■材料(1~2人分)
- 鶏ささ身・・・200g
- トルティーヤ・・・3枚
- 玉ねぎ・・・1/2個
- パプリカ(赤・黄)・・・1個ずつ
- ピーマン・・・1個
- トマト・・・1個
- レタス・・・3~4枚
- アボカド・・・1個
- にんにく・・・1かけ
- イタリアンパセリ・・・適量
- バジル・・・適量
- レモン汁・・・大さじ1
- ファヒータ用スパイスミックス・・・20g
- タンドリーチキンの素・・・適量
- サワークリーム・・・適量
- オリーブ油・・・大さじ1
■作り方
① フライパンにオリーブ油をしき、みじん切りにした玉ねぎ、にんにくを炒める。
② 細長く切った鶏ささ身を入れ、表面が白っぽくなったらレモン汁をかけ、軽く炒める。
③ ファヒータ用スパイスミックスを入れて馴染ませたら、イタリアンパセリ、バジル、
パプリカ、ピーマンを加え炒める。
④ 野菜がしんなりしたら、タンドリーチキンの素を加えて味を調え、フライパンから器
に移しておく。
⑤ レタスを細切り、トマトとアボカドをさいの目切りにする。
⑥ フライパンにトルティーヤをしき、炒めた具と⑤を乗せる。
両端にサワークリームを乗せて包み、軽く焼き色が付くまで焼く。
■このレシピを教えてくれた人
ハナ・モハメド さん
アメリカ出身で来日5年目。
外国語指導助手(ALT)として小中学校で英語を教えています。
幼少期から日本のアニメを見ていて、日本にいつか行きたいと思っていました。25歳の時に、日本でALTを募集していることを知り、思い切って移り住むことにしたそうです。
■同じ職場にいたのに、仲が深まらなかった2人がトレードしてみました!
ハナさんのトレード相手は、中学校で英語教師をしている池田美希子さん。ハナさんの「元同僚」です
今年3月までの1年間だけ、二人は同じ中学校に勤めていました。
しかし、仕事上の関わりはあったものの、プライベートな話をしたことはありません。
お互いの年齢や趣味さえ知らない状態で、深い仲にはなれないまま、ハナさんが職場を離れることになってしまいました。
「もっと仲良くなりたかった…。」
その思いから、今回、ハナさんは池田さんをトレードに誘いました。
ハナさん
「職場の人は親切にしてくれます。でもいつもどこか『他人』のようでどうしても壁があ って、絶対に反対側には行けないという気持ちなんです。」
池田さん
「誘われたときとても驚きました。もう会える機会はないと思っていたので、とても嬉しかったです。仕事中はあまりお話できなかったので、もっと話したいと思いました。」
2人の間にある、「見えない壁」を崩すための、"ふうどトレード"です。
自分の大好物の食材を段ボールに入れて相手と交換!
開けてみると…
ハナさん
「豆!餅!大福…?」
池田さん
「タコライス…?」
池田さんが教える料理は、"ぜんざい"。
亡くなったおばあさんが、お正月などによく作ってくれた味です。
初めてのぜんざい作りに挑戦するハナさん。
アメリカにも豆を使った料理があると興味深そうな様子。
池田さんは、祖母との思い出が詰まった"ぜんざい"を大人になってからは自分で作るようになりました。
結婚するまではお正月などに1人でも。家族と暮らす今は、夫と娘のために事あるごとに。
ぜんざいは、池田さんにとって家族を大切に思って作る料理です。
池田さん
「自分が食べると落ち着くので、娘にもリラックスしてほしいと思って作っています。」
ハナさん
「初めて聞きましたよ。娘さんへの気持ちは素敵ですね。」
ハナさんが教えたのは、"ブリトー"。
ブリトーが好きな理由は、好きな具材を詰めこめる料理だから。
アフリカ系移民の家庭で育ったハナさん。10代は、長女として妹弟たちの世話に追われる日々を送っていました。
その頃は、料理が「義務」のように感じられ、好きではなかったそうです。
日本に来たのは、アニメの影響で憧れていた土地で、新しいことを経験してみたかったから。求めていたのは、“自由な暮らし”でした。
1人暮らしを始めて、自分の為に好きなものを作るようになってから、料理も楽しいと思えるようになったと言います。
特にブリトーは、自分の好きなようにアレンジできるところがお気に入りだそうです。
ハナさん
「1人暮らしを始めたら、自分の食べたいものを作りたいように作れるのよ。それは私にとって"自由"だったの。それで初めて料理を好きになって。自分のしたいようにできるから。」
池田さん
「じゃあこれはあなたのオリジナルレシピってこと?」
ハナさん
「そうね、私のって言っていいかな。」
池田さん
「好きな味です!」
ブリトーを通して、ハナさんの生き方や価値観を知ることができた池田さん。
気になっていた、ハナさんの今後の生活状況について聞くことにしました。
池田さん
「アメリカに帰る、それとも日本に残って住む?」
ハナさん
「しばらく日本にいますよ。」
池田さん
「実はプライベートなことをALTの先生に訪ねていいのか迷いました。」
ハナさん
「私は全く問題ありません。おしゃべりが好きですし。」
「聞かなければ一生知ることはないですよね。聞いてみたら、もしかしたら怒りの反応が返ってくるかもしれないけど、少なくともわかりますよね。ずーっと『どうなんだろう?』と疑問に思っている代わりに。」
池田さん
「私があなたの個人的な生活とか人生の選択について聞けずにいたのは、誤解だったんですね。」
今までよりも相手のことを知ることができた二人。
今後も連絡を取り合うことを約束しました。
■取材ディレクターのつぶやき
ハナさんが以前勤めていた学校では、隣の席の人が結婚したことさえ、直接言われず指輪で気づいた…ということもあったそうです。
職場でみんなが仕事をしている中だと、プライベートな話はしにくいですいし、コロナ禍の今は飲み会もなく、なおさら仕事上だけのコミュニケーションになりがちですよね。
ハラスメントになってしまわないか気になって、なんとなく相手のことを聞きづらい気持ちも分かります。
私はNHKに入局して4年目になりますが、個人的な話題を上司や先輩から聞かれることはほとんどありません。それが気楽だったりもしますが、「どこか他人のように感じる」というハナさんの悩みにはとても共感します。
一日の大半を職場で過ごすのに、気軽に話せないのは、なんとなく寂しいというか…。
仲良くなりたい人がいたら、「失礼にならないか?」とモヤモヤ考えこまず、「言いにくかったら、答えなくて大丈夫ですけど…」と枕詞を入れてみたり、逆に聞かれて嫌なことは「ちょっと答えにくいので…」と伝えてみるとか。
「遠慮しすぎず、嫌な気持ちにさせてしまったら素直に謝る。」という気軽なコミュニケーションが浸透したら、とても素敵だと思います。
自分も周囲も、なかなかすぐには変えられないかもしれませんが、「まずは私から始めてみよう!」と思いました。