ウクライナ侵攻 暮らしへの影響じわり サーモン、電気・ガス・・

NHK
2022年3月9日 午後2:00 公開

ロシア軍のウクライナ侵攻により、われわれの食卓や暮らしにもさまざまな影響が広がっています。

8日(水)はノルウェー産の生サーモンや電気・ガスについてお伝えしました。

3月8日(水)に放送された動画はこちら。15日までご視聴いただけます。

福岡市内の魚の市場ではノルウェー産の生サーモンが今、品薄になっているということです。

鮮魚店の長谷川文昭・店長は「ほぼほぼないそうです。サーモンがいちばん売れる魚種なので本当に困ります」と話します。

ノルウェー産の多くは日本への最短距離となるロシア上空を通過する航空機で運ばれているといいます。

しかし軍事侵攻の影響で欧米の航空各社では、ロシア上空の飛行を停止するところも。

代わりとなるのは中東を経由するルートですが、ほかの貨物との取り合いもあり、航空便の確保が極めて難しくなっているといいます。

生サーモンの生産・販売会社営業本部の星嶋倫徳統括本部長は「来るのか、来ないのか、今後どうなるのかというのが見通せないなか、今できることを必死にやっている」といいます。

その上で「(軍事侵攻の)影響は、対岸の火事ではなくて、直撃するんだなと実感している」としています。

軍事侵攻の影響は、大阪市内の貿易会社にも出ています。

ロシアに中古車の部品を輸出している会社です。

旧ソ連時代から50年近くにわたりロシアとのビジネスを続けています。

ロシアとの貿易会社を経営する岩佐毅さんは「為替レートがすごく動いている」と指摘。

その上で「突然ドーンと(ルーブルが)下がった。ドルやら外貨が高くなった」と話していました。

ロシアの通貨ルーブルが急激に下落している影響で日本からの輸出品の価格が上がり、買い手がつかなくなるリスクも出てきているといいます。

また、国際的な決済ネットワークSWIFTからのロシアの締め出しなど、先行きが見通せない状況もあり、今後、休業することも検討しているということです。

岩佐毅さんは、「私はロシア革命は体験しておりませんけれども、ソ連の崩壊は体験している。ロシアとビジネスをやっているとそういうことが何かありうると覚悟して今までやってきている。平和的に解決してほしい」と話していました。

そして私たちの暮らしに大きな影響がある原油。

ウクライナへの軍事侵攻を受けて、国際的な原油の先物価格はさらに上昇。

ニューヨーク原油市場の「WTI」と呼ばれる先物価格は一時、13年8か月ぶりの高値水準まで急上昇しました。

またアメリカのブリンケン国務長官は、ロシアからの原油の輸入禁止について、同盟国と協調して具体的な検討を進めていることを明らかに。

この方針について、萩生田経済産業大臣は8日、閣議のあとの会見で「わが国は国際的なロシア制裁強化の動きの中で、エネルギーの安定供給と安全保障を最大限守るべき国益のひとつとして、G7とも歩調をあわせ適切に対応していきたい」と述べました。

アメリカが検討している原油の輸入禁止について、専門家はアメリカと日本とでは、置かれた状況が異なると指摘します。

第一生命経済研究所の藤代宏一・主任エコノミストは「アメリカというのは産油国ですから日本あるいは欧州と比べると原油価格が上がることの相対的なダメージが小さい。日本とか欧州は原油価格が上がると困るのであまり経済制裁を強くできない」と指摘。

さらに「原油を筆頭に輸入価格が上昇すると、約半年間遅れて、電力・ガス、そちらの料金に転嫁されますので、ことしの夏ぐらいまで電力料金が高止まりする。こうした状況がほぼ確定的な状況になっています」と話しました。