🆕「back number」インタビュー たっぷりご覧ください!

NHK
2022年11月4日 午後9:00 公開

-連続テレビ小説「舞いあがれ!」、ご覧になっていますか?

清水さん)もちろん。

-自分たちの曲が毎朝流れる。どういう気持ちですか?

清水さん)普通にドラマを見てしまっているので、流れるたびにびっくりしますね。ああ、そうだったって。

小島さん)昔おばあちゃんが見ていたのを自然と思い出したんです。イントロが流れて、こういうふうに始まったなとか。

栗原さん)自分たちの楽曲ではあるんですけど、ドラマにマッチしているので、自分たちの曲でもあるけど、ドラマの曲みたいな、不思議な感じ。

-連続テレビ小説の主題歌を作ってくださいと聞いたとき、どんな気持ちでしたか?

清水さん)うれしかったですね、単純に。一生に一度できるかできないかっていうところだと思うので、本当に光栄でした。

-どんな曲にしよう、歌詞にしようという計画はあったのですか?

清水さん)そこまで厳しく指定をいただかなかったので、脚本を読ませていただいて、そこで感じるものを、何曲か書いていって、みんなにどうするか聞くというか、「どんな感じ?」「どう?」みたいな感じでやっていました。

-それで『アイラブユー』ができた。どういう思い、メッセージが込められている曲ですか?

清水さん)そこまで大げさな感じにするつもりじゃなかったんですけど、でもなんかアイラブユーって言葉がすごくしっくりきて、タイトルとしてつけて、今でもそういう曲なんですけど、決してアイラブユーとか、愛がどうだというところに向かっていったわけではなく、単純に日常の中で起こっていることが、ちょっとでも幸福に思えるような質感を持ったものにできたらなっていうのはありました。

-『アイラブユー』ができたとき、どういう印象でしたか?

小島さん)依与吏がデモの段階で作ってきたときから、単純に「いい曲だな」と思ったんで、毎日聞けるのはいいなっていうのは思いました。

栗原さん)すごく心にじゅわっと染みるなと。じーんと、染みわたるようなあったかい気持ちになる曲ができたなという感じはしましたね。何回も聞きたくなるような温度感があったと。

-「ここいいよね」というところはあります?

小島さん)back numberっていうバンドがそうなんだと思うんですけど、選ばれている言葉とかがすごく身近なものが多いなっていう印象があって、公園とか駅前とか、そういうところと、アイラブユーっていう言葉の意味合いが、すごく身近なことなんだよって言っているのかなっていう。全体を通して身近な歌だなっていう印象があります。

栗原さん)本当に日常に沿った小さな幸せとか、そういう愛を歌っているような。

-注目してほしい、こだわったポイントがあれば教えてください。

清水さん)2番の歌詞は、この曲の主人公がどうこうっていうよりも、日常、仲間たちとか、本当に心ある人たちと一緒にものをつくっていきたいという、自分の人生みたいなものがすごく反映されているなと思います。アイラブユーという言葉が出てきたのは、たぶん最後の2行。その部分が出てきて、これは『アイラブユー』っていう曲なんだなというふうに思わせてくれたのはその2行なので。すごく重要なのかなと思います。

-『アイラブユー』は直球なタイトルですが?

清水さん)しっくり来るものを探してそれしかなかったという感覚。それを思いついてから別のタイトルは考えつかなくなったっていうのが一番でかいですね。

-恋愛ドラマではないけど、『アイラブユー』というタイトルなのですね。

清水さん)恋愛でもいいと思いますし、この曲を聞きながら、自分の大事な人を思い浮かべたり、その人がいる前でっていうところで、より自分がその人を大事に思っているか、たぶんわかると思うので。

-今の時代背景というのは、曲作りに関係してくるのですか?

清水さん)今っていう時間を生きている人間たちがつくっているので、無関係ではないと思うと同時に、たぶん僕ら、ほぼ舞ちゃんと同い年なんですよ。なので、より身近にというか、彼女が大学生のときはたぶん、僕はもう職人仕事をしていたりとか、そういうのも思いながらっていうのはありましたね。

-ドラマのストーリーも考えながら?

清水さん)全部の脚本を読んだわけではないので、やっぱり一番最初の段階って、おばあちゃんと舞ちゃんと、お母さんっていう、もちろんお互いのなかで全部がうまく回っているわけじゃないんだけど、でもこれは思いありきの話だよねっていうのは強く感じたので、そこと違和感がないようにしたいなとは思いました。

-アイラブユーを伝えるというのは、恋人だけではなく、家族も含まれている?

