【記事】鉄旅・撮影の裏側

NHK
2022年10月31日 午後0:15 公開

カメラはスマホ

「まるっと!×鉄旅」シリーズをことしの9月から開始して2か月がたちました。このシリーズ、長く視聴者のみなさまに愛されるために私たち取材班は、できるだけコンパクトな機材で、小回りの効く撮影スタイルで取材をすることに決めました。そこで使っているのはスマートフォンのカメラです。

最新のスマホのカメラは進化を続けています。私たちは高画質な「4K60p」の設定で撮影し、スマホならでは機動性を最大限いかしながら各地の鉄道風景を撮り続けています。

前面展望は2台撮りで

列車の前面にカメラ(スマホ)を据え置いて撮影をしていきますが、問題になるのが「虫や水滴」がレンズ前についてしまうこと。貴重な撮影機会を逃さないため、2台のスマホで撮影しました。

運転台の形状によって、スマホを縦に連結したり、位置を変えて設置したりして撮影します。4Kの映像はファイルサイズが非常に大きくなります。そのため録画をし続けると何かの不具合があった場合、録画ができていないことも考えられます。そこで確実に録画をするため、駅に着くごとにリモートでスマホを制御していったん撮影を止めます。また夏場にはスマホ本体が大変熱くなるため、熱を逃がす部品をつけるなど試行錯誤を繰り返しながら撮影を続けてきました。

少ない列車の本数でいかに撮りきるか

JR飯田線のロケは非常に苦労を要しました。区間と方向によって3時間ほど列車が来ない時間もあるため、少ない撮影機会をどうものにするか?が大きな課題でした。そこで考えたのが、撮影クルー総出で持っているスマホをフル稼働して列車の走りを撮るスタイルでした。一度に5台のカメラを撮影ポイントに配置し撮影したこともありました。こうして短時間で効率よくロケを進めてきました。

手製のクレーン機材は「物干しざお」で

軽いカメラの特性をいかした撮影機材も独自に手作りしました。最大4mの高さまで移動しながら自由に撮影できる簡易クレーン。実はホームセンターで売っている1,500円の物干しざおを活用して作りました。カメラマンが1人でセットアップできる手軽さもあって、列車の来るタイミングを逃さずに撮影ができます。

みなさまに愛されるコーナーを目指して

視聴者のみなさまに愛される企画コーナーを目指し、この「鉄旅」をいっしょに作り上げていきたいと思っています。今後もみなさまからの声をいかしながら、東海地方の鉄道の魅力と地域沿線の食や文化、見どころなどをご紹介していきます。ナビゲーション役の別井アナウンサーの熱い鉄道愛と深い知識とともに、「鉄旅」をお届けし続けます。