く保有しています。
ウクライナ軍は主に旧ソビエト製の兵器を使用するため、ウクライナへの軍事支援では東ヨーロッパは重要な役割を果たしてきました。
ポーランドはT72戦車を200両以上、スロベニアはM84戦車を数十両、スロバキアは地対空ミサイルS300などを提供してきました。
その穴埋めとしてアメリカやイギリスは、最新の兵器を東ヨーロッパに提供、もしくは売却すると約束したのです。
東ヨーロッパの国々は旧ソビエト製の兵器を最新の兵器に置き換えることで防衛力が増強でき、アメリカなども自国の防衛産業が潤い「ウィンウィン」だという声も上がっています。
ウクライナに関しても戦闘の長期化に伴い、使い慣れてきた旧ソビエト製の兵器から"NATO化"を進めるべきという意見もでてきており、一部でも始まっているのです。
ゼレンスキー大統領も「最新兵器を受け取りたい」と述べるなど兵器の"NATO化"を望む考えを示しました。
ただ最新兵器にはノウハウを取得する一定期間の訓練が不可欠で、どこまで踏み込むのかが焦点となっています。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
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