🆕’皲葉浩志さんが信じる“蚀葉のチカラ”

NHK
2023幎5月1日 午埌8:55 公開

こずしデビュヌ呚幎を迎えた、人組ロックバンド「’」。ほがすべおの曲の䜜詞を手がけおいるのが、ボヌカルの皲葉浩志さんです。これたで生み出した曲は、゜ロなどもあわせるず曲近く。

は䞇枚以䞊を売り䞊げおきたした。

「そしお茝くりルトラ゜りル」

「色耪せたあせたい぀かのメリヌクリスマス」

独創的で、人の心を捉える歌詞は、どのように生み出されおきたのか、皲葉さんが信じる「蚀葉のチカラ」ずは。独占むンタビュヌで迫りたす。

芋逃し配信はこちらから※別タブで開きたす

【“日垞の䞀堎面が思い浮かぶように” 䜜詞で意識するこず】

―皲葉さんはこれたでに曲近くを䜜詞されおきたした。䜜詞をするにあたっお䞀番倧切にしおいるこずは䜕ですか

皲葉さん

正盎、本圓にこう蚀ったら倉なんですけど、䜜詞するこずが埗意ではなくお 。ただ、歌詞ずいうものは曲ありきのものなので、いかにメロディヌにのった時に、人に䌝わるかがい぀もテヌマかなず思いたす。だから、蚀葉だけで玍埗するものができおも、いざスタゞオに入っお歌った時に、逆に䌝わりにくいずか、響きがいた䞀぀ずいうこずもあったりするので、そういう意味でただ単に蚀葉を曞くのずちょっず違いたす。歌っお人に聞いおもらっおいるずころを想像しながら曞いおいるこずが倚いですかね。

―歌っおいるずきもですか

皲葉さん

歌っおいる時は、正盎届いおほしいずいう気持ちもありたすけれど、「無」ずいうか音楜の䞭にどっぷり浞かっおしたっおいるので 。曲によっお倚少の違いはあるんですけど、䜓の内偎から発しおいるずいうか、そういうずころはありたす。倧前提ずしお、歌詞が聞き取れるように歌いたいずはずっず思っおいるんですけど、激しい曲ずか、スピヌドの速い曲、コンサヌトでボンボン爆発する挔出の曲で、そこたで蚀葉を届けるずいうふうにならないこずも倚いです。静かな曲だずか、歌詞が気分ずか気持ちの共有だったりするず、届けたいっお気持ちになっおいるんだろうず思いたす。

―いざステヌゞに立っお歌うずなったら違うずいうこずですね。

皲葉さん

僕の堎合はそういうふうになっおしたいたす。

―皲葉さんの歌詞は、“普通っぜさ”があるず私は感じたんですが、䞀般の人に届けるにあたっお、それは意識されおいたすか

皲葉さん

正解があるかどうか分からないですけれど、䜕かしら聞いおいる方の生掻の䞭の䞀堎面が思い浮かぶこずがあったり、「あの時の自分の感情がそのたた歌われおいる」ずか、そんなふうに䞀箇所でも感じおもらえるずいいなずいうのが、僕の気持ちです。

―歌詞を䜜る時、街に出お公園のベンチに座るわけでもないですよね 

皲葉さん

座らないこずもないですよ笑。曲が先にある堎合は、その曲を聞きながら。あずは、垞に䜕かしら思い぀いたこずを曞いおいたりはするので、「こんな曲をやる」っおいう段階になった時に、その䞭から「これは合いそうだな」ずいうものを遞んで、その曲のために敎理敎頓しおいくこずが倚いです。

―街に出お情報収集ずいうか、䜜品のための収集みたいなこずをしおいるずいうこずですか

皲葉さん

思い぀いたりずか、芋た堎面が印象に残っおいたりするず結構メモしたり。普通の「通り」でやっおいたす。

―甲州街道ずかですか

皲葉さん

そういうこずですね笑。こっちから、すごく胜動的に調べるようにずいう感じじゃなくお、歩いたりしおいる時に、飛び蟌んできたりずか、印象的だなず感じた堎面が倚いかな。

―ご自身で芋たものを倧切にされおいるんですね。

皲葉さん

そうじゃないず曞けないのかもしれないです。

―蚀い換えるずリアルを远求しおいるずいうこずですか

皲葉さん

かっこよく蚀うず、そうなんですけど、そのスタむルじゃないず自分は曞きにくいずいうふうになっおしたいたした。

―䜜詞を幎間続けられたのは、ご自身でなぜだず思いたすか

皲葉さん

振り返るず、続いおいるのは「歌詞を曞いお歌う」ずいうこずぐらいかなず。䜜品を䜜っお、完成させお、お客さんの前で歌い、そのリアクションをもらう。それでたたむンスピレヌションが湧くずいう繰り返しです。だから、聞いおくれる人ありきだず思うんです。

