【第104回】「古今和歌集」

NHK
2023年11月20日 午後5:42 公開

今回、スポットを当てるのは『ケシュ#203』

<プロフィール>

ケシュ#203(ケシュルームニーマルサン)仲井陽と仲井希代子によるアートユニット。早稲田大学卒業後、演劇活動を経て2005年に結成。NHK Eテレ『グレーテルのかまど』などの番組でアニメーションを手がける。手描きと切り絵を合わせたようなタッチで、アクションから叙情まで物語性の高い演出得意とする。『100分de名著』のアニメを番組立ち上げより担当。仲井希代子が絵を描き、それを仲井陽がPCで動かすというスタイルで制作し、ともに演出、画コンテを手がける。またテレビドラマの脚本執筆や、連作短編演劇『タヒノトシーケンス』を手がけるなど、活動は多岐に渡る。オリジナルアニメーション『FLOAT TALK』はドイツやオランダ、韓国、セルビアなど、数々の国際アニメーション映画祭においてオフィシャルセレクションとして上映された。

ケシュ#203さんに「古今和歌集」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

『古今和歌集』のアニメーションの軸を考えるにあたって、各回のテーマを視覚的にイメージできるよう、回ごとに異なる枠のデザインを施しました。第一回の「四季」は言の葉が芽吹くようなイメージ、第二回の「恋」は情念をイメージする色で、第三回の「雑歌」は世の中を円で、第四回の「強い女」は強さを角で表現しました。

同じ平安時代が舞台ですが、以前手がけた『伊勢物語』の淡いグラデーションを基調としたアニメーションとは異なり、『古今和歌集』は金に近い色を差し色にして色彩設計にメリハリをつけ、煌びやかで豊かな印象を目指しました。

1000年以上前の人物を現代の感覚でも共感して貰えるためには、ユーモラスな視点も必要です。眠れずに悶々と苦しんだり、得意げにウインクしてみたり……、突然の恋心に翻弄される様子も、どこかおかしみを感じられるように演技をつけました。

また、自然の風物を詠んだ歌では、香りや雰囲気といった目に見えないものをアニメーションという視覚的な表現に落とし込むことが重要でした。闇の中での梅の香りを表すために、香りを風で表現し、その中に梅の花が見えるようにしました。

今も昔も変わらぬ風雅の心を感じて頂ければ幸いです。

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

名著134『古今和歌集』 詳細ページはこちら