ロシア・ウクライナ双方は大量のドローン・無人機を投入しており、もはや無人機は戦場に欠かせない存在となっています。
その「ロシア軍の偵察用の無人機が不足する可能性がある」と21日、イギリス国防省が発表しました。
欧米による制裁によって、ロシア国内での無人機の製造能力が打撃を受けていると指摘したのです。
またウクライナ軍が公表した映像では、ウクライナ軍が戦場で回収したロシア軍の偵察用無人機「オルラン10」を分解したところ、日本企業・キヤノンのカメラが使用されるなど、外国製の部品が多く使用されているというのです。
アメリカのシンクタンクISISも、今月発表した報告書の中で、オルラン10はエンジンやカメラが日本企業、GPSナビゲーターがスイス企業、コンパスセンサーがアメリカ企業など、多数の部品を外国企業に依存していることを発表しました。
この無人機は大半の部品で民生用のものが使われています。
キヤノンは取材に対して「ロシア軍とは契約しておらず、一般の市場で販売されている民生用のものを手に入れたものと思われる」と話しています。
また「軍事侵攻後、全ての製品のロシアへの出荷を停止していて、当面は出荷停止が続く見通しです」とも話しており、制裁での輸出禁止では無く自主的に出荷を停止しているということでした。
欧米や日本などは戦闘を続けるロシアへの輸出規制を今後も強めていく構えで、ロシアとの経済を切り離す=デカップリングが進みそうです。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
(この動画は2分44秒あります)