目撃!にっぽん
「おもてなしの心、貫いて 〜新型コロナと女将(おかみ)の1年〜」
新潟県南魚沼市にある老舗旅館は、ウイルスの感染拡大と向き合い続けてきた。経営立て直しや感染対策など積み上がる難題に挑む、女将の1年間を見つめたドキュメンタリー。 新潟県南魚沼市にある温泉旅館。女将(おかみ)で社長の発地満子さん(72)は、この1年、新型コロナウイルスと向き合う日々を送ってきた。経営悪化の中で迫られた従業員の解雇。大切にしてきたおもてなしと感染対策の両立。それでも旅館と従業員を守るために、「いまできること」を探して懸命に歩んできた。終わりの見えない戦いの中で見いだしたものとは何か。涙と笑顔あふれる、女将と旅館の1年間をみつめた。
番組ディレクターから
番組ディレクターから
【この番組を企画したきっかけは】 2019年末から2020年の冬は、新潟県にとっても異常な冬でした。記録的少雪といわれ、ほとんど雪が降らない日が続いたのです。ローカル番組で少雪の経済的な影響についての緊急特番を制作することになり、観光業パートの取材で先輩とお邪魔したのが、今回の舞台“ほてる木の芽坂”でした。話し好きの女将さんに暖かく迎え入れてただき、取材を始めました。 2月、スキー客がいない中でも売り上げは好調だったこの旅館を、新型コロナウイルスが襲います。ちょうど学生の春休みの時期で、3月旅館には毎日のように大人数の合宿の予約が入っていました。しかし政府の注意喚起が始まり、そうした予約のすべてがキャンセルになっていきます。 わずか数日のうちに起きたこの変化の、落差の大きさを偶然撮影していたことから、1年以上にわたるコロナ禍が、地方の旅館に何をもたらしたのかを描いた今回の番組は始まりました。 【取材をする中で印象に残った言葉】 6月に一度感染が弱まり、久しぶりにお客さんを受け入れた旅館で女将さんが話した言葉が印象に残っています。夕食会場に来るお客さんを案内する為にエレベーターの前で待っていたときでした。「今までは忙しすぎて、一人一人のお客様と向き合うということを忘れていた。旅館の基本である、こうしてお客様に寄り添って、安らぎを感じてもらうということの大切さを新型コロナが教えてくれた。」とつぶやくように話してくれました。 そのときすでに3ヶ月間、新型コロナがもたらす様々な影響にさらされ続けてきた女将さんが、恨み言でも、皮肉でもなく「新型コロナが教えてくれた」と話す姿に心を打たれました。こうした女将さんの姿勢が、この番組を通して視聴者の方にも伝わればと思います。
見逃し配信
東京・国立に半年前、オープンしたカフェ。聴覚に障害があるスタッフたちが満面の笑顔で迎え、手話で接客する。訪れる人に元気をくれるカフェ、そのわけ、見てみませんか? 東京・国立に半年前、オープンしたカフェ。人通りが多い駅前にあってにぎわっていても、店に入ってみると驚くほど静か。「いらっしゃいませ」の声もない。それは、聴覚に障害があるスタッフたちが手話で接客しているから。手話や筆談、時にはジェスチャーも交えて“会話”する。その笑顔あふれる接客に、常連さんも増えている。訪れる人が元気になれるカフェ、そのわけ、見てみませんか?