栗原キャスターが聞く 「生成AI」の未来は

NHK
2023年5月23日 午後6:59 公開

今回のG7広島サミットでも意見が交わされた、今話題の「生成AI」。
急速な進化と課題が取り沙汰される中、AIは今後どこへ向かい、日本はどんな役割を担っていくのか。

画像生成AI、拡大の火付け役とも言われる企業の、日本代表に話を聞いてきました。

(「国際報道2023」で5月19日に放送した内容です)


栗原キャスターすごい行列です。皆さんのお目当てはこちら。画像生成AIの企業の講演です。

文章で指示を出すだけでオリジナルな画像をつくる画像生成AIを、去年、世界中に広めたイギリスの企業「Stability AI」。

その日本代表を務めるのが、台湾系アメリカ人のジェリー・チーさんです。

ジェリーさんが、900人を超える参加者に問いかけたのは、“生成AIの未来”についてです。

「シナリオA“AIの寡占化の世界”か、シナリオB“AIの民主化”」 「私は“AIの寡占化”ではなく、“AIの民主化”になると思います」 「お互いを助け合うことによって全体的にクリエイティブな生態系が成長していきます」  


栗原キャスター:かなりの速さで(開発が)進んでいますけれども、今、会社としてはどんなことを目指しているのでしょうか。

ジェリーさん:弊社のミッション・使命は「AIの民主化」なので、誰でも簡単に性能の高いAIを生かせるようにしたいと考えています。

例えば言語モデル、音声モデル、音楽モデル、いろいろなモデルをつくって公開して、世界中の人に役立つように提供していきたいと思っています

この春からは、英語による対話式のAIモデルも展開。日本語のモデルも年内に開始する予定で、日本でのユーザーの拡大をねらっています。

栗原キャスター:日本市場の魅力は?

ジェリーさん:ゲームの会社、アニメの会社、広告とか、デザインの会社があり、クリエーターがたくさんいることです。本当に世界中で好かれているコンテンツやゲームやアプリをたくさんつくっていますよね。

それらのクリエーターの能力をさらに拡張するために、AIを提供していきたいと思います。

(日本は)欧米との関係がよくて、ビジネスをやりやすい環境ですね。

すでに日本は、AIに対して好意的な国であって、さらに普通のAIから生成AIになると、なおさら活用方法がもっと増えているので、なおさら重要になってきますね。


生成AIについては、G7でも利用や規制のあり方をめぐって議論が行われましたが、引き続き注目していきたいと思います。
 

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