【解説】ウクライナを陰で支える米陸軍特殊部隊グリーンベレー (油井'sVIEW)

NHK
2022年6月21日 午後2:36 公開

ドイツを拠点に20カ国と調整しながら、ウクライナ軍を陰で支援してきたのがアメリカ陸軍の特殊部隊グリーンベレーです。

外国語の研修なども受け、軍事顧問として外国に派遣され、軍隊に訓練を施し育成することも任務としています。

近年、ヨーロッパではロシアの脅威に備えるため、バルト3国などの部隊に訓練をしてきました。

ウクライナについてはロシア軍がクリミア半島を併合した2014年以降にウクライナ軍の特殊部隊を育成する任務にあたり、その結果、ウクライナの特殊部隊の規模は倍増したほか、都市型戦闘や情報戦など様々な戦闘を学んだと言われています。

ただ、軍の間は緊密でも政治のレベルでは両国の温度差が表面化しています。

ウクライナのクレバ外相はアメリカの外交専門誌に、アメリカからの兵器供与に感謝を示しながらも「今こそ政治的決断で実際の戦況を変えるときだ。最も重要な戦場ではロシアの大砲は我々の15倍上回っている。アメリカが供与を発表したロケットシステム数基では足りない」と寄稿しました。

ウクライナ側は"負けない兵器ではなく勝てる兵器を供与して欲しい"と訴えていますが、アメリカ側はロシアを過度に刺激しない姿勢を崩しておらず、その差が戦況にも影を落としているようです。


油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)

前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。


(この動画は2分47秒あります)

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