田河(愛川欽也)夫妻も、一平(益田喜頓)たちも、ヨウ子(早川里美)の二人目の子・彩子の誕生を喜ぶ。赤ん坊に会いにきたウメ(鈴木光枝)やウラマド姉妹が同窓会のように賑わう中、マリ子(熊谷真実)とマチ子(田中裕子)は、はる(藤田弓子)の相変わらずの献金宣言に圧倒されつつ、母の偉大な精神に負けじと頑張ることを誓う。そんな中、三郷(山口崇)に送る磯野家の記念写真を撮ろうとした正史(湯沢紀保)だが…。
鹿児島から訪ねてきた貴美(三木弘子)は、未亡人のままのマリ子(熊谷真実)を心配するが、新八郎の帰りを待つことから始めた姉妹出版の仕事が、マリ子をたくましい女性へと成長させていた。新八郎と結婚したことを何一つ後悔していないマリ子を見て、貴美は安堵して帰っていく。一つの区切りをつけたマリ子は、朝男(前田吟)に、自分の生き方に自信を持ったと胸の内を話す。そんな中、ヨウ子(早川里美)が二人目を出産し…。
磯野家の皆がしきりに正子にかまうため、当のヨウ子(早川里美)にはなかなか順番が回ってこない。代わりに夜泣きが増え、ヨウ子も正史(湯沢紀保)も寝不足の日々。気を利かせて、庭で正子をあやすマリ子(熊谷真実)は、子守歌のように昔の話を聞かせるのだった。福岡にいた頃のこと、幼い頃のヨウ子のこと、東京に引っ越してきたこと、優しい人たちと出会えたこと。そこへ、どこからともなく新八郎(田中健)がやってきて…。
出産のため入院したヨウ子(早川里美)。家で待つことになったマリ子(熊谷真実)たちの元に、朝男(前田吟)や植辰(江戸家猫八)も駆けつける。夜、無事に女の子が生まれたと連絡が入ると、正史(湯沢紀保)やはる(藤田弓子)は我先に会いに行こうとしてマリ子に止められる。明日まで会えないもどかしさから、感情的になってしまう正史たち。やがて赤ん坊は正子と名付けられ、骨抜きにされた磯野家は皆、正子にべったりで…。
日曜日の磯野家に、相変わらず怪しげな天松屋(西村淳二)が押し売りにくる。一枚上手のはる(藤田弓子)は、タマ(星清子)と天松屋を連れて湯河原の老人ホームに遊びに行く。そんな矢先、ヨウ子(早川里美)の陣痛が始まってしまう。出産経験のないマリ子(熊谷真実)やマチ子(田中裕子)は慌てふためき、正史(湯沢紀保)もオロオロ。だが、かつて息子のお産を手伝ったことのある植辰(江戸家猫八)が冷静に指示を出し…。
サザエさんの20巻が出る頃、ヨウ子(早川里美)のおなかも大きくなっていた。ウメ(鈴木光枝)とさよ(香川久美子)が安産祈願のお札を持ってきたり、ヨウ子と正史(湯沢紀保)が生まれてくる子どもの性別で揉める中、植辰(江戸家猫八)だけは元気がない。はる(藤田弓子)が薬を飲ませたり、皆で介抱して元気を取り戻した植辰だが、マリ子(熊谷真実)には戦地から未だ戻ってこない息子のことを思いだしたと語り出し…。
磯野家で話し合った結果、マリ子(熊谷真実)たちは、マチ子(田中裕子)に仕事を辞めて農業を勧めてみるが、仕事の意欲が湧き始めているマチ子は断固拒否する。脳と胃は兄弟のようなものであると話す正史(湯沢紀保)だが、今回の手術で胃痛の心配がなくなったとわかった磯野家は、漫画廃業の案を廃案とする。マチ子の退院の日、今度はヨウ子(早川里美)が倒れてしまう。子供ができたとわかり、磯野家はお祝いムードになり…。
手術の短かさを気にしたマチ子(田中裕子)は、重病ゆえに手術ができなかったのではと大山医師(北村和夫)に迫る。切った胃袋を見せようとする大山にマチ子とマリ子(熊谷真実)は押し黙る。そこへ、女医の荘司(鳳蘭)と看護婦の久美子(遥くらら)がやってくる。荘司は気弱になっているマチ子に、自分が昔宝塚に憧れ、今でも諦めずに踊りの練習をしていると話す。数日後、漫画を描こうとするマチ子に磯野家はある決断をし…。
マチ子(田中裕子)の手術中、不安な面持ちで待つマリ子(熊谷真実)たち。一方、磯野家にはウラマド姉妹やウメ(鈴木光枝)もかけつける。ウメは手術の成功を祈り、風呂で水ごりを始める。予定より随分早く終わるも、手術は無事成功。麻酔からなかなか覚めないマチ子の様子を見に、女医の荘司(鳳蘭)が病室に来る。明るくハツラツとしているが大胆な発言に圧倒されるマリ子たち。そんな中、塚田(日下武史)が見舞いにきて…。
胃痛で倒れたマチ子(田中裕子)は検査を嫌がる。マリ子(熊谷真実)たちに説得されて渋々検査するが、即日入院となる。付き添いのヨウ子(早川里美)が入院支度のため帰宅すると、信心深いはる(藤田弓子)は手術に反対する。ヨウ子は、マチ子の胃に穴があきかかっており、命に関わるため手術が必要だとはるを説き伏せる。そんな中、北海道から三郷(山口崇)がかけつけ、病気に負けない信念を持つようにとマチ子を励まし…。