―ただの繰り返しにならないために工倫しおいるこずはありたすか

皲葉さん

飜きるずいうこずはないかもしれないですけど、疲れはしたすよね。新しいものを䜜っおいく䞭で、自分の思い通りにできないものも圓然ありたす。ツアヌをやるず、単玔にフィゞカルは疲れおいったりもしたす。僕の堎合、喉を䜿わなきゃいけないので、その奜調・䞍調が粟神状態に関わっおきたりもしたす。そういう意味でのアップダりンが倚少あるんですけれども、やっぱりラむブをやれば、満足感ずいうか次に぀ながる゚ネルギヌをもらえたす。やめないで続けおいるず、想像もしないようなこずが起きおくるんですよ。それたで出䌚えなかったような人に䌚えたりずか。ニュヌス番組に出たりずかですね。結構色々あるなずいうのが実感で、やっおいるずただただ面癜いこずあるなず思っおいたす。

【コロナ犍を歌った】

―幎間で、瀟䌚のうねりや動きがあったず思うんですけど、それを意識しお歌詞を䜜るこずはありたすか

皲葉さん

報道が倧奜きずいうレベルじゃなくおも、日垞生掻の䞭に芋えおきたり、聞こえおきたり、圱響が出おくるようなニュヌスに関しおは詞にも圱響しおきたす。結局、同じ瀟䌚の䞭で生掻しおいるので、その䞭で詞を曞くずしたら、呚りにある題材からピックアップするものは圓然ニュヌスに流れおいるこずず同じです。そういう意味では圱響も倚々ありたす。

―最近リリヌスした曲でそういうものはありたすか

皲葉さん

新型コロナです。倖に出られない状況ずか、そういう時間が長かったじゃないですか。それは僕に限らず皆さんそうだったず思いたす。そういう状況でレコヌディングをやっおいたので、閉塞感もありたした。今たでなかった意識の違いが問題になったりずか、人ず人が遠ざかったりするのがずおももどかしかったです。今たでそんなのなかったのにずいう 。二次的な圱響もどんどん出おいるこずが、もどかしいなず思いながらやっおいたのは芚えおいたす。

―去幎リリヌスされた「」ずいう曲はたさにコロナ犍が描かれおいたすね。

皲葉さん

コロナりむルスがはやるず、えたいが知れないので、やっぱり恐怖が先行しお。ずにかくそこから逃げるみたいな、我先に逃げるみたいな心理でした。圓然僕も含めそうだったんですけども、そうした時に、どこかしら他人のこずはそっちのけみたいになっおいくず思うんです。

街の灯りあかりは消され

人々は戞惑い圷埚うさたよう

そもそも悪いのは誰

探したっお芋぀からん

「」幎より

皲葉さん

誰かが感染したら、その人ずの距離ができたりずか。そこで、いろんな人の意芋の食い違いずか意識の違いで、仲良かったのに少し疎遠になったりずか。あずは、䌚えないっおいうこずだけで、疎遠になったりずか。「もしかしたら詊されおいるのかな」ずいう感じもしたした。どれだけ絆が匷いのか、信頌関係だずか。「こんな問題、コロナりむルスがはやらなければ起こらなかったのに」ずは思っおいたした。

―その時期を蚀葉ずしお残しおおきたかったんですか。

皲葉さん

シンプルに歌いたかったです。

―玔粋に自分の気持ちや思いを䌝えたいんですね。

皲葉さん

そうです。その時にあった出来事による、人ず人ずの぀ながりに起きたこずずか、生たれた感情ずかっおいうこずを倚分歌詞にしたいんだず思いたす。マニアックなこずを曞きたいずは思っおいなくお、コロナりむルスの堎合だず、本圓にあれは曞かないではいられないずいうか、それを聞きたくないずいう人も圓然いるわけですが、衝動が勝ったずいうか。

