ハイデガー“存在と時間” (3)「“本来性”を取り戻す」

初回放送日: 2022年4月18日

「世間」において人間は誰でもない誰かとして生きている。すなわち、それは他者と交換可能であることを意味する。しかし「死」だけは交換可能ではないとハイデガーはいう。 私は、誰かの代わりに死ぬことはできない。「死」は、それぞれがかけがえのない個人であることを思い知らせる。このように自分の死の可能性を引き受けながら生きることをハイデガーは「死への先駆」と呼び、非本来的な生き方から本来的な生き方へ向かう大きなきっかけであると説く。第三回は、「死への先駆」「決意性」といった難解な概念の意味を解きほぐし、人間が自分らしさを取り戻す生き方をするには何が必要なのかを考える。