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毎週月曜日に各国で取材にあたる特派員がピックアップ。 マーケットが注目する今週の世界の重要イベントを深読みするコーナーです
【アメリカ】現地7日のアップル発表に盛り上がり
アップルが現地時間の7日に最新のスマートフォン「iPhone14」を発表するとみられており、現地では盛り上がりを見せています。
まだ新製品の詳細は明らかにされていないものの、今回は大幅なリニューアルがあるのではないかという、うわさが広がっているのです。
きっかけはアップルから報道関係者に届いたイベントの案内状の中央部分。
大きく「Far out」と書かれていて、これは「はるか先へ」または「斬新な」などという意味があります。
この言葉が大幅なリニューアルを示唆しているのではないかと受け止められているわけです。
盛り上がりの中で経済状況に不安要素も…イベント時期に影響か
ことし4月から6月までのiPhoneを含むスマホ全体の出荷台数は、前の年の同じ時期より8.7%減少しています。
記録的なインフレや経済の先行きの不透明感が影響したと分析されています。
実は今回のイベントの時期も、こうした景気の状況を考慮しているのではないかという見方があるのです。
おととしの発表は10月13日、去年は9月14日。
ことしは7日で去年よりさらに1週間早くなっています。
アップルの事情に詳しい投資銀行のアナリストは「世界的な景気後退リスクは依然として高く予測不可能だ。新しいiPhoneをできるだけ早く発表、出荷することがリスクを最小限に抑えることになる」などと指摘しています。
盛り上がりを見せる一方で、世界的なインフレに直面する消費者の心をつかむことはできるのか、今後の動きに注目です。
【中国】米中対立の新たな火種? 半導体輸出規制をめぐる破門
AI=人工知能の分野に強く自動運転などに使われる半導体を生産するアメリカの半導体大手エヌビディアは8月31日「政府から軍事転用されるおそれがあるなどとして、一部製品の中国への輸出を規制された」と公表しました
これに対し中国メディアは、規制対象の製品はドローンの画像処理やゲームなどに使われるもので、短期的には影響は出ないとみられるが今後、高度で大容量のデータ処理を行うデータセンターなどに影響が出てくる可能性があると伝えています。
AIなど先端分野の研究開発に力を入れる中国の戦略に、影響を及ぼすことになるのでしょうか?。
【パキスタン】インフレ加速に追い打ち大規模洪水
2億以上の人口を抱えるパキスタンですが、自国通貨・ルピーの通貨安が進みインフレは加速、さらに外貨が不足しさまざまなモノの輸入が滞るなど、経済の混乱が深まっています。
そこに追い打ちをかけるように大雨が続き、各地で大規模な洪水が発生したことで、食料も不足する事態になりました。
パキスタンのカレーの具材としてよく使われるタマネギやトマトにも影響が出ており、8月25日までの1週間ではその前の週と比べて、タマネギの価格はプラス41%、トマトもプラス43%と急激に上昇しているのです。
スリランカに続き、経済基盤の弱い国に危機が拡大するのか、経済の先行きはいっそう不透明になっています。
(この動画は5分12秒あります)