【世界経済を先読み!】ニューヨーク生まれのコーヒー【Monday Biz】

NHK
2023年2月8日 午後1:44 公開

Monday Biz
毎週月曜日に各国で取材にあたる特派員がピックアップ。 マーケットが注目する今週の世界の重要イベントを深読みするコーナーです


(「国際報道2023」で2月6日に放送した内容です) 
 

【イギリス】 <GDP速報値> EU離脱から3年、影響じわり

2月10日、 去年10月から12月のGDPの伸び率の速報値が発表されます。
IMF=国際通貨基金は、ことしの世界経済の見通しで、イギリスがG7で唯一、マイナス成長になると発表。

イギリスでは、労働力不足が賃金を押し上げ、消費者物価指数が10%を超えて高止まりしています。

要因の1つとして、3年前のEU離脱の影響が指摘されています。東欧諸国などEU加盟国からの低賃金の移民が自由に働けなくなったためです。

離脱がイギリス経済に与えた損失は、年間およそ16兆円との分析があり、ある試算では、離脱しなかった場合と比べGDPは4%減少しているともいわれます。
 

【中国】米国務長官訪問延期 経済対話は?

気球の問題を受けて、アメリカ、ブリンケン国務長官の中国訪問が延期されました。
経済分野での米中対話に影響はあるのでしょうか?

先月(1月)、アメリカのイエレン財務長官と初めて対面で会談した、中国の経済担当の劉鶴副首相は、イエレン氏が中国を訪問する意向を示したのに対して「適切な時期の訪問を歓迎する」として、対話を重視する姿勢を示していました。

ただ、その後、アメリカは、中国の通信機器大手「ファーウェイ」に対する輸出を全面的に禁止する措置を検討していると報じられるなど歩み寄りは簡単ではないとみられていました。

そんな中で起きた今回の気球問題。
経済分野での米中対話も仕切り直しとなるのでしょうか。
 

【タイ】「入国料」を検討、観光業の立て直しは?

2月6日から中国人観光客の団体旅行が解禁。
コロナ禍からの観光業の立て直しが期待されています。

その一方で、「入国料」の議論が進められています。「入国料」は、外国人旅行客から原則、1人300バーツ、およそ1200円の徴収が検討されています。今週中にも閣議に提案される可能性があります。

政府は観光地の開発などに充てるとしていますが、観光客誘致にはマイナスともなりかねず、政府内でも賛否が分かれ、議論の行方に注目です。
   

【アメリカ】若者に人気のコーヒー

「安い、早い、旨い」の3拍子がそろったニューヨーク生まれのコーヒー。
「おいしいコーヒーを飲みたいけれど、有名チェーンのコーヒーは5ドル前後。毎日飲むにはちょっと価格が高い」。そう感じた20代の起業家たちが、3年前に立ち上げました。

取材したロサンゼルス支局の山田記者です。

価格は一杯3ドル台と比較的安く、注文するとすぐに出てきて、味もおいしかったです。

その秘密は最先端のマシーンにあります。
ボタンを押すだけで、エスプレッソの抽出、ミルクの泡立てまで自動でできるため、店員は、カップに注ぐだけ。

コーヒーの味を決めるとも言われる「豆を均一にプレスする」工程をまるで人がやるのと同じようにできる点が画期的なんだそうです。

誰でも簡単に作れるため、店には会計をする人とコーヒーを作る人の2人しかスタッフがいませんでした。

アメリカではコロナ後の経済活動の再開で人手不足が深刻化していて、人件費も高騰しています。初期費用はかかりますが、長期的に見れば、人手不足にも、コストの削減にも対応できるビジネスモデル。すでにイギリスのロンドンにも店舗を拡大中だということです。
 

(この動画は4分35秒あります)