アメリカのトランプ前大統領は南部フロリダ州で演説し「アメリカを再び、偉大かつ栄光ある国にする」と述べて、2年後の2024年に行われる大統領選挙に立候補すると表明しました。アメリカで大統領経験者が退任後に再び大統領職を目指して立候補するのは異例です。
こうしたことから激しさを増すとみられる共和党内でのトランプ派と非トランプ派のせめぎ合いです。
早くも表面化 議会上院のトップ争い
現在のトップはマコネル院内総務です。
トランプ氏とは一線を画している非トランプ派のベテラン議員で、上院選挙の敗北もトランプ氏が支持した候補者の資質に問題があり、責任はトランプ氏にあるという考えだとされています。
これに対してトランプ氏は、SNS上に「選挙の結果はマコネルの責任だ。彼が中間選挙を台無しにした。誰もが彼を軽蔑している」とののしっています。
こうした中で近く行われる共和党上院のトップ選びには、マコネル院内総務の対立候補として、トランプ氏に近いとみられているリック・スコット上院議員が名乗りをあげて注目されています。
共和党は2017年のトランプ政権発足後、トランプ氏の影響力が増して、トランプ党とも言われてきました。
しかし今回の中間選挙を機に、共和党のトランプ離れがどのくらい進むのか。
トランプ派と非トランプ派の主導権争いが、その試金石となりそうです。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
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