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値上げの波 魚介類にも!専門家は

NHK
2021年11月17日 午後10:05 公開

ガソリン、小麦、大豆・・輸入品の値上げが相次いでいますが、魚介類も。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査部長に背景や見通しお話を聞きました(11月17日)。

――いろいろなモノが値上がりしています。この背景には何があるのでしょうか?

斎藤さん: 

まず根っこにあるのは新型コロナウイルスの影響で、世界的に需要が急速に落ち込んだところから、一気に回復してきましたので、なかなか供給量が追いつかない。つまり需要が増えすぎて、なかなかそれに対応仕切れないことで、いろいろなモノの値段が上がっています。

典型的にいま上がっているのが原油価格です。原油価格はそれだけではなく、それを使っていろいろなモノを運びますので、いろいろな輸送費が上がります。そうするといろいろなモノの値段が幅広く上がってしまう。それが今起きている現象です。

――円相場はどう影響しているでしょうか?

斎藤さん: 

日本の場合、特に輸入物価の上昇というのが円安の影響として現れています。日本は円で取り引きしていますけど、当然輸入するときは多くはドルで契約しますので、そうすると今ドルに対して円は安くなっていますので輸入するすべての品目が円安の分だけ値上がりしてしまう。そういうことがいま起きています

【原油、穀物、木材、それに・・】

――特にどういったモノが強く影響を受けているのでしょうか

斎藤さん:

一番上がりやすいモノは原油価格、それから穀物、木材、いろんな原材料

軒並み大きく上がっています。

――海産物も影響を受けていますが、これはどうしてでしょうか?

斎藤さん:

海産物についてはほかの食料品とちょっと性質が異なっていまして、やはり船を動かすのに燃料を使いますので、それのコストが上がっています。またそれを輸入してくるときに輸送コストが上がっている。2つの大きな要因かと思います。

日本の場合、海産物はもちろん国内でも取っていますけど、例えばお寿司屋さんは輸入するものが多いんですね。マグロが典型だと思いますが、お寿司屋さんの場合は海外で取ったものを輸入して国内でなるべく安く販売する。そういうことが多いものですから、輸入されるマグロとかかなり上がってきているということだと思います。

【歴史的な値上がり】

――こうした事態はこれまでもあったのでしょうか?

斎藤さん:

これまでも、例えば原油が上がるときには、日本の輸入物価は大きく上がるというのはしばしばあるんですけど、今回の上がり方は、言ってみれば歴史的な上昇ということが言えると思います。具体的には、日本の輸入物価は第2次石油ショック、1980年くらいの勢いで上がっているってことなんですね。ですから40年ぶりくらいの物価上昇というのが輸入品については言えると思います。

――歴史的な上昇幅ということですが、海産物はどういう状況にあるんでしょうか?

斎藤さん:

通常は海産物というのはそれほど上がらないというのが一般的なんですが、今回は輸入品が軒並み上がっていて、それが海産物にまで波及しているということだと思います。いま日本の輸入物価はだいたい前年と比べると4割ぐらい上がっています。これは1980年以来、約40年ぶりの上昇ペースということなので、歴史的な上昇ということが言えるかと思います。

【影響は半年くらい続くか】

――この影響、いつまで続くとみていますか?

斎藤さん:

今は、企業がこの輸入品の上昇をコストとしてかぶっているわけですけども、これから徐々に家計に転嫁されていくということですから、これから冬場にかけて消費者の感じる物価上昇というのがどんどん高まっていくと。これから半年くらいは家計が物価上昇を実感する時期ではないかというふうに思います。

――どうなればこの上昇が落ち着くのでしょうか?

斎藤さん:

やはりコロナショックで需要と供給のバランスが大きく崩れたというのが

この世界的な価格上昇の背景にあります。ですからコロナ禍がある程度落ち着いていけば、長い目で見れば需要と供給のバランスはとれていくので、これから何年もこういった状況は続かないと思いますが、やはりこれから半年くらいは価格が不安定な状況というのは続くと思います。

※インタビューは11月17日に放送されました。