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毎週月曜日に各国で取材にあたる特派員がピックアップ。 マーケットが注目する今週の世界の重要イベントを深読みするコーナーです
【イギリス】
ロシアの軍事侵攻により、各国で加速しているインフレ。
その影響でイギリスでは国民的な食べ物、フィッシュ&チップスの店が存続の危機にあります。
油で揚げたタラなどの白身魚にポテトフライを添えたものですが、イギリスではひまわり油の8割をウクライナからの輸入に頼っているのです。
さらに原料の魚や魚を揚げるためのガスも高騰、約10%値上げをしたものの、これではまかなえず、イギリス国内の1万500店舗の1/3が半年以内に閉店をせまられるおそれがあると業界団体は指摘します。
【アメリカ】
12日からアメリカとASEAN=東南アジア諸国連合との首脳会議が行われます。
注目はアメリカが新たに立ち上げを目指す経済連携「IPEF=インド太平洋経済枠組み」です。
アメリカが不公正だと批判する中国の技術や製品が、この地域に拡大しないようにするための貿易ルールを設ける構想です。
しかし中国と経済的な結びつきが強い東南アジア各国の間では慎重な声も根強くあり、計画は思うように進んでいません。
【アジア】
注目されているのが4月の「消費者物価指数」です。
<中国(11日発表予定)>
これまで消費が停滞する中、原材料価格が上昇しても転嫁は進まず、消費者物価は比較的低い水準で安定していました。
しかし新型コロナの感染拡大により各地で厳しい外出制限がとられていて、物流の混乱や買いだめの動きが広がり、物価上昇につながるのではという指摘が出ています。
消費者物価が上昇すると、インフレにつながりかねない追加の緩和策が打ち出しにくくなる可能性があるのです。
<インド(12日発表予定)>
3月に6.95%上昇をしたインドでは、今回さらに上昇するという予想もでています。
インドの中央銀行は3年9か月ぶりの利上げを決定したばかりで、これはアメリカのFRBが金融引き締め策を発表する前に踏み切ることで、ルピーの売りを食い止めたいねらいと見られています。
インフレ対応を進めながら景気の下支えも行う中央銀行にとって難しい局面を迎えることになります。
(この動画は5分05秒あります)