ウクライナは世界有数の穀物大国ですが、どう国外へ輸送するのかが大きな課題となっています。
ゼレンスキー大統領は、穀物を輸送する最大の拠点、オデーサの港を再開させるため、艦船を攻撃する対艦ミサイル「ハープーン」の提供をアメリカに求めました。
オデーサの沖合は、5月11日現在、ロシア軍によって海上封鎖されているほか、オデーサの港はロシア軍が上陸しないようにウクライナ側が港に機雷を敷いていると言われています。
こうした状況から、ウクライナ側としては「ハープーン」などロシア軍の上陸を阻止できる兵器を欧米から入手し、機雷を取り除き、港を再開、さらに海上輸送路を確保したい狙いがあるとみられています。
しかしアメリカ側は、ウクライナが「ハープーン」を扱った経験がなく、供与が有効かを協議していると話しています。
またウクライナ政府は、国内の主要な港はほぼ閉鎖状態にあるものの、ルーマニア国境に近いドナウ川周辺の3つの港については機能しているとし、当面はこれらの港の利用を拡大する方針だとしています。
また3つの港に近いズミイヌイ島をロシア軍から奪還したい思惑があると見られています。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
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