日本カヌー界をけん引する羽根田卓也さんの筋肉に学ぶ! おはSPO筋肉体操

NHK
2023年8月18日 午後2:28 公開

6月の筋肉体操は、リオデジャネイロオリンピックの銅メダリスト、カヌーの羽根田卓也選手です。

オリンピックには4大会連続出場、日本のカヌー界をけん引してきました。

35歳の羽根田選手、5回目のオリンピック出場を目指し、パリ大会に向け挑戦を続けています。

激流を乗りこなすには、力強いパドルさばきや高いバランス感覚などが不可欠です。そんなカヌーの動きから日常生活に役立つ筋肉を鍛えます。

では今月も筋肉体操、一緒に頑張りましょう!

今月の体操は、おはよう日本5時台キャスターの金子峻アナウンサーと一緒に!

第1回 “ワイパー”の動きで 内腹斜筋を鍛える

https://movie-a.nhk.or.jp/movie/?v=p6c202hi&type=video&dir=oaf&sns=true&autoplay=false&mute=false

谷本道哉さん

僕は羽根田選手の大ファンで。正確に言うと、羽根田選手の内腹斜筋の大ファンなんです!脇腹のここの部分がすごいですよね! 尋常じゃないですよ!

羽根田卓也選手

ありがとうございます(笑)。自分ではすごいと思ったことはなかったんですけど、人に言われて実はすごいんだということに気づかせていただきました。みんなこんな感じなのかなと思っていたんですけどね。

谷本さん

こんな人いないですよ(笑)。ここがVになっていますでしょ? これはとんでもないですよ!

羽根田選手

気がついたら、このVがもうあったので。生まれた時からあるものなのかなと思っていたんですけど(笑)。

谷本さん

みんなあるんですけど、こんな形にはなっていないので(笑)。カヌー選手はよく発達している人が多いですよね?

羽根田選手

僕のまわりでは、ほぼ皆さんVがあるので。カヌーの選手は、このVなしではカヌーはこげないんじゃないかというぐらい大切な筋肉なのかもしれません。

谷本さん

カヌーでは、胴体を持ち上げたり、ねじったりという動きがありますよね?

羽根田選手

はい。体を捻転させてターンの動きを出したり、つるされているゲートを通るためにのけぞったり。そんな時に、やはり内腹斜筋の強さが必要になるのかなと思います。

谷本さん

カヌーをするだけでも十分(筋肉が)つくと思うんですけど、追加して、トレーニングではどんなことをされていますか?

羽根田選手

ウエイトトレーニングで内腹斜筋にきかせるトレーニングが1つありまして。足を左右に振るワイパーというトレーニングを行っています。

谷本さん

僕も一緒にやっていいですか? 左! 右! 左! 右! 楽しいですね!

羽根田選手

先生、すごいですね! 楽々で!

谷本さん

楽々じゃないです。僕は動きが小さかったと思います(笑)。羽根田選手は大きくて速い!

羽根田選手

内腹斜筋にきかせるなら、やっぱりワイパーだと僕は思っています。

谷本さん

カヌーほど大きく強くねじるというのは日常生活ではあまりないですけど、ふだん歩く時も実は内腹斜筋を結構、使っているんですよ。胴体をひねりながら歩幅を広げてより力強く歩くためにも内腹斜筋は大事ですから、ぜひ皆さんにも鍛えてほしいと思います。ちなみに強い内腹斜筋で助かるなということは競技以外であったりしますか?

羽根田選手

例えば、電車に乗っていて急ブレーキをかけられた時に、上体がやっぱりこうなる(バランスを崩す)じゃないですか。そんなときに、カチッとこの内腹斜筋で止めることができるので転倒などが防げるかなと思います(笑)。

谷本さん

頼りになる内腹斜筋だなと(笑)。皆さんにもできれば公園に行ってワイパーをしていただきたいんですけど、強度がかなり高いというのもありますし(笑)、なかなか手軽にはできないので、おうちでも簡単にできる羽根田選手のV字を目指すようなワイパーをぜひやってみましょう!

羽根田選手

やってみましょう!

第2回 “タオルトレーニング”で広背筋を鍛える

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谷本道哉さん

カヌーのこぐ力ってすごいと思うんですよ。流れに逆らって進む時もあったり。やっぱり相当、筋肉を使うと思うんですけど、どの辺りが大事になりますか?