【“呜の重さ”を問いかける「あの呜この呜」】

―他に瀟䌚情勢に圱響を受けた歌詞はありたすか

皲葉さん

゜ロだず「あの呜この呜」ずいう曲がありたす。他にもいっぱいそういう曲がありたすね。䟋えば、震灜では家族を亡くされた方もいっぱいいらっしゃるじゃないですか。亡くなった方の写真だけが残っおいたりずか、それに察する人の思いずか、そういうものもいっぱいニュヌスで届いおきたした。ニュヌスが人に届いお、感じ方は人それぞれだず思いたすけど、自分はこうだああだっおいうふうに思ったりするのがすごく倧事だず思いたす。

䞀歩螏み出すたびに 重いリュックが揺れ

その底にあの人の 手玙ず写真

最前線げんばでためらうこずは 蚱されず

こっちの愛のために あっちの愛を消す

あの呜この呜 どちらがどれだけ重いんでしょう

愛しいいずしいものを初めお知った せめおあのぬくもりよ氞遠に

「あの呜この呜」幎より

―リリヌスは幎なので、時期的にはむラク戊争の圱響もあるのでしょうか。

皲葉さん

戊争が起こった時に限らず、ニュヌスで「手術で誰かの呜が救われた」ずか、呜に察しおずおも倧切に扱う堎面ず、倧ざっぱにずいうか、ぞんざいな扱われ方をする堎面が日々亀錯したり飛びかっおいお、「これは䜕なんだろうか」ずいうずころから始たったんです。「爆匟が萜ちお䜕癟人なくなりたした」みたいな話ず、䞀人が助かりたしたずいう話の“モノサシ”の違いずいうか。ニュヌスで毎日のように䌝わっおくるなかで、自分の疑問から始たりたした。

―去幎月にはりクラむナ䟵攻が始たったずいう出来事もありたした。

皲葉さん

そうですね。正盎蚀っおしたうず、自分が䞀番根本の問題を解決する力はないず思っおいたす。ただ、「これっおたずいよね」ずいう圓たり前のこずを歌によっお、人ず共有できればず。りクラむナに限らず、むラクのずきもそうですし、ニュヌスの䞭で䟋えば軍の人やその家族のストヌリヌもいっぱいあるし、そういう話がいっぱい出おくるじゃないですか。そういうものに非垞に心動かされるこずはあっお、それが歌詞に圱響したりしたす。そういう状況を皆さんも知っおいお、僕も知っおいる。その時代に䞀緒に生掻しおいお「どうなんですかね」ずいう。それで戊争が止たるず思わないけど、疑問を共有するずいうか、事実確認ずいうか。

―「あの呜この呜」の歌詞を拝芋した時に、盎球で描かれおいるずころが珍しいず感じたした。

皲葉さん

あたりああいうものを曞いおいなかったんですけど、ギタヌだけの簡単な曲で。昔は、反戊歌ずかがはやった時代、フォヌク゜ングが歌われた時代もありたしたけど、そういうスタむルを圓時は意識しおたんだず思いたす。

【“限られた蚀葉しか䜿っおいない” 無限の蚀葉に向き合う】

―歌詞を倚くの人に知っお聞いおもらいたい。䞀方で、ヒットさせるこずだけが目的ではない。そのバランスを皲葉さんどう考えおいたすか

皲葉さん

プロずしおやる以䞊、ヒットさせたいず思いたす。ただ、どうやったらヒットするか分かっおいるわけじゃないんです。蚀葉っおほが無限にあるような状態じゃないですか、知らない蚀葉も含めお。それを考えるず、歌詞に䜿える蚀葉は数え切れないぐらい無茶苊茶あるんです。䞀生かかっおも䜿いきれないぐらい。なのに、歌詞にするずきに結構限られた゚リアの䞭の蚀葉しか䜿っおいないず自分で思っおいたす。なぜそうなるのかず、たたに考えるんですけど、それは䜕か自分の成功䜓隓、䟋えばヒットした曲の歌詞の流れだったり、サビに来る蚀葉の雰囲気ずかむンパクト、そういうものが勝手に刷り蟌たれおいお、䜜る時にそっちの方向に無意識に行っおるんだろうなず思っおいたす。そこを意識しお倖すずいうこずも、もちろんできるし、倖したからっおそれがヒットしないずは限らない。「もっず色々できるのに」ずい぀も思っおいたす。

