■オポールの材料(2人分)
・オポールの素(カレーの調味料)・・1袋
・鶏もも肉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・約300グラム
・にんじん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1本
・厚揚げ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1袋(約3つ)
・ココナッツミルク・・・・・・・・・・・・・・1缶
・牛乳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・約500ミリリットル
・塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
・こしょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
・フライドオニオン(トッピング用)・・お好みで
■作り方
①もも肉・にんじん・厚揚げを大きめの一口大に切る。
②ボウルにもも肉を入れ、全体に牛乳を注ぐ。
③牛乳ともも肉をよくもみ、5分ほど置く。
④オポールの素を鍋に広げ、ボウルからもも肉のみ取り出し、色が変わるまで弱火で炒める。
⑤ボウルに残った牛乳とにんじんを鍋に入れ、煮込む。
⑥にんじんが柔らかくなったら、鍋にココナッツミルク・厚揚げを入れ、5分ほど煮込んだら完成! ※味が濃ければ、お好みで牛乳を足す(分量外)
⑦器にもり、トッピングにフライドオニオンをかける。(たくさんかけるのがオススメ!)
■教えてくれたのは、インドネシアからの留学生、ナビラさん!
インドネシア出身のナビラアーメイディアティさん。来日して2年になる岐阜大学の留学生。現在は博士課程1年生で、野菜や果物の鮮度を保つ技術を研究しています。
悩んでいるのは、日本人とまだ親密になれないこと。
文化や見た目が違うことで近づきにくいのではないかと思っています。
■ナビラさんのトレード相手は、同じ研究室の後輩!
トレード相手を探していたときに出会ったのは、岐阜大学3年生の小出達也さん。
企画への参加を誘ってみたところ、突然さに戸惑いながらも快諾してくれました。
ナビラさんの宗教や文化に興味があったものの、これまでは話をどこまで聞いていいのか、ためらっていたといいます。
まずは、大好物のレシピを交換。材料を購入し、トレードに向け準備します。
ふうどトレードで、話しづらかったことも一歩踏み出して聞いてみよう!
■大好物(FOOD)を交換!初めて作る異国の料理に興味津々!
オポールは、ラマダン(断食)の最終日に行う祝祭で、家族や友人と集まって食べた思い出の味。
母国を離れ、毎日研究に励んでいるナビラさんは、故郷が恋しいときや、日本でつらいことがあったときに食べて、元気を出しているといいます。
小出さんにとっては初めてのインドネシア料理。(※上部のレシピ参照)
なぜラマダンをするのか気になった小出さんはナビラさんに聞いてみることにしました。
※ラマダンとは…日中の飲食などを断つ断食の月。
ナビラさん「食べる余裕がない人がどんな気持ちなのか知るためにやるの。『空腹』をどうコントロールするのか学んで、さらに『怒ること』もしてはいけない。ラマダンの後にお祝いをするのは、1か月間、自分をちゃんと管理して、別の人間に生まれ変わったように感じるから。」
「ラマダンは難しいと思う?」
小出さん 「うん、自分だったらお腹がすいて食べたくなっちゃう。」
ナビラさん 「はは、そうだね。分かります。」
オポールからナビラさんの考え方や価値観(風土)が少しずつ見えてきました。
続いては、小出さんが大好物を紹介します。
食べ物に興味があり、その研究が大好きだという小出さん。研究者になるのが夢で、家族も応援してくれているといいます。研究が終わって夜遅く家に帰ったときに、家族と一緒に食べられる料理が「鍋」。家族で一緒に囲んだ思い出があり、心がほっとする味なんだそうです。
初めて見る食材ばかりというナビラさん。興味津々で料理を作りました!
愛知県出身の小出さんにとって、「赤みそ」は外せない味!
砂糖もいれて甘くした、かきのみそ鍋が完成です!
■徐々に互いの「風土」を知った2人。聞きづらかったことも聞いてみた!
できあがった料理を食べます。
インドネシアは、さまざまな宗教やルーツをもつ人々が多く、「違い」が当たり前の文化。その中で育ってきたナビラさんは好奇心が旺盛で、これまで日本を含め3か国で留学をしてきました。違う国の人々や食べ物と出会うことが大好きだと言います。
「違いは楽しむもの」というナビラさんの考えに触れた小出さん。聞きづらかった宗教の話を切り出すことにしました。
小出さん 「どう感じているか聞きたい、その名前は分からないけど…」
ナビラさん 「ヒジャブ?ヒジャブをかぶっていると、外国人だとわかりやすい。バスに乗ったときに、混雑しているのに誰も隣に座らなかったことがある。みんな怖がってしまった」
小出さん「インドネシアや他のイスラムの人たちの本当の生活を知ることができたら、怖いという気持ちはなくなると思う」
ナビラさん 「そう言ってもらえて良かった。小出さんは、本当に私の文化を理解したいと思ってくれていて、心が動きました」
小出さん 「あなたは、とてもハッピーにみえるし、明るいね」
ナビラさん「ありがとうございます笑」
小出さん
「まだ、研究室の留学生とあまり話したことがないからこれから話したい」
■取材ディレクターのつぶやき
担当したディレクターの池口です。
ナビラさんの「違いを肯定的にとらえて楽しむ」という考え方の背景には、ラマダンの意味(「他者を思いやる」「感情をコントロールする」など)、多様な民族が暮らすインドネシアの社交的な国民性、明るい家族との関係などがあると感じました。「違いを受け入れよう」という言葉はよく聞きますが、実践することには難しさもあると思います。しかし、ナビラさんを取材していると、ナビラさんは心の底から本当に他者を受け入れていて、分かり合えない時も相手を否定せず、相手の気持ちを理解しようと前向きにとらえている印象がありました。難しいことも、つらいことも、受け止め方次第だと気づかされました。自分の人生は自分で明るくしていくことができると、ナビラさんから教わった気がします。