羽根田卓也選手

パドルを引く動きになってきますので、やはり広背筋。脇の下だとか背中の筋肉を特に使います。

谷本さん

カヌーをすることでものすごく広背筋が鍛えられると思うんですが、羽根田さんはカヌーだけではないぐらい、すごい背中に見えるんですけど、どんな筋トレをされていますか?

羽根田選手

「このトレーニングは僕が一番やっているんじゃないかな」というトレーニングがありまして。懸垂です。一番シンプルで一番カヌーにきくトレーニングだなと思っています。

谷本さん

聞いた話だと、懸垂は何回でもできると! 何回ぐらいできるんですか?

羽根田選手

1回計ったことがありまして、55回です。やり方次第ですけど、懸垂の数ではほぼ負けたことがないです。

谷本さん

実は僕も、懸垂は歩くぐらいの感覚でできていたんですよ。何回でもできました。ヨーロッパの学会で「懸垂を25回やったら景品をあげる」と言われて。そんなものできない人はいないだろうとヒョイヒョイやったら「見ていなかったから」と文句を言われて。「じゃあ、もう1回やりますよ」と言ってまたすぐ25回やって。

羽根田選手

すごいですね! もしかしたら、懸垂で初めて負ける日が今日かもしれない(笑)。

谷本さん

いえいえ、それが最近あまり回数を昔ほどできなくなって。羽根田選手の55回を目指して、一緒に懸垂をさせていただいていいですか? 楽しい! 気持ちいい! うれしい! 懸垂はやっぱり気持ちいですね!

羽根田選手

先生、速い!(笑)気持ちいいですね!(笑)

谷本さん

「皆さんも公園でぜひ」と言いたいところなんですど、やっぱり懸垂はすごく強度が高いのと道具がいるというのがありますから、広背筋にきかせるためにこんな便利な道具があります。タオルを使ってぐっと横に引く力をかけながら、肘を曲げて上げ下げします。この動きは広背筋と三頭筋にきくんですよ。懸垂とはちょっと動きが違いますけど、背中に関しては、懸垂と同じようにできますから。

羽根田選手

確かにすごく背中にきいている感じがします。

谷本さん

皆さんも鍛えると、後ろ姿がV字になる、かっこよくなるというのもありますけど、布団の上げ下ろしとか、そういう引くような動作のときに結構、大事になる筋肉ですから、55回はできなくてもいいですけど(笑)、しっかり強い広背筋というのは皆さんも作ったほうがいいと思います。

羽根田選手

そうですね。電車で急ブレーキをかけられた時に、強い広背筋があるとつり革をぐっとつかめるので転倒防止にも役立ちます(笑)。

谷本さん

できるだけ頑張ってやっていただければ、懸垂55回を目指せると思います! (笑)

羽根田選手

このタオルトレーニングから、懸垂55回を目指してみてください!

第3回 パドルこぐ動きで バランス感覚を磨く

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谷本道哉さん

かっこいいですね! 色合いも鮮やかで。まさに水になるという感じですね。

羽根田卓也選手

これが僕のシンボルカラーなんです。水をイメージして。水と一緒にカヌーを進めていかなくてはいけないので、その気持ちも込めて。

谷本さん

カヌーは意外と小ぶりなんですね。幅が狭いので、かなりぐらぐらしますか?

羽根田選手

長さは3メートル50で、幅はだいたい1メートルぐらいですね。バランスはすごく悪いと思います。あと、この中で正座をしてこいでいるので、座高が高くなってよりバランスが悪くなるんです。

谷本さん

さらに、カヌーはものすごい激流で、体も右に行ったり左に行ったり、めちゃくちゃ動くじゃないですか。バランスをとるのはやっぱり相当大変ですか?

羽根田選手

あれだけの激流を、バランスをとりながら進めてゲートを攻めるというのは本当に難しいことです。

谷本さん

強い体幹の筋肉も必要ですけど、バランスの練習自体もやっぱり必要ですよね。カヌーに乗っていれば自然にというのもあるとは思いますけれども、カヌー以外でもされているトレーニングはあるんですか?

羽根田選手

はい。バランスが一番大事なので、カヌー以外でもバランストレーニングをよく行っています。バランスボールなどの器具を使って、いろんな動きを試してみたりしています。

谷本さん

ちょっと見せていただいてもいいですか? これはなかなかできないですよ! やっぱり全然違いますね。

羽根田選手

バランスのトレーニングに関しては、僕はかなり自信があります(笑)。

谷本さん

やっぱり競技にもつながっている感じはありますか?