式も挙げずに、均(渡辺篤史)の住むアパートに嫁に行った道子(光丘真理)。二人の生活を心配し、マリ子(熊谷真実)だけでなく、田河(愛川欽也)夫妻や細谷(下條アトム)夫妻も同じように日用品を持ってかけつけ、狭いアパートは一気ににぎやかになる。マリ子が家に帰宅すると、マチ子(田中裕子)が胃を痛めて倒れてしまう。医者(川部修詩)からもはや胃けいれんの段階ではないと言われたマリ子は、がんではないかと心配し…
毎朝の朝刊に「サザエさん」が再登場する。凝り性のマチ子(田中裕子)は気に入らない原稿を描き直し、マリ子(熊谷真実)に頼んで原稿取りの池田(加藤健一)を待たせている。そんな中、朝男(前田吟)に引っ張られてきた均(渡辺篤史)が、道子(光丘真理)との結婚を認めて欲しいと直訴する。親子ほど年の差のある二人だが、道子は均の描くおおらかな漫画への愛を語る。二人の気持ちを聞いたマリ子は、結婚を認めるのだが…。
漫画を休載したマチ子(田中裕子)が畑を耕したり、人形をつくる中、はる(藤田弓子)の湯河原のホーム通いが増える。マチ子の様子を見にきた塚田(日下武史)が、ヨウ子(早川里美)と正史(湯沢紀保)のデートの失敗談を無邪気に笑ったり、マチ子が仕事を辞めたことで、磯野家に流れる空気は平和そのものだった。そんな中、マリ子(熊谷真実)の元にサザエさんカルタ発売の話が舞い込み、マチ子のやる気に火がつくが…。
新婚のヨウ子(早川里美)たちの生活が気になるマリ子(熊谷真実)たち。だが、当のヨウ子は正史(湯沢紀保)の面白い行動を楽しんでいる様子。そんな中、不眠症や胃けいれんが続いていたマチ子(田中裕子)は、自分の才能に疑心暗鬼になり、漫画を休みたいと言い出す。マリ子は早速毎朝新聞に出向き、休載を申し出る。紙やペンや本など、すべて燃やして漫画家廃業宣言したマチ子だが、磯野家一同はどこか晴れ晴れとしていて…。
ヨウ子(早川里美)の結婚式に参列した一平(益田喜頓)たちが福岡へ帰って行った。三郷(山口崇)からは、開拓仲間の急病のため駆けつけられなかったとお詫びの手紙が届く。三郷が無事だったと知って安心した道子(光丘真理)は、下宿先に住む均(渡辺篤史)へ報告に行く。一方、新婚旅行から戻り、正史(湯沢紀保)の妻となったヨウ子と、どう接していいかわからないマリ子(熊谷真実)たちは、よそよそしくしてしまい…。
毎晩、遅くまで講義をしにくる正史(湯沢紀保)に付き合いきれなくなったマリ子(熊谷真実)たちは、一刻も早くヨウ子(早川里美)と結婚させようと、挙式の日取りを早める。純白のドレスを見て喜ぶヨウ子の姿に、マリ子とマチ子(田中裕子)は思わず感極まる。結婚式の当日、ウメ(鈴木光枝)たちが集まり、教会で厳かに式が始まる。外で三郷の到着を待つ道子(光丘真理)に、均(渡辺篤史)は代わりに自分が外で待つと言い…。
ヨウ子(早川里美)の結婚の条件が、磯野家でともに暮らすことだとマリ子(熊谷真実)から聞いた正史(湯沢紀保)は、あっさり承諾。年を越して早々に婚約となった。マリ子たちはヨウ子が幼い頃、夜に泊まり先から、寂しくなって家に帰ってきたことを思い出していた。一方、婚約が決まってからの正史は、毎日磯野家にお得意の講義を開きにやってくる。そんな中、近所で火事だと聞いた正史は、人が変わったように飛び出して行き…。
お洒落したヨウ子(早川里美)は、正史(湯沢紀保)とデートに出かける。そんな矢先、磯野家に一件のクレーム電話が入る。今朝の新聞のサザエさんの漫画に、そば屋の連絡先として描かれた電話番号の持ち主だ。ひっきりなしに迷惑電話がかかってくると怒る持ち主に、慌てたマチ子(田中裕子)は、マリ子(熊谷真実)に泣きついてお詫びに行ってもらう。一方、ヨウ子は正史が磯野家で暮らすならお嫁に行ってもいいと言い出し…。
岩村(小泉博)からの縁談を皮切りに、ヨウ子(早川里美)には続々と見合いの話が持ち込まれる。だが、結婚せず、一生マリ子(熊谷真実)たちと暮らしたいと言うヨウ子。ある日、岩村が語った正史(湯沢紀保)の失敗談に興味を持ったヨウ子は、見合いをすることに。だが、粗こつ者の正史は時間を間違えてやってきて、まだヨウ子の支度も出来ていないうちに、思いがけない出会い方をした二人は、見合いを機に交際が始まり…。
隆太郎(戸浦六宏)から新八郎の七回忌の知らせが届く。行けば戦死を認めることになると言うマリ子(熊谷真実)に、かけつけることが何よりも慰めになり、新八郎に代わってできる親孝行だと言うはる(藤田弓子)。鹿児島へ向かったマリ子は、隆太郎と貴美(三木弘子)とともに法事に出る。隆太郎たちは、マリ子の新しい出発を思い、籍を抜くと言う。東京に戻ると、岩村(小泉博)がヨウ子(早川里美)の見合い写真を持ってきて…。