清水さん)そうですね。どの角度から見ても違和感なくっていうのはすごく思っていたんで、もうすでに大学生になっていたりとか、これからどんどん進んでいく舞ちゃんの人生の話なので、どの角度から、どの人から見ても違和感がないようにしたいなと。

-「こう受け止めてほしい」というわけじゃなくて、「いろいろ感じてほしい」「解釈してほしい」というのは常に思っているのですか?

清水さん)僕らがどう思おうと、スピーカーの外に音が出たらもう僕らは何も関与できないんで、あとは聞く人が今どういう気持ちで、誰のことを思って、何がつらくてっていうことだと思うので。いろんな歌詞というか、本当に長いこと文章が続いていますけど、その中の本当にそうだなって思う一行も全然違うと思うので、そこに対してはあんまり関与はできないんだろうなって思っています。

小島さん)こっちから、これが正解なんですよって提示することって、なんかもったいない気がするんですよね。「こういう曲ができました。いい曲だと思います。自信を持っています」って提示するだけで、受け取る人がどう受け取っても、その人のためになったらいいなっていう感じです。

-ヒロインを意識した歌詞はありますか?

清水さん)読んだ脚本の序盤は、舞ちゃんはまだ小学生だったんで。おばあちゃんかな。単純に自分、歌をつくる人間から、いなくなってほしくない人に対しての思いっていうものと、おばあちゃん、お母さん、舞ちゃんっていうあの3人のなかでも共通で、まったく違和感がないものじゃないと嫌だなっていうふうに思ってたんで、ここが舞ちゃんですっていうことは。「舞って」って入っていますけど、でもそんなに気にしていなかったですね。あとで、「あ、舞ってって言っちゃったな」ってあとで気づいたぐらいです。

-全体を通しておばあちゃんの思いであったりを意識した?

清水さん)想像したのは、これから舞ちゃんが苦労すると思うんで、全部が全部順風満帆でというわけにいかないと思うので、すごくしんどいときがあっても、きちんとそれを支えたいとか、舞ちゃんのことを大事に思っている人たちが、心でこの曲が流れるみたいなことのほうが、なんか舞ちゃん自身というよりは、舞ちゃんを周りが応援するみたいな感覚のほうが強かったんですかね。そういう角度のほうが強かったですね。今思うとですけど。ヒロイン自身というよりは周りのことを意識しているかもしれない。舞ちゃんに対して歌うっていうか。もちろん回り回って、舞ちゃん自身が誰かに歌う日も来るんだと思うんですけど、意識としては舞ちゃんが折れないようにっていうか、折れそうになったときでもきちんと自分のことを思ってくれている人がいるって確認できるようなものになっている気がします。

-お話を伺うと、ドラマを見たときにぐっと入ってくる感じがしますね。

清水さん)応援したくなっちゃいますよね、舞ちゃんを。

-back numberの魅力、街の人たちの声を伺ってきました。皆さん「歌詞に共感する」と言っていましたが?

清水さん)ありがたいに尽きますよね。本当に僕らがいくらいいと思ったりとか、共感してほしいとか、いろいろ思っても、全然別の場所で育った方が共感してもらえなかったらなんにもならないんで、単純に運がよかったというか、そういう感覚ですね。

-共感してもらいたいと思って歌詞をつくっているのか、ご自身の経験や体験を書いているのか、歌詞に込めるメッセージというのは?

清水さん)そもそも人が好きなんで。自分自身の単純な、清水依与吏のエゴとして書くつもりでも、形にしていくなかでメンバーの2人が一緒にいてくれるわけなんで、2人が「これなんのこっちゃ」みたいなことだったらきっと演奏にも身が入らないと思うので、そういうところは、大前提としてあるのかなぐらいにしか思ってないです。

-曲を聞いて「頑張らなくていいよ」とか、そういうメッセージも受け取るという声もありました。「頑張れ」「負けるな」「前を向いて」とか、そういう歌が多いなか、「そんなに頑張らなくてもいいよ」みたいなことも感じると。

清水さん)たぶんその彼が今頑張り過ぎているんだと思う。もっと頑張んなきゃなって思うタイミングで出会った方は、もちろん曲にもよると思うんですけど、そういうものをたぶん手にすると思うんで、それは本当に聞き手しだいというか。その感覚が間違いなくそこに、聞いてくれるその彼にあったわけなんで、僕らの楽曲がどうのっていうことではないと。

-若い世代に向けたメッセージみたいなものは、どう歌詞に込めている?

