【第85回】エドガー・アラン・ポー スペシャル

NHK
2022年3月23日 午後8:16 公開

今回、スポットを当てるのは『川口恵里(ブリュッケ)』

<プロフィール>

演出・イラスト:川口恵里(ブリュッケ)

多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。2016年より株式会社ブリュッケに所属。アニメーション作家/イラストレーターとして、TV番組、企業CM、音楽PV、ワークショップ等、幅広く手掛ける。線画台を用いた、空間と光を活かした画づくりが得意。

川口恵里さんに「エドガー・アラン・ポー スペシャル」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

今回「アーサー・ゴードン・ピムの冒険」、「アッシャー家の崩壊」、「黒猫」、「モルグ街の殺人」4作品をすべて担当させていただきました。

私は、最初に読んだ「アーサー・ゴードン・ピムの冒険」で、ピムとポーの共同執筆という書き出しを信じて、最後まで、ピムが実在する人物と思っていました・・・ 

4作品を通して、ポーの文章における場面描写は、非常に緻密かつ鮮明と感じられる箇所が多く、ポーの描く世界観には説得力のある画が重要なのだろうなと考え まずは、じっくり描きおこしていくことにしました。 

とはいえ、どの作品にも、脳天をかち割られたり目をくり抜かれたり眼球が飛び出していたり・・・残虐な殺害や死が多く登場し、どこまでどう描いたら良いかなと悩みました。 

結局、作品を読み進めていくうちに、ポーの描写の生々しさグロさを詳細に再現することで、痛々しさや気味の悪さを強調する方向ではなく、ストーリーの展開やキャラクターに感情移入できる画を目指すことなのかと感じるようになりました。

例えば、

壁の中に塗り込まれた妻、棺桶に入れられたマデライン、煙突に押し込まれた娘、木に吊るされた猫 等のキャラクター達の無言の主張が伝わるように、出来事の形跡と空気感で展開を楽しめるように小気味良い恐怖を描けるように目指しました。

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