ロシア軍に対して効果を発揮しているとみられている制裁措置が、欧米や日本などが相次いで打ち出したロシアに対する半導体の輸出・販売禁止です。
半導体などを外国から調達するのが困難となったため「ウラルワゴンザボード」と「チェリャビンスクトラクター工場」というロシア軍の戦車を生産する2大拠点が操業停止に追い込まれたといいます。
ロシア軍は戦車などの兵器に外国産の半導体を多く使用していて、特に台湾の大手TSMCに依存していたと言われています。
そのためTSMCがアメリカなどの意向を受けてロシアでの販売停止を決めたことが、大きな打撃になっているという見方も出ています。
ただロシア軍は軍事用の半導体が入手できないことから、家電などで使われている民間の半導体を転用しているという指摘があります。
アメリカ議会の公聴会の場でレモンド商務長官は、ウクライナ側からロシア軍の兵器には皿洗い機や冷蔵庫から取り出した半導体が搭載されていたと報告を受けたと発言しています。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
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