清水さん)そこまでメッセージを込めたみたいなことは今までやってこなかったつもりなんですけど、でもその曲を聞いて僕ら自身が「こういう気持ちになりたいな」とか、「癒やしが欲しい」「もっと頑張りたい」とか、そういうものを込めているんだったら、まあ込めているっていう話なので、聞いてくれている人にというより、楽曲のなかにとにかく詰め込んで、これを聞いてネガティブにならないというか、「少し休んだほうがいいな」って思う方もいらっしゃると思いますし、「もっと頑張らなきゃだめだ」と思う、その人それぞれのフェーズの話だと思うんで、どのフェーズにでもちゃんとフィットするというか、少しだけ背中を押すじゃなくても、背中を支えるとか、そういうものであってほしいなって思っていますね。

-何か感じ取ってもらえればというスタンス?

清水さん)歌詞が結構具体的だったりもするので。それ以上に何かそこに書いてないことというか、より行間を読んでもっとこうなってくださいっていう感じではないです。

-若い世代のファン、皆さんから見るとどう映りますか?

清水さん)ある意味、大人になりきれなかった3人組でもあると思うので、何をもって大人なのかって、難しいですけど、ただ単純に年齢を重ねて大人になるのか、そこもちょっと疑問が残るので、自分でも理解していないものを振りかざして、若い世代にマウントを取るというか、「こういうもんなんだよ」みたいなことを言うのは違うとは思っています。

-大人になりきれなかった3人というのは?

清水さん)そこまで大きな意味があるわけじゃないんですけど。バンドをやって、本当に運よくそれを聴いて頂いて、自分たちが、もちろん楽な場面だけではないですけど、でも毎朝会社に行って、きちんと世の中のことに僕ら以上にずっと長い時間目を向けて、家族を守るために必死にっていう方はたくさんいらっしゃると思うので、勝手な僕らの感覚ですけど、そういう意味でまだまだ子どものまま音楽を楽しんでいたりっていう時間が多いので、その辺の感覚ですかね。

-『水平線』について。この曲を作ることになったきっかけは高校生から送られた手紙だったと。

清水さん)インターハイがあって、開催が群馬だったんです。僕らは群馬出身ということもあって、開会式で、僕らの『SISTER』っていう曲を吹奏楽のチームで演奏してくれる予定だったらしいんですけど、コロナ禍で駄目になってしまった。大会を運営する側の学生とか、演奏する人たちも、とにかく選手を鼓舞するっていう気持ちが強かったので、このままじゃ何もしてあげられないし、自分たちも悔しいってことは、選手たちは、一生懸命頑張ってきたものを披露できない、競えないっていうのはもっとつらいだろうっていうふうに、学生側が学生に対しての思いをすごく書いてあったので、それで何もできないなんて、もう音楽家じゃないなって思ったんで、「じゃあ何ができるかな」って、ビデオのコメントとかっていろいろあったんですけども、「だったら曲作ったほうがいいんじゃない?」みたいな感じで、始まりました。

-どんな思いを込めたのですか?

清水さん)自分たちも成長とか大人とか人間とか努力とか、言葉としては使っているけれども、よくそのすべてを理解していないのにもかかわらず、若い世代に対して、「しょうがないよ、こういうこともあるよ」みたいな感じは絶対にしたくなかったので、正直かける言葉も見つからなかったので、なので自分たちが一番しんどいときに、寄り添ってもらってきた言葉だったり、メロディーもあんまり派手にあっちに行ったりこっちに行ったりっていうものより、淡々とそこにいてくれるようなものがいいなと思って、最終的にああいう曲になりました。

-歌詞のどの部分に今まで寄り添われた言葉というのがあるのですか?

清水さん)もう本当に全部なんですよね。自分でひらめいたものもあるでしょうけど、あるときは身近な人に言ってもらえたりとか、あるときは映画のなかで。またあるときは町を歩いているときに座っている人たちが発した言葉だったりとか。自分の生きていくなかでのヒントとか、「ああ、そうかもな」って言葉ってどこに落ちているかわからない。自分たちが探しているときに見つかるんだと思うんですけど、本当はたくさんあふれているんですけど、探していないから見つからないだけで。だから、この歌詞を書ける感覚にしてもらえたなっていう、周りの人に。親も、きょうだいとか友達もそうですし。事務所も、レコード会社もそうですし、メンバーの2人のことも忘れちゃいけないし。感覚だと思うんですね。どの言葉というよりは、この言葉をつづることしかできなかった人間にしてもらえたっていうのが一番でかいと思うんで。言葉って、結果的にありますけど。それ以上に大事なのは人間だと思うんで。

-ふだんからいろんなことを見ながら、生活されているんですか?

