目撃!にっぽん
「試練の翼〜ANA・社員たちの苦闘〜」
初回放送日: 2020年11月15日
大手航空会社・ANAが、新型コロナの影響で突如苦境に立たされた。ツアーの企画や貨物の営業など、それぞれの現場で懸命の取り組みを続ける社員たちの日々を追った。 大手航空会社・ANAが突如苦境に立たされた。新型コロナの感染拡大によって旅客需要が激減。国際線を中心に、多くの便が運休・減便を強いられている。運航計画の責任者は一便でも多く復便させようとするが、無理をすればさらに赤字が膨らみかねず、難しい判断を迫られる。こうした中、社員たちは、ツアーの企画や貨物の営業など、それぞれの持ち場で懸命の取り組みを続けている。現場での奮闘の日々を追った。
このエピソードのよくあるご質問
番組ディレクターから
【この番組を企画したきっかけは】 日本を代表する航空会社の一つで、誰もが知っているだろう大企業。新型コロナウイルスの流行以前は、好調な路線を維持していました。しかし、突如として苦境に立たされ、日々苦闘を続けています。そんな企業の取材ができる事になり、私が持っていた視点は、「こんな時、大企業の社員は何を考えているのだろう」でした。航空会社は「人の移動」を支えるという役割を持っています。コロナショックによって、その役割自体を問い直す必要に迫られた社員たち。一方で民間企業として、業績面も考えなければならない。そのジレンマに向き合う姿を知りたいと思いました。 10月に入って、連日「今年度の業績が過去最大の見込み」や「ANAグループ外企業への出向」など厳しい経営状況についての報道が加熱していますが、番組では、そこから目線を少し低くして、社員ひとりひとりがこの厳しい状況の中で何を考え、どう行動するのかを中心に取材しました。 【取材をする中で印象に残った言葉】 今なお、ひときわ厳しい状況が続く国際線。どこに飛行機を飛ばすか、本当に飛ばせるのか、飛ばしたところで収入は見込めるのか。今回取材した部署のひとつは、日々そんなことを考え、会社全体の運航計画を決めていきます。 主人公の1人は「国際線のネットワークを世界中に広げ、今まで日本から行けなかった場所へ、人々が行けるようにしたい」。入社以来のやりがいをインタビューで語ってくれました。しかし後日、今後の運航計画を決める会議で「コロナ禍でさらに飛ばして利益が取れるのか」と同僚から問われ、何も言い返すことが出来なかった場面がありました。 感染状況次第で検疫や入国規制など状況がガラッと変わる。コロナ以前の顧客利用状況のデータは参考になりません。そんな暗中模索の中、「会社からこれ以上、赤字を出してはならないと言われている」。そうポツリとつぶやいた顔が忘れられません。サラリーマンとして、この言葉はとても重く、抗えない。私自身も企業に所属する1人として突きつけられました。