【解説】プーチン大統領 軍事同盟に温度差で作戦に影響も? (油井'sVIEW)

NHK
2022年5月16日 午後4:37 公開

NATOが北欧にも拡大する可能性が高まっていることに対抗するかのように、プーチン大統領は16日、ロシア主導の軍事同盟CSTO=集団安全保障条約機構の首脳会議を開催すると発表しました。

CSTOはロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギス、タジキスタンの6か国の軍事同盟。

1月、カザフスタンは、大規模な反政府デモへの対応として、CSTOに部隊の派遣を要請し、ロシア軍の兵士など2000人あまりが対応にあたりました。

このときカザフスタンのトカエフ大統領は、いわばプーチン大統領に助けられたともいえますが、ロシアによる軍事侵攻ついては距離を置く姿勢が目立っています。

9日のロシアの戦勝記念日、パレードなどの祝賀行事の開催をとりやめ。

またウクライナに対して医薬品や食料を輸送するなどの人道支援も行っています。

CSTOは集団的自衛権を行使できる軍事同盟ですが、ロシアの軍事侵攻にどう対応するか、加盟国間の温度差も指摘され始めています。

プーチン大統領はこの首脳会談で、同盟国の結束を確認できる機会となるのか、軍事作戦の行方にも影響を及ぼす可能性があるだけに、注目されます。


油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)

前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。


(この動画は2分42秒あります)

ウクライナ情勢の最新情報については地上波での再放送から1週間、NHKプラスでご覧いただけます。