【第90回】「人は何で生きるか」

NHK
2022年8月19日 午後4:55 公開

今回、スポットを当てるのは『ケシュ#203』

<プロフィール>

ケシュ#203(ケシュルームニーマルサン)

仲井陽と仲井希代子によるアートユニット。早稲田大学卒業後、演劇活動を経て2005年に結成。NHK Eテレ『グレーテルのかまど』などの番組でアニメーションを手がける。手描きと切り絵を合わせたようなタッチで、アクションから叙情まで物語性の高い演出得意とする。『100分de名著』のアニメを番組立ち上げより担当。仲井希代子が絵を描き、それを仲井陽がPCで動かすというスタイルで制作し、ともに演出、画コンテを手がける。またテレビドラマの脚本執筆や、連作短編演劇『タヒノトシーケンス』を手がけるなど、活動は多岐に渡る。オリジナルアニメーション『FLOAT TALK』はドイツやオランダ、韓国、セルビアなど、数々の国際アニメーション映画祭においてオフィシャルセレクションとして上映された。

ケシュ#203さんに“「人は何で生きるか」トルストイ”のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

ロシアがウクライナを侵攻しておよそ半年が経ちました。

私たちがトルストイの作品を担当するのは「戦争と平和」以来、およそ10年ぶりの二回目です。今このタイミングで非戦・非暴力を訴え続けたロシアの作家と向き合うことは、作品の内容のみならず大きな意味を持つと思い、制作に臨みました。

今回は「forティーンズ」ということで、十代にも親しみやすいようにキャラクターは可愛くデフォルメして描きました。また、キャラクターたちのやり取りも心情がきちんと伝わるよう、感情豊かな演技をつけています。

全体の色彩設計においても差し色に赤を使い、寒い国の風景の中にも温かみを感じられるようにしました。また、アニメーションの周囲に枠を設けることによって、民話らしい「昔語り感」を演出しています。

素朴なストーリーですが、大切なことが伝わるように心を砕いて制作しました。「人は何で生きるのか」、そのメッセージが今を生きる若者たちに伝わり、改めて平和について思いを巡らせるようなアニメーションになっていれば幸いです。

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名著122『100分de名著 for ティーンズ』 詳細ページはこちら