清水さん)どうですか?そんなにきょろきょろしてはいないのかな。

小島さん)見つけにいくっていうときもあるとは思うんですよね。散歩するっていう意味合いもたぶん変わるときもあるでしょうし。

清水さん)散歩は確かに好きですね。さすがに「歌詞書いてくるわ」っていう感じはないとは思うんですが。ふらっと行くとかで、出会いってあったりするのを見つけてくるんだと思うんですけど。

-だから「人が好き」に通じてくる?

清水さん)そうですね。よくアーティストの方で、人間観察が好きみたいな方がいらっしゃるんですけど、そういうタイプじゃないです。見られるのは嫌だろうなと思うんで。無理やり引っ張ってくる必要はないと思っていて。自分がそのとき目に入ったものって、自分に必要なものだと思うんですね。必要でなかったら全然気づけないんで。「こんなところにこんなお店があったんだ」って、5~6年前からありますよみたいな。目に入っていなかっただけで。だから無理にというよりは必要なものをきちんと摂取していくというニュアンスが一番近いですね。

-『水平線』は、コロナ禍で作られたものですが、時代のメッセージみたいなものは?

清水さん)コロナがなかったらできあがらなかった曲なので、難しいですね。コロナが好きじゃないんで。嫌いなので。コロナがなきゃできなかったんで、だからこの曲が褒めていただいたりとか、うれしいんですけど、ちょっと切ないとこもあるなというか。できあがったから、こういうものがあったから、「コロナがあってよかったよね」っていう日は永遠に来ないと思うんで。そこがすごく悔しいところですね。でも、『水平線』に僕らも救われているところもたくさんあるので、大事にしていますし、されるべき楽曲だと思うんですけど、すごく難しいなと思っています。今でも。

-大人から見ると、コロナ禍の高校生活は、自分たちが経験していた高校生活とは違うものになったわけで、その辺りは?

清水さん)しんどいと思いますね。想像もできないんですけど。でも、先輩方に、音楽的な部分だったりバブルの時代みたいなものを、好景気で日本が盛りあがっているっていう時代を知っている方からは、「損しているね」みたいな。「あの時代だったらお前らもっとあれだったよ」みたいな感じで言っていただくんですけど、知らないんで。だからそれは教訓だったり、いろんな学びとして得るんですけど、でも、「俺たちのときはこうだったからあんまりその時代って楽しくないよね」って言い張ってしまうのは違うと思うんですよね。もっとずっとタフだし、もちろん打ちひしがれている子もたくさんいると思うんですけど、自分たちなりのやり方で楽しみを見つけてくれていると思うので、そこもまるっと否定はしたくないなと思ってます。

-大人たちが勝手に助けてあげようとか、そういうふうに思い過ぎるのもあまりよくない?

清水さん)そうですね。ただやっぱり大事に、より大事にしようっていう気持ちは強く持ったほうがいいとは思いますが、必要以上に、子どもたちの考える力を奪ってしまうこともきっとできると思うので、大人たちは。だから、きちんと道しるべでもなんでもなく、ただそこにいる目印みたいな感覚でいられるといいのかなと。絶対たくましく前に進んでいってくれてると思うので。

-清水さんっていい人なんですね。

清水さん)どうですか?

小島さん)いい人ですとは(笑)

清水さん)気持ち悪い。絶対そういうことではない。たくさん傷つけた人はいると思うので。だけどやっぱりその分、自分も当然傷ついてきているし、そのなかで嫌だったことはしないようにとか、単純に親もそうですし、周りの人たちから言っていただいたり、骨身に染みていることを、少しずつやれるようになってきたのかなと思って。大切にしかたもわからなかったんで。わかっていたら大事にしたいなと思うんですね。

-高校生たちの思いに共感するところもありましたか?

清水さん)僕ら自身ずっと勝ち続けているみたいな人生送っていないので、そもそもリンクするところはあったんで。僕自身も陸上競技をやって高校のときインターハイを目指して、全然行けなかったですけど、そんな強くなかったんで。だけど、やっぱり悔しさみたいなものは、もともと3人ともちゃんと持っていたので、あんまり意識せず、リンクできたんだと思います。

-人生の悔しさも恋愛の悔しさも含めて?

清水さん)全部でしょうね。まあ、たぶん、ぱっと見、常勝軍団には見えないと思うんで。音楽もずっとやるコツがもしあるとしたら、折れないこと、腐らないことだと思うんで、そこだけっすね。

-常勝軍団でないとするなら、そのほうが逆に今となっては歌詞を書くにはよかった面もある?

