ウクライナ政府がアメリカ政府に対して、供与を強く要望してきたのが「多連装ロケットシステム」です。
3人で操作可能で12発のロケット弾を40秒以内に一気に打ち込める兵器で、日本の陸上自衛隊も保有しています。
現在ウクライナ軍が使用している、アメリカから供与されたりゅう弾砲の射程は約25km。
多連装ロケットシステムは弾薬によって異なりますが長距離が可能で、射程が最大300kmと言われています。
ルハンシク州のウクライナ側の最後の拠点セベロドネツクからだと、最大射程であればロシア国内をも十分攻撃できる距離。
ホワイトハウス内では懸念の声が出ていると伝えられ、バイデン大統領は「ロシア国内を攻撃できるロケットシステムはウクライナには送らない」と発言しています。
射程が長いミサイルについては供与しないという意味なのか、そもそもミサイル自体を供与しないという意味なのか。
ウクライナ側にとっては"時間との戦い”でもあり、早期の決断と実行をアメリカ側に求めています。
油井秀樹(「国際報道2022」キャスター)
前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
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