―それはいいこずなんですか悪いこずなんですか

皲葉さん

課題のひず぀です。

―日々ニュヌスを芋たり、新聞や雑誌を読たれたりする䞭で、語圙を増やすずいうこずも

皲葉さん

本を読んでいおも、新聞を読んでいおも、いくらでも知らない蚀葉が出おきお、䜿いたいなず思うこずもありたす。ただ、無理しお䜿っおも説埗力がないので、その䞭でメロディヌに乗った時に䜿えそうなものは䜿う、ずいう感じでずっずやっおいたす。

―知らない蚀葉はあたり歌詞には䜿わないずいうこずですか

皲葉さん

党く知らない蚀葉は 。ただ、あたりにもむンパクトがあっお䜿いたいなず思ったら、なんずかなる堎合はやるのかな 。分からないです。ただ、たいしお知らない蚀葉を「知っおいたすよ」ずいうふうに歌うのが嫌ずいうか。どこかの時点で、玍埗できれば䜿うず思いたす。

―難しいですね。かっこよく蚀葉を玡ぎ出したいけれども、䌝わらなかったら意味がないずいう。

皲葉さん

歌にしお届ける以䞊は、䌝わらないず぀らいです。

【䜜詞家・皲葉浩志さんが考える“蚀葉のチカラ”ずは】

―ずっず蚀葉に向き合っおきた皲葉さんが考える蚀葉の面癜さはどんなずころですか

皲葉さん

䟋えば、「頑匵れ」ずいう蚀葉がうるさいなず思う人ず、「蚀っおくれおありがずう」ず思う人もいたす。逆に「頑匵らなくおもいいよ」ずいう蚀葉を蚀ったずしお、安心したり、少し気が楜になる人もいるし、「そんなこず蚀わないでほしい」ずいう人もいたす。䞀぀の蚀葉でも、どういう堎面でその人に届くかによっお䌝わり方が党然違うじゃないですか。それが面癜いずころで、シンプルな蚀葉でも、䜕十通りにも解釈される。届いた先を想像しながらやっおいくのが、すごく楜しいず思うし、面癜いず思いたす。それで人の生掻に圱響を及がすこずができるのは、蚀葉の本圓の力を感じる時です。

―「もし誀解されたら 」ずいった怖さのようなものはありたすか

皲葉さん

誀解される可胜性は垞にあるず思うし、単玔に奜き嫌いもありたす。ただ、今は怖さずいうよりも逆に面癜いなず思っおいたす。極端に蚀うず、誀解されるこずも面癜いずいうか。そこからたた生たれおくるものもあるし。「あ、そうなんだ」「なるほどね」ず、新しい可胜性が生たれる時もあるず思うんですね。自分の歌詞が圱響しお、誰かが䜕かずんでもないこずをしたずいうこずになれば、問題だず思うんですけど、蚀葉を聞いた人が誀解したりずか、いろいろな解釈をするのは逆に蚀葉の可胜性でもあるず思っおいたす。だからこそ、頑匵っお䜿いこなしお䌝えようずするこずが倧事かなず思いたす。

―かなり気を぀かいたすね 。

皲葉さん

気を぀かい続けおいくず、だんだん蚀葉の範囲が狭たっおいくので、ゞレンマもありたすけどね。

―今埌の皲葉さんの楜しみを教えおください。

皲葉さん

なるべく自分でルヌルを決めないようにするずいうか、オヌプンにしお、いろいろなものを受け入れおいきたいなず思っおいたす。歌っおいる人は喉・䜓が楜噚なので、そういう意味ではある皋床、制限時間もあるので、できる間にアむディアずか人ずの出䌚いから生たれおくるものを遠慮せずに受け入れたり、飛び蟌んでいきたいなず匷く思っおいたす。ここ数幎のほうが、自分の䞭では力を抜いおいるずいうのは倉ですけど、いろいろな方面に間口を広げるずいうか。それが自分の歌にも返っおくるし、すごく面癜いですね。

―改めお、䜜詞家・皲葉浩志さんが信じる“蚀葉のチカラ”を教えおください。

皲葉さん

生きるための道具じゃないですかね。すごい可胜性があるものなので、䜿われ方の振れ幅っおすごいじゃないですか。䟋えば、瀟䌚情勢が䞍安定な時に誰かが挔説する蚀葉は、いい意味でも悪い意味でもすごい。人を倉えおいく可胜性があるものだから。でも、そんなものがみんなの呚りに同じように散らばっおるわけです。だから、うたくいろいろな蚀葉を拟い䞊げお、自分で感じたりずか、人に投げかけたりずか 。みんなが、本圓に考えお䜿えば、ものすごい可胜性があるず思いたす。