清水さん)いや、勝ちたいっすよ。常勝がいいに決まっているんですよ。でも勝てないから、思い知るだけで。勝ったら勝ったで、そういう歌詞を書いてたんだと思う。もっと明るい歌が多かったと思いますけどね。

-負ける自分に寄り添ってくれるのがいいという若い世代の人たちもいました。

清水さん)ちゃんと負けてきたっていうことですよね。でも結局、勝ち負けって本人がどう思っているかなんですよね。負けてても、2位でも3位でも勝ってるって思ってる人はいるし、1位でも何で勝てないんだろうって首かしげている人もいると思うんで、もうこれ性格だったりとか、back numberはそういう歌を歌うさだめというか、そういうもんなんだろうなって今は思っています。

-なぜ若い世代にback numberの皆さんの曲って刺さっているのだと思いますか?

清水さん)刺さってますか?どうなんだろうな。う~ん。単純に、きっちり負けてきたやつらが、悔しいけど、でも今も折れずにやってるよっていうのを、音だったりいろんな部分で表現することが、僕らなんで。だから結果的に同じようにしんどい思いをしてきている、世代問わずに、そういう方に、刺さるっていうか、同じだから刺さるっていうか。本当に刺さっているんであれば、きっとそうなのかなって思っていますね。

-手触り感を感じるのは、皆さんが経験したことだからかもしれないですね。

清水さん)他人事になってほしくないですよね。その、僕らの、やるものに関しては。

-若いときにつくっていた曲と、今の曲は、変わってくるものですか?

小島さん)曲を作るっていうことに関して、大きなものは変わっていないと思うんですけど、よく依与吏が言うんですけど、「今だったらこうやってもっとよくできる」って。

清水さん)昔の曲を聴いてね。

小島さん)それって昔の曲が悪いんじゃなく、「これってこっちのほうがよかったんじゃないかな」っていう。考え方とか。新しい曲は、昔は考えもしなかった編曲方法とかで彩りみたいなのが加えられたりするのは、変わったのかなと。

栗原さん)昔と今だったら自分たちの経験値だったりとか、いろんなものを得て、同じ感覚でも同じ作業をしても、引き出しが増えたっていう感覚はあるんで。選べる幅が広がったということなのかなと。

-歌詞はどうですか。

清水さん)人生の中を生きてしまうと、どうしても言葉を知ってしまうので。どんどん、同じ意味でも言葉がいくつもあるなっていう中から選ぶようになっちゃうので。選ばなかった、選べなかった、それしか思いつかなかった強さみたいなものはだんだんなくなっていくんですよね。なので、だからこそ選べる強みというか、今だからできること。もうあのころのことはできないけど、でも、「あのころの俺でもできなかったよな、きっと」っていうふうに割り切らないと書けないんで。難しいですけど、ずっと向き合っていかなきゃいけないんだろうなと。考え過ぎちゃいけないなっていうのは常に思います。

-私はアナウンサーなので、言葉を知るのはとても喜びのような気がしたのですが、逆に知ることが自分の歌詞づくりを苦しめてしまうことも?

清水さん)あると思いますね。なんか難しい言葉だったり。どうしても「すごい」って思われたいみたいなのが、まだどこかにあるのか、ちょっと難しそうな言葉を使って、「なんかすごいっぽいよね」みたいな感じに、歌詞を書いていくなかで、なっちゃうときもあるんで。でもずっと研ぎ澄まして一生懸命生きて、じゃ、最後何を手にしましたかっていうときに、僕個人としては、技術ですって言うのは嫌だなと思っているので。そうじゃなくて感覚、いろんな人たちと出会ってこういう言葉を選ぶ人間になりましたっていうところがゴールみたいになってほしいので、あんまり、「back numberってなんか技術がすごいよね」とかそういうゴールだと嫌だなって。ちゃんと言葉のなかに自分を見つけてもらいたいっていう、そういうなかでずっとやっていきたいなと思ってるんで。

-今後は、どういう曲を作っていきたいですか?

栗原さん)自分たちが聞いていて、ワクワク・ドキドキ、聞きたい曲っていうことじゃないですかね。その時々の自分たちのテンションだったり、モチベーションだったり、いろんな感覚を大切にして楽曲をつくっていけたらなと。

小島さん)寿が言ったのがすべてですね。嫌な気持ちで音楽はやりたくないんで。

清水さん)これからさらに年を重ねていくなかで、自分たちがしっくりくるものをやれたらいいかなと。なんか変に「若い人たちがこういうものを好きなんじゃないか」って奇をてらってやっても、きっと似合わないと思うんで。本当に自分たちにフィットしたものをやらないと、それが付け焼き刃だとか偽物だっていうのは簡単にばれちゃうので。本当にお腹の底から出てきた言葉だったりメロディーだったりを大事にしていければ、俺らなりの寄り添い方ができるのかなと思っていますね。