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毎週月曜日に各国で取材にあたる特派員がピックアップ。 マーケットが注目する今週の世界の重要イベントを深読みするコーナーです
【イギリス】夏の風物詩 アイスクリームの移動販売車がピンチ
イギリスでは夏になるとアイスクリームの移動販売車があちこちの公園やイベント会場などに音楽を奏でながらやってくるのが夏の風物詩になっています。
この音楽を聞くと、みんなわくわくするそうなのですが…今、値上げの波が直撃しています。
アイスクリームは現在日本円で320円くらいですが、記録的なインフレが大きな影響を及ぼし近く値上げを決めています。
原材料の牛乳が高騰しているのに加え、移動販売に欠かせないガソリン価格も過去最高水準にまで高騰し、経営を圧迫していると言うのです。
イギリス政府は対策として自動車燃料税の引き下げを行いましたが、給油価格に反映されていない恐れがあるとして、当局が燃料の小売業界を調査する見通しです。
アイスクリーム以外にもフィッシュ・アンド・チップスやランチ販売など移動販売車を使ったビジネスは当面厳しい状況が続きそうです。
【アメリカ】労使交渉難航 LA港がまた混乱か
ロサンゼルス港の関係の業界では、賃金や待遇の改善、荷物の積みおろしの自動化などをめぐり、先月から行われている労使交渉が難航しているようです。
組合側は交渉が思うように進まなければ、有利な条件を引き出すため、荷さばきのスピードを大幅に遅らせるなどの対応をとるとみられています。
ロサンゼルス港はコロナ禍からの経済活動の再開によって、大量の荷物が押し寄せ混乱しました。万が一交渉が決裂すれば、物流の混乱に再び拍車がかかるおそれがあります。
【アジア】インドネシア・フィリピンで中央銀行利上げか
アメリカのは0.75%の大幅利上げを決めましたが、アジアでも23日、インドネシアとフィリピンの中央銀行が利上げに動くという観測が出ています。
背景にはアメリカの利上げでより利回りが見込めるとしてドルが買われ、新興国の通貨が売られていることがあります。
インドではドルに対して過去最安値、タイでも5年3か月ぶりの安値になるなどアジア各国で通貨が売られています。
新興国としてはインフレの加速や外貨建て借金が膨らむことにつながりかねず、通貨防衛の思惑から利上げを進めるしかない状況です。
ただ、景気の回復に水を差すおそれもあり、政策運営の難しさが増しています。
【中国】大学卒業シーズン 新型コロナが就職にも影響か
中国や大学や大学院などを卒業した人数は2000年以降急速に増加し、ことし初めて1000万人を超える見込みです。
一方の雇用情勢は、15日に発表された5月の都市部の失業率は5.9%で高止まりし、特に若年層は18.4%と統計が公表されている2018年以降で最悪の水準となりました。
この厳しい就職戦線に新卒1000万人が加わると、就職氷河期のような状況に陥る可能性も指摘されています。
(この動画は5分21秒あります)
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