ロシアはウクライナ軍で戦う「外国人戦闘員データベース」を立ち上げました。
戦闘員の名前や顔写真、経歴などが報道やSNSをもとに掲載されており、今回、死刑判決を受けた3人の外国人戦闘員もこの中に含まれています。
31人を掲載(6月10日時点)しており、戦闘員に関する情報の提供を呼びかけています。
ロシア側は、このウクライナ軍の外国人戦闘員を「よう兵」だと指摘し、拘束されれば国際法上の捕虜ではないため、死刑になる可能性を強調、外国人が戦闘に加わらないように暗に呼びかけています。
その上でロシア国防省は「ウクライナに到着する外国人よう兵の動きが5月上旬頃から止まった」とし、「我々のデータによると、ウクライナ軍の外国人よう兵は6600人から3500人と半分に減った」と述べています。
さらに真偽は不明ですが、ウクライナ軍が外国人戦闘員を最も激しい戦場に投入し、死者が増えているなどとも主張しています。
その一方で、ロシア政府やロシアの国営メディアなどが「ドンバス地域の外国人戦闘員」というドキュメンタリー映像をSNSなどで流し、ロシアのために闘っている欧米出身の戦闘員を取り上げています。
欧米からの義勇兵がいることを宣伝し、ロシア軍が孤立しているわけではないとアピールすることや、欧米側を批判しロシアの闘いを正当化するねらいがあると見られています。
双方の情報戦が激しさを増す中で、外国人戦闘員がプロパガンダに利用され、今後の外交交渉を複雑にする懸念も指摘され始めています。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
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