ロシアにとって孤立するのを避けるため重視している枠組みがBRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカです。
ロシアのシルアノフ財務相は、先月、欧米による制裁でロシアがドル決済から閉め出されるのを踏まえ、BRICSの通貨で決済するシステム作りを提案するなど、BRICSの連携に期待しています。
BRICSの国々も対ロシア制裁には参加せず、中国やインドに関してはロシア産のエネルギーを購入する動きも見せているのです。
しかし欧米もインドに対し、働きかけを強めています。
アメリカのバイデン政権はインドに対して「兵器の供与など5億ドル規模の軍事支援を検討している」と報じられました。
これはインドがロシアとの関係を切ることのできない要因の1つとして、ロシア製の兵器に依存してきたことがあげられます。
インドの兵器の輸入先のトップはロシアです。
これを切り崩すように、アメリカは第2位のフランスと連携し、インドへの軍事支援を強めることでインドの脱ロシアを後押ししようとしています。
また先週行われたBRICSの外相会議では共同声明において「ウクライナでの人道状況への懸念」と「ロシアとウクライナの対話への支持」も記載されました。
来月には首脳会議が開かれますが、戦争をやめるようプーチン大統領に直言できる首脳がいるのか、それともプーチン大統領の野望を支えることになるのか、節目の会議となりそうです。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
(この動画は2分36秒あります)