梅毒の国内の感染者は、過去最高を記録した去年を上回る勢い。特に２０代女性の感染が多い。ＳＮＳでの出会いなどによる不特定多数との性交渉が原因の可能性も。梅毒は感染してすぐには症状が出ず、３週間前後に性器にしこりやただれができる。放置しても症状は自然消滅するが治ったのではなく病気は進行、さらに赤い発疹が体中に出るように。最近登場した抗菌薬は、早期の梅毒なら１回の筋肉注射で病気を治せる効果が期待できる。

白癬（はくせん）菌というカビの一種が足の皮膚に感染して起こる水虫。患者数が２５００万人にのぼるなど、もはや日本の国民病。足の白癬菌が爪にも入ると爪の水虫、爪白癬（はくせん）をひきおこす。高齢者では併発している人も。市販薬で何とかしようとする人も多いが、根気よく薬を使い続けなけれな根治は難しい。足の場合は患部だけでなく側面やかかとなど広い範囲に薬をぬる。爪の場合はのみ薬を長期間続ける治療が基本。

わきの下から、鼻をつくような独特のにおいを発するわきが。原因はアポクリン汗腺から出る汗が、皮膚についている常在菌によって分解され、においを放つ。はっきり解明されていないが遺伝的な影響も。わきがのもっとも効果的な治療は手術でアポクリン汗腺を切除すること。また自由診療だが、電磁波などを使ってアポクリン汗腺を焼く治療も最近行われるように。わきの下を清潔に保ち、わき毛を脱毛することも、わきが予防になる。

暑いわけでもないのに異常に汗をかく、多汗症。発症する人は１０人に一人と珍しくない。「わき汗が気になる」「手汗で携帯電話が壊れる」など日常生活に支障を感じる人も。多汗症の部位にもよるが、塩化アルミニウムのクリームやローション、ボツリヌス毒素製剤の注射などさまざまな治療がある。もっとも悩む人の多いわき汗について、抗コリン薬の塗り薬が保険で使えるようになり、のみ薬より副作用のリスクが少なく期待される。