フィギュアスケートでオリンピック２連覇を達成した羽生結弦選手。

競技会からの引退を表明、プロに転向する考えを明らかにしました。

会見後、ニュースウオッチ９に生出演。そこで語った胸中は？

会見を終えて “オリンピックの演技より緊張したかも”

Ｑ）羽生結弦選手、都内のホテルから生出演していただいております。

羽生選手、こんばんは。

Ａ）こんばんは。

Ｑ）お疲れのところ、ありがとうございます。

いかがですか？まず率直に、会見を終えてどんな心境でしょうか？

Ａ）いやあ、とても緊張しました。

これ以上ない緊張感がありましたし、オリンピックの演技よりも緊張したかもしれないぐらい緊張していました。

Ｑ）今ちょっとほっとしているという状況なんでしょうか？どうでしょうか？

Ａ）やりきったなとは思ってます。僕自身記者会見をやりきったなって思っています。

これからスケートとしては、本当にこれからまたもっともっとうまくなりたいなと思っているので、これからも頑張っていきます。

Ｑ）「きょうは自らの言葉で話したい」とおっしゃってましたが、会見の場で十分語り尽くせましたか？

Ａ）語り尽くせたかって言われると分からないです。

ただ自分の中でこういうお話をしたいなとか、こういう決意を出したいな、表明したいなということは、一応言えたかなとは思ってます。

“競技者ではなくなっても、アスリートとして夢を追いかけたい”

Ｑ）ソチ、そしてピョンチャン、北京と、オリンピックの演技の様子、ご覧頂きましたけど、ＶＴＲどのようにご覧になりました？

Ａ）本当にとりあえず頑張ってきました。

オリンピック、３回も出させていただいたことは本当にうれしいことでしたし、１回目、２回目ともに金メダルという形で終えられたのは、正直自分は本当によかったなと思っていて、もちろん北京オリンピックでは、金メダル、またメダルというところには届かなかったんですけれども、あれがあったからこそ、いま自分はここでまた新しいステージに立つんだって、これからまた進んでいくんだっていうふうに思えたのが、本当に北京オリンピックがあったからこそだなっていうふうに思っています。

Ｑ）羽生選手、会見では「ピョンチャンオリンピックが終わった時点で引退しようと思っていた」という発言もありましたけれども、北京オリンピックまでは続けられたわけですよね。このモチベーションというのはどこにあったんでしょうか？

Ａ）モチベーションはやっぱり４回転半を決め切りたいという気持ちが強くありました。

やっぱり「決めたいな」「成功したいな」という思いは、かなり自分の中でモチベーションではあったんですけど、それを皆さんがまた自分たちの夢として追いかけ続けてくださって、期待してくださったからこそ、僕はここまでつらかったけれども、そこからまた頑張ってこれたと思っていますし、今もまた競技者ということではなくなってしまうのかもしれないですけれども、これからまたさらにアスリートとして、皆さんと共に夢を追いかけさせていただけたらうれしいなと思っています。

Ｑ）羽生選手、けがにも見舞われた時期もあって、競技者としての生活を支えていたものって、一番には何だったと感じていますか？

Ａ）幸運なことにも本当にたくさんの方々に応援していただいて、ある意味で、逃げ場がなかったこと。本当にたくさんの期待があって、皆さんに本当に期待していただいた中で、僕もその期待に絶対応えたいんだという気持ちがあって、裏切りたくないなという気持ちがあって、だからこそここまで頑張れたかなと思っています。

本当に皆さんに応援して頂いてうれしいですし、これからもまた応援していただけるように頑張っていきたいです。

“僕の存在意義、皆さんどう見てるのか？正直怖くて寝られず”

Ｑ）国内だけではなく海外からも大きな反響がありました。

きょうの会見でこれまでスケートを教えてくれた人たちへの感謝の気持ちというのも口にされていましたけれども、みなさん羽生選手の決断を後押しする声というのが多くありました。こうした声、どう受け止めていますか？

Ａ）率直にうれしいですね。

やっぱり寂しいなという声とか、終わってしまったのかという声がたくさんあるんだろうなというふうに予想していました。

僕自身もその声を聞くのが正直苦しいですし、逆に何か例えば「現役続行」みたいな感じになったら、「現役で見れるんだ」みたいな感じで言ってもらうのも、何か複雑な感じがしていて、何か僕の存在意義というか、僕のスケートの意味が、どこら辺に皆さんの中にあるのかなっていうのが正直怖くて、きょうは本当に寝られませんでした。

ただ、そういった中で、今回このように皆さんも受け取っていただいたりとか、メディアを通して、僕の言葉がちゃんと皆さんに届いていたりとか、そういったことが正直本当にうれしいですし、何よりも「これから頑張るんだぞ」というのが伝わっているように思えたので、僕も「頑張って記者会見を終えてよかったな」と改めて思います。

