100分de名著

誰もが一度は読みたいと思いながら、なかなか手に取ることができない古今東西の「名著」を、25分×4回=100分で読み解く番組です

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折口信夫“古代研究” (1)「“他界”と“マレビト”」

初回放送日:2022年10月3日

折口にとって古代の世界観の根底となるのが「他界」だ。かつて日本列島に移り住んできた祖先が出立の地を懐かしんだり憧れたりする心性が「他界」を生み出したと考えた。 折口は、南方諸島の祭祀などに見られる、他界から時を定めてやってくる存在を「マレビト」と呼び、日本における神の原初的形態だと考えた。人々はマレビトを畏怖をもって迎え饗応し、マレビトは豊作などを予言して他界へ帰っていく。この構造が、茶道や華道などの芸道や「おもてなし」に象徴されるの日本文化の隅々に影響を及ぼしているというのだ。第一回は、折口の理論を通して、日本文化の基層にあるものに迫っていく。

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