目撃!にっぽん
「どんな子も断らない〜“障害児の学童保育”の記録〜」
初回放送日: 2020年10月25日
感情をコントロールできない男の子、光や音に敏感な子、仲間との関係をうまく作れない中学生…。発達障害の子どもたちがともに過ごす“障害児の学童保育”に密着した。 発達障害などの子ども20人が通う佐賀県の放課後等デイサービス「ガラパゴス」。モットーは「断らない」。全国で同様の施設が1万4000か所あるが、障害の程度を理由に受け入れを拒否されるケースもあるという。代表の小柳由加里さんも2人の発達障害の子どもを育てる母。生きづらさを抱えた子どもたちでも「いきいき暮らせるように理解してあげたい」と全力で向き合う。時間がかかっても一歩ずつ歩み続ける子どもたちを追う。
番組ディレクターから
番組ディレクターから
【この番組を企画したきっかけは】 今回取材した、放課後等デイサービス。特別な支援が必要な子どもたちが通う場所で、“障害児の学童保育”とも呼ばれています。2012年に始まった制度で、現在、全国で約23万人が利用しています。 この現場に私が出会ったきっかけは、去年の佐賀豪雨でした。被災した福祉施設があるとボランティアの方から伺い、向かったのが「ガラパゴス」でした。 「福祉のなかでも『最後のとりで』が被災したんです」。そう言われた私は、どういう意味なのか?と思いながら取材を進めていきました。すると、ここに通う子どもたちのなかには、ほかの施設に入れず、行く場がない子どももいると…。 この場所がいったい子どもたちにとってどういう意味がある場所なのかをもっと知りたくなり、番組を企画しました。 【取材をする中で印象に残った言葉】 取材中、たくさんのご家族にお話をお伺いさせていただきました。そのなかで、みなさんおっしゃるのが「子どもたちのことを分かってほしい」ということばでした。「分かってほしい」ということばはどういう意味なのか、日々悩みながら取材を進めてきました。番組では、パニックになる子どもたちのありのままの姿も描いています。子どもたちが日々を全力で過ごし、ときに心のうちをいろんな形で表現する姿をとおして、わかり合える社会になれば…。笑顔と葛藤あふれる子どもたちの色とりどりの世界を見ていただけたら幸いです。