今回、スポットを当てるのは『アダチ マサヒコ』
<プロフィール>
アダチ マサヒコ 1983 大阪生まれ
2010 東京芸術大学大学院デザイン科修了
「BS歴史館」「NHKスペシャル・故宮」「シャキーン!」のアニメーションを担当。
2015年12月~2016年1月放送分の「みんなのうた」では過去に「ねむいいぬ」「おつきさまのうた」「ぼくのそらとぶじゅうたん」「願いごとの持ち腐れ」を制作。
最近では「3341」を制作した。
100分de名著では、「遠野物語」「枕草子」「ハムレット」「茶の本」「荘子」などを手がける。筆の質感などを生かした繊細なタッチが持ち味。
アダチマサヒコさんに“「新約聖書・福音書」”のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。
福音書を読んでいると、最初はイエスの起こした奇跡に目が行って、
それに囚われ過ぎてしまい、読み進めるのが大変でした。
それはアニメの制作にも当てはまりました。
アニメのギミックをどう活かせるか、そればかりを考えておりましたが、
彼が語りかける言葉の本質を少しずつ飲み込んでいくうちに、
あまり派手なことはせず、丁寧に絵を描き起こすことに集中しようと思いました。
そして絵巻風に順に絵を展開する構成にしました。
(聖書なので絵巻とは逆に左から右に流れています)
聖書の見開きの中の一編一編を絵に描き起こしたイメージです。
彼が残した言葉の中には、差別や格差などの様々な問題を
改めて認識させる力があります。
アニメがほんの少しでもそのお力添えができることを願って描きました。
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