MondayBiz
毎週月曜日に各国で取材にあたる特派員がピックアップ。 マーケットが注目する今週の世界の重要イベントを深読みするコーナーです
【アメリカ】ネットとリアル店舗融合で 消費者との接点増加するか
アマゾンはロサンゼルスのショッピングモールに「リアル店舗」をオープンしました。
最大の特徴は、商品についているQRコードを使って店内にいながら、
通信販売のような体験ができることです。
展示されている商品のそばのQRコードを読み取り、サイズを選択。5分後には試着室に運ばれてくる仕組みです。
自分で運ぶ必要もなく、店員と話さなくても好きに試着することが可能です。
さらに別の洋服を試着したい場合は、試着室のタッチパネルでオーダー。
試着室の外につながったクローゼットの中に商品が届きます。
そのまま外に出なくて済むので、誰にも気兼ねすることなく、まるで、自分の家で試着しているかのような体験が可能です。
アマゾン以外にも、IT大手のメタはVRのゴーグルを試用した上で購入できるリアル店舗をオープン、ネットとリアルを融合し消費者との接点を増やそうという戦略が広がっています。
【中国】ゼロコロナ政策の影響で冷え込む不動産市場
中国で販売されたマンションなどの不動産の総額の推移を見ると、1月から5月までの販売額は去年の同じ時期と比べて31.5%も落ち込んでいます。
中国政府は、住宅ローン金利や頭金比率の引き下げといったてこ入れ策を導入していますが、ほかにもさまざまな対策が講じられています。
例えば農村部の人が都市部で住宅を買ったら、その住宅がある場所の地元政府が就職先を手配してくれたり、デベロッパーがニンニク500gを5人民元、日本円にして100円分として頭金に利用できる、つまり現金の代わりにモノで頭金を払えるという広告を出したりしているのです。
さまざまな対策の効果もあったのか、6月には販売が回復に転じたとも伝えられていて、影響の大きい不動産市場の回復が続くのかが焦点です。
【アジア】G20財務相・中央銀行総裁会議 世界経済の動向は
先週のニューヨーク原油市場では、国際的な指標となるWTIの先物価格が約2か月ぶりに1バレル=100ドルを割り込みました。
インフレが収まらないアメリカの景気が、今後、悪化するのではないかという懸念が広がったためです。
世界一の経済大国アメリカの景気が悪化すれば、世界的に原油の需要も落ち込むという見方が出て、原油価格が下落。
市場では世界経済の先行きへの厳しい見方が広がり始めています。
【欧州】ユーロ導入の20番目の国とは
12日のEUの経済財務相理事会で来年1月からの導入が承認される見通しとなったのがクロアチアです。
ユーロを導入するのは、2015年のリトアニア以来となります。
これに続いてブルガリアも2024年の導入を目指しており、ロシアとEUの対立が深まる中、EU加盟国の間で、ユーロ圏入りを目指す動きが広がるという見方も出ています。
ただユーロはドルに対し約20年ぶりの水準まで下落し、試練の時を迎えています。
(この動画は5分20秒あります)