羽根田選手

そうですね。これだけ不安定な状況下で力を発揮するということが本当にカヌーにつながってくるので、非常に大切なトレーニングです。

谷本さん

今見せていただいた抜群のバランス能力ですけど、日常でも役に立つなということはあったりしますか?

羽根田選手

やはり電車などでバランスを崩す場面が多いかと思いますし、また電車だけではなく、ちょっとつまずいてしまって体勢を立て直すときに、こういったトレーニングが非常に役立つと思います。

谷本さん

転びかけた時でも、すぐに戻れますね。電車がぐらっと揺れてみんながこけているのに、羽根田選手だけ平然と立っているということがあるかもしれないですね(笑)。あまりにバランス感覚が良すぎて、一人だけ「何かあった?」みたいな(笑)。皆さんもぜひバランス能力は大事ですから、器具を使わなくてもできるような手軽な方法を、せっかくなのでカヌーの動きに似せて行っていきたいと思います。

羽根田選手

やってみましょう!

谷本さん

片足で不安定な感じでぐいぐいっと! もっとダイナミックに、ダイナミックに! できるだけ左右に大きく! もっと大きく! 体もねじったりしてやると難度が増すと思います。

羽根田選手

これはいいトレーニングになりますね!確かに難しいですね!

谷本さん

皆さんもぜひ挑戦していただきたいと思います。

第4回 カヌーの動きで 持久力を高める

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谷本道哉さん

カヌーの魅力というのはどういうところでしょうか?

羽根田卓也選手

やはりカヌーは水に浮かんだだけでも気持ちいいですし、激流をきって操って波に乗る、流れをつかんだ時の感覚っていうのは本当に気持ちいいものがありますので、また見た目にもダイナミックな迫力があるので、非常におもしろい競技だと思っています。

谷本さん

羽根田選手にとって、カヌーとはどんな存在ですか? 

羽根田選手

僕のライフスタイルですね。競技としてではなくレジャーとしても一生遊べるアクティビティーですし、自然の中でできますし、選手をやめたとしても一生続けていきたいスポーツです。人生のほとんどですね。

谷本さん

カヌーを見ているとパワーだけではなく、持久系の能力もかなり必要な感じに見えるんですけど、1回のレースって、時間はどれぐらいかかるんですか?

羽根田選手

レースの長さとしては、だいたい200メートルのコースを100秒ぐらいでこぎきりますので、筋持久力というものが本当に大切になってきます。

谷本さん

100秒ぐらいということは、2分弱ぐらいですよね。2分弱もこぎっぱなしに近いですよね? あと、やはり息も上がりますか?

羽根田選手

あれだけの激流をもう全力でこぎ続けるので、ゴールしたときは腕がパンパンです。 息もすごく上がります。

谷本さん

じゃあ、持久力にはかなり自信ありますか?

羽根田選手

はい。持久力を保つためにもういろんなトレーニングを行っています。カヌー以外には冬の間クロスカントリースキーを行っています。動きも全身運動ですごく心拍数が上がるので。

谷本さん

なるほど。何よりカヌー自身がものすごく持久的負荷がかかることですよね。皆さんもカヌーの動きをまねして立位で思いっきりやってもらうと結構、息が上がります。一緒に羽根田選手のような強い心肺持久力、それから筋持久力をつけていただけたらなと思います。

谷本さん

とにかく足も使って、めいっぱい大きく大きく! もっと早く、もっと楽しく!

羽根田選手

いいトレーニングになりますね(笑)。

谷本さん

結構、息上がりますよね(笑)。めいっぱい動くことで、心肺持久力、筋持久力の両方をともに高められます。これらの持久力はやはり基本的な体力のベースになりますから、その能力を高めておくと生活機能が楽になるんです。また生活習慣病をはじめいろんな疾患のリスクもぐっと抑えられますので、カヌーの動きでぜひ、めいっぱい息を上げるということをしていただきたいと思います。羽根田選手はカヌーをやっていて相当持久力が高いと思うんですけど、日常生活で役に立つなっていうようなことはありますか?

羽根田選手

電車で長時間つり革を持ち続けても腕が疲れません。

谷本さん

まさに筋持久力ですね。じゃあ座らなくても全く平気ですね(笑)。

羽根田選手

間違いないですね(笑)。 あとは、家のことで荷物の上げ下げをする時など、やっぱりカヌーで培った持久力があるからこそできることもあるのだなと感じています。

谷本さん

心肺持久力、筋持久力ともにめちゃめちゃ高いからこそですね。皆さんこれは学んでまねして鍛えるしかないですね!