【MondayBiz】中国初国産旅客機で欧米2強に変化は【世界経済を先読み!】

NHK
2022年11月9日 午後0:14 公開

MondayBiz

毎週月曜日に各国で取材にあたる特派員がピックアップ。 マーケットが注目する今週の世界の重要イベントを深読みするコーナーです


中国最大規模の航空ショー 国産ジェット旅客機C919登場

国家プロジェクトとして、2008年から開発が進められてきたのが「C919」です。

座席数は160席前後でエアバスやボーイングの主力機と競合する機体で、価格は2社よりも抑えられているとアピールしています。

C919の開発は、中国が「製造強国」を目指す上での重点項目の1つで、すでに中国国内の航空会社を中心に800機余りを受注しているといいます。

中国は、国内の旅客機市場が2040年までに世界最大になると予測していて、欧米2社への依存から脱却する上で、C919の就航は「悲願」といえます。

しかしエンジンや中核となるシステムは欧米企業に依存していて、アメリカとの対立が今後の開発・生産に影響を与える可能性もあるなど問題もあります。

また国外への販路拡大に向けては、ハードルが高いとされる欧米当局の安全性の証明を取る必要があるとされ、当面は国内向けの販売が続くと指摘されています。

中国の国産旅客機が将来的に欧米の2強に割って入ることがあるのか、今後の動向が注目されます。

東南アジアで相次ぐ3つの首脳会議・サミット

11日~ カンボジア ASEAN=東南アジア諸国連合

15日~ インドネシア G20=主要20か国

18日~ タイ APEC=アジア太平洋経済協力会議

上記のように首脳会議やサミットが次々開催されます。

注目は、ウクライナや台湾情勢をめぐるアメリカと中国の関係に変化が見えるかどうかです。

期間中にアメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席が、対面では初めてとなる首脳会談を行う可能性があるからです。

経済をめぐっても米中の間でどんな話し合いが行われるのかが焦点となっています。

アメリカ 10月消費者物価指数発表 円安の今後は

消費者物価指数の上昇率が7か月連続で8%を超える記録的なインフレとなっているアメリカ。

10月も市場では7.9%程度と、高止まりが予想されています。

ニューヨークの江崎記者が大好きだというピザ店のマルゲリータ。

気になる価格は1スライスが、この夏、5ドル50セント(約800円)と3割以上、値上がりしたと嘆いていました。

消費者物価指数の動向は、中央銀行にあたるFRBが今後、どこまで利上げをするかの、判断材料になります。

もしインフレの収束に時間がかかるとFRBが判断すれば、その分、金利の最終的な到達点が高くなることや、金融引き締めの長期化につながる可能性があります。

そうなれば円安が一段と進む可能性もあるということで、目が離せません。

ハンガリーの郵便局が省エネのため一時閉鎖へ

ハンガリー国営の郵便事業会社が11日から全国に2700ある郵便局のうち366局を一時、閉鎖するという発表をしました。

目的は「省エネ」。

ヨーロッパでは人口1万あたりの郵便局の数が、2.91か所にとどまるのに対して、ハンガリーでは3.46か所もあると説明しています。

ハンガリー政府はことし9月、病院や介護施設以外の公共機関などに対して、ガス消費量を25%削減するよう求める方針を発表しています。

本格的な冬の到来に向け、今後も省エネのためのさまざまな施策が求められることになりそうです。

(この動画は5分24秒あります)