“被災地への支援、活動、これからがスタート”

Ｑ）そして街の声にもありましたけれども、地元・仙台で羽生選手にとって大きな出来事の１つが、２０１１年の東日本大震災だと思うんですね。

ご自身も被災しながらも多くの人を励まし続けてこられましたけれども、今後プロとしてこういった支援も続けていかれるんでしょうか？

Ａ）これからがスタートだと思っています。

競技者としてはやはりなかなかできない支援だったりとか、また活動だったりとか、そういったことがたくさんありました。

実際、震災が起きた後からも、常に自分が競技者ではなくなって、プロスケーターとしてやっていく中で、やりたいことをスタートしていきたいことを常にあげてきたつもりです。

実際あのころ思い描いたプロスケーターみたいなものにはならなかったかもしれないですけれども、いま本当にプロのアスリートとして、さらに自分を鍛えながら、限界に挑みながら、その上でまた皆さんから「勇気がもらえたよ」とか「元気になれたよ」というような声が聞かれるような演技をしていきたいなと思います。

“感情のまま滑る 一方で競技会の演技よりも難しい構成に”

Ｑ）羽生さん、本田さんは「感情のまま思ったように滑れる」と話していました。

プロのアスリートとして、今後、私たちはどんな羽生選手を見ることができるんでしょうか？

Ａ）もちろん感情のままに滑ることもあると思います。

いろんなスタイルをまた勉強して、氷上でやるのが難しかったりするかもしれないんですけれども、いろんなスタイルの演技を見せていきたいなというふうには思います。

ただやはり僕は、難しいジャンプ、難しい構成をしながら、その上で感情も出しつつ、本当に競技会でやっていた演技よりも、より一層「やっぱりいいな」「かっこいいな」「挑戦し続けているな」というふうに思ってもらえるような演技を目指したいなというふうに思っているので、皆さんにそういうところもぜひ感じていただけたらと思っています。

Ｑ）やっぱり「挑戦」という言葉がすごく印象的です。

大勢の人が羽生さんに憧れていると思います。

若い人、それから子供たちに、どうしたら羽生選手のようになれるか、何かアドバイスありますか？

Ａ）僕から何も言えることはないです。

やっぱり、皆さんひとつひとつ頑張っていって、いろんなことを勉強して、そして人生の中でいろんなことを感じると思います。

それらが絶対スケートに生きてくると思いますし、そのままスケートになるかもしれないですし、演技になるかもしれないですし、そういった一人一人の個性がまた見えるのもフィギュアスケートのよいところかなと思っています。

プロスケーターとして “構想は練っている”

Ｑ）羽生選手、プロスケーター初のステージ日程などは決まってるんでしょうか？

Ａ）日程は決まっていないです。

ただ考えていることはたくさんあって、それが実際に実現できるかどうかということを、いろいろ考えているところです。

本当にまた自分が新たなステージに立つにあたって、いろんな方々にお世話になったりとか、また今まで本当に生でスケートを見たことがない方々も含めて、見られるような活動を、これからもやっていきたいと思うので、いつとは言えないんですけれども、ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいなと思います。

Ｑ）会見では「構想は練っている」なんていう話もありましたけれども、頭の中にはあるんでしょうか？

Ａ）頭の中にはこういうことをしたいっていうのはしっかりあります。

それを見て喜んでいただけるかどうかは、もう本当に僕の頑張り次第だと思うので、ここからさらに、これまでもちょっとそのことを考えながら努力してきた部分ももちろんあるんですけれども、これからまた自分が言ったことに恥じないような、皆さんが期待してくださることに恥じないような、期待に応えられるような演技を目指しながら努力していきます。

Ｑ）教えて頂けなさそうですね。構想はね。まだね。

Ａ）そうですね。やっぱり楽しみにしてくださっていると思うので。

楽しみにしていてくださいしか言えないですね。

“スポーツ、アスリート、そして一歩先にアーティストに”

Ｑ）わかりました。そちらの方も楽しみにしておりますが、今後プロスケーター・羽生結弦として演技をしていくわけですけれども、ファンの皆様にメッセージなどをいただけますでしょうか？

Ａ）まず、これまでたくさん応援していただき、そして力をいただき本当にありがとうございました。

これからもますます努力していって、本当にやっぱり「フィギュアスケートってスポーツだな」「アスリートだな」というふうに思ってもらえるような努力と、そしてそこからもう１歩先に「アーティストだな」と思ってもらえるような表現力をさらに磨いていけたらいいなと思います。

まだまだ未熟で若輩者ですが、これからも努力するので、どうか応援していただけたらうれしいです。よろしくお願いします。

Ｑ）これからも活躍期待しております。お疲れのところありがとうございました。

Ａ）ありがとうございました。