100分de名著

誰もが一度は読みたいと思いながら、なかなか手に取ることができない古今東西の「名著」を、25分×4回=100分で読み解く番組です

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安部公房“砂の女” (1)「“定着”と“流動”のはざまで」

初回放送日:2022年6月6日

舞台は海岸に近い砂丘の中に埋もれかかった一軒家。休暇を利用して新種のハンミョウを採取すべく昆虫採集に出かけた学校教師・仁木順平が直面した事件とは? 砂地の集落にたどり着いた仁木順平は、女が一人で住む家に一夜の宿を借りることに。そこで繰り返されるのは砂を掻き出す単純労働。常に流動する「自由の象徴」と仁木が思い描いていた「砂」は、この場所では人間の自由を阻む壁として立ちはだかる。第1回では、「砂の女」の執筆背景などにも言及しながら、安部公房が描こうとした、人間がもたざるを得ない限りない自由への憧れと、それを阻害するものとの葛藤について考える。

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