【解説】ロシア”新レーザー兵器 前線投入”で見える実態は(油井'sVIEW)

NHK
2022年5月20日 午後6:07 公開

ロシア国防省が以前、公開したレーザー兵器「ペレスベト」より強力な「ザディラ」をロシア政府は前線に送ったと発表しました。

ボリソフ副首相は「5キロ離れた場所にあるドローンを5秒で破壊できる」と主張しています。

アメリカでも海軍が8年前より試験的にレーザー兵器を艦船に搭載してきました。

実験を繰り返し、本格的な配備を目指しています。

実はアメリカの防衛産業も近年、レーザー兵器の開発に各社がしのぎを削っており、特に最近では無人機・ドローンを破壊する兵器として注目されています。

レーザー兵器の最大の利点は経費を大きく節約できることだと言われています。

敵のドローンをミサイルで撃ち落とす場合、ミサイル1発で数百万円から数千万円などかなり高額ですが、レーザー兵器であれば1回の照射は100円くらいですむとも言われています。

ロシアは欧米の経済制裁を受けて、国外から部品を十分に調達できず、高性能のミサイルなどが在庫不足に陥っていると言われていて、レーザー兵器の投入はロシア軍が苦境に立たされている裏返しだという見方も出ています。


油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)

前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。


(この動画は2分50秒あります)

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