アメリカのバイデン大統領は、どこまで戦争に深く関わるのかについてアメリカの立場をニューヨーク・タイムズに寄稿しました。
内容は、
プーチン大統領の失脚は目指さない
アメリカ軍はウクライナに展開せず、ロシア軍も攻撃しない
国境を越えたロシアへの攻撃をウクライナに求めない
ウクライナに領土を守るための武器は提供するものの、ロシアを過度には刺激したくないというバイデン政権の姿勢がうかがえます。
さらにバイデン大統領は「この戦争は最終的に外交を通してのみ終わる」と指摘しており、外交交渉が停滞している原因は軍事力で支配地域を広げようとしているロシア側にあると批判しています。
この外交交渉をめぐっては、アメリカの重鎮キッシンジャー元国務長官が「ウクライナはクリミア半島などの奪還よりも外交交渉を優先すべき」という趣旨の発言をしたとして、ウクライナ側から強い反発を招きました。
それだけにバイデン大統領は、今回の寄稿で「ウクライナの領土に関してウクライナ政府に圧力をかけない」とも明言しており、あくまでもウクライナとロシアの双方による交渉で解決策を模索すべきという立場を示しています。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
(この動画は2分42秒あります)