新疆ウイグル"内部資料” 信ぴょう性は「間違いない」明治大・水谷准教授が分析

NHK
2022年5月26日 午後5:17 公開

中国の新疆ウイグル自治区で少数民族のウイグルの人たちが多数収容されているとされる「再教育施設」について、内部資料とされるものをアメリカの研究者が入手し、新たに公開されました。

資料は主に2017~18年のものとされ、共産党幹部の発言内容や収容された人々のリスト、施設内部とされる写真などが含まれています。

ウイグル族収容施設 “内部資料”流出 内容は? 中国は反発

新たな"内部資料”で公開された写真

<新たな"内部資料”で公開された写真>

中国政府はこの資料について「反中勢力による中傷だ」などと反発していますが、どんな価値があるのかをウイグル族の問題に詳しい明治大学の水谷尚子准教授が分析しました。

(この動画は1分54秒あります)

酒井美帆(「国際報道2022」キャスター): 今回公開されたた大量の文書の「信ぴょう性」についてどう思いますか?

水谷尚子明治大学准教授: 強制収容所に入れられて、幸いにも出てこられた人の証言集会を明治大学でこれまで2度ほど開いたのですが、そこで証言で出てきた内容とまったく同じ資料が大量に出てきています。したがってこれらの写真や資料はかなり信ぴょう性が高い、実物で間違いないと私は見ています。70代と思われる女性や、とても年の若い10代と思われるような女性、あるいは涙をためた中年の女性など、テロリストだと中国は主張していますが、とてもそうとは思えないような地域の普通の住民が大勢写真として残されているのを見ると非常に心が痛みます。

油井秀樹(「国際報道2022」キャスター):この資料が出たことで欧米・国連の対応に変化はあると思いますか?

水谷尚子准教授

水谷准教授: あると思います。なにしろ今回の資料では個人が特定されています。その個人がとてもなんらかのテロをするような人ではないという身内の証言なども多く出てきています。これらは国連をはじめ、欧米社会から中国への物申す材料となる可能性は高いと思います。