🆕オミクロン株対応ワクチン 接種始まる

NHK
2022年9月21日 午後7:15 公開

青井)科学文化部の三谷記者にきょうから接種が始まった新しいワクチンについて聞きます。オミクロン株に対応している新しいワクチンとは?これまでのワクチンと比べてどんな違いがあるのでしょうか?

三谷記者)

新しい「オミクロン株対応ワクチン」には、「BA.1」に対応したワクチンと、これまで接種してきた元の新型コロナウイルスのワクチンの2種類が含まれています。

いま、主流になっている「BA.5」にも効果があるとされています。ウイルスの働きを抑える中和抗体の値でみると、「BA.1」に対するほどではありませんが、これまで接種してきた従来型のワクチンより一定程度高いとみられています。

青井)副反応について、従来のワクチンとの違いはあるんでしょうか。

三谷記者)

海外で行われた臨床試験では、従来型と大きな差はないとされています。注射した場所の痛みは多く、けん怠感が半数程度。38度以上の発熱が5%程度。多くは軽度から中程度で、1日から2日程度で収まるということです。

青井)新しいワクチンは高齢者や医療従事者から接種が始まって、多くの人が接種できるようになるのは10月半ば以降ともされています。比較的すぐ接種できる 従来のワクチンを選んだほうがいいのか、それとも、少し待ってでも、新しいワクチンを接種した方がいいのでしょうか。

三谷記者)

次のワクチンをどう選択するかは、専門家の間でもさまざまな意見があります。

(北里大学 中山哲夫特任教授)

「当然オミクロン株の入っている方のワクチンの方が感染防御、それから発症予防にもある程度効果があるわけですから、従来株(のワクチン)を今打つという選択肢もあるんですけれども、オミクロン対応のワクチンを待ちつつ、感染に対しても十分な注意を払っていくというのも考えてもいいと思います。」

(新潟大学の齋藤昭彦 教授)

「国内の現状では、ワクチンを早めに接種するというのが原則かと思います。いつこの次の(感染拡大の)波が来るかわからないところがありますので、接種をして、そして次の波に準備をしておく。そういう考え方が必要なのかと思います。」

三谷記者)

今回のオミクロン株ワクチンは、前回の接種から5か月たった人が対象です。例えば、いま従来のワクチンを接種した場合、次にオミクロン株対応ワクチンの接種ができるのは、5か月後になります。自分の接種したタイミングや、感染状況を見ながら判断することになります。

青井)一方で、アメリカの「ファイザー」が先週(13日)、オミクロン株のうち、感染の主流となっている「BA.5」に対応する成分が含まれるワクチンについて厚生労働省に承認を求める申請をしました。日本での承認のメドはどうなっていますか。

三谷記者)

「BA.5」対応のワクチンは、アメリカでは緊急使用が認められています。日本国内では、モデルナも近く、同様のワクチンの申請を行う予定ですが、まだいつ承認されるかは分かりません。

いま主流の「BA.5」に対する効果は高い可能性がありますが、イギリスなどでも日本と同様、「BA.1」対応のワクチンを接種しています。専門家は、「BA.5」対応のワクチンを待つより、「BA.1」対応ワクチン、もしくは従来型ワクチンを接種すべきだとしています。

Q)子どものワクチン接種は、どう考えればよいでしょうか。

三谷記者)感染力の強いオミクロン株が主流になってから、重症化する子ども、亡くなる子どもが増えてきていることもあり、専門家は、「子どももワクチンを打つことが推奨される」としています。

オミクロン株ワクチンは、12歳以上は接種できるので、中学生や高校生はおとなと同じように考えればいいとしています。ただ、5歳から11歳の子どもは、子ども用のオミクロン株のワクチンができるのを待つのではなく、従来型のワクチンの接種を検討してほしいということです。

田中)パンデミックの行方について。WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は、「感染拡大の終わりが視野に入ってきた」と述べました。アメリカのバイデン大統領も、「まだ問題はあるが、パンデミックは終わった」と述べています。

日本でも感染者の数は、減少傾向に入ってはいるが、パンデミックの終焉は、見えてきているのでしょうか。

三谷記者)

たしかに、日本でも感染者数は全国で1日20万人を超えていた8月のピーク時から比べると大きく減りました。徐々に、パンデミックではなく、コロナを通常の病気として扱うようになるタイミングが近づいていることは間違いありません。

しかし、多くの専門家は次の「第8波」がやってくるとみています。ことしはインフルエンザとの同時流行も懸念されています。WHOも「終わり」に近づくためには、ワクチンの接種など対策を続けることが重要だとしています。

ワクチンを接種するかどうかは個人の判断です。感染者数が減少局面のいま、接種について落ち着いて考えることが大事だと対策にあたってきた多くの専門家は話しています。