北口榛花さんの筋肉に学ぶ!おはSPO筋肉体操 堀菜保子のきょうもねホリはホリ

NHK
2023年8月18日 午後2:24 公開

堀菜保子です。

おはSPO筋肉体操も第8回に突入!

今月は、いま陸上界で最も熱いと言っても過言ではない、女子やり投げの北口榛花選手です。

2019年に21歳で66mの日本記録を出した北口選手。

東京オリンピックでは12位という不本意な結果に終わりましたが、ことしは躍進のシーズンとなりました。

<北口榛花選手>

7月の世界選手権では女子の投てき種目で日本選手として初の銅メダルを獲得。

さらに陸上の世界最高峰の大会・ダイヤモンドリーグでは、ランキング上位の選手だけが出場できるファイナルに進出。3位に入る快挙を成し遂げました。

ことしの北口選手は、どこまで記録を伸ばすんだろうと本当にわくわくさせてくれます。

北口選手、結果を出して注目度が高くなるにつれ、

「これまでは投てきのときにフィールド上であまり見られていないと思って投げていたので、 こんなに見る!?と思ったが、いま、手拍子を要求したら全員私に向けられた手拍子になると思って楽しかった」と話します。

注目をあびるその投てきはどのように生みだされているのか?

谷本先生との対談もとても興味深いです。

では今月も筋肉体操、一緒に頑張りましょう!

【NEW】第3回 背筋を伸ばして快適な"姿勢"を

谷本道哉さん

北口さんは投げる時に、姿勢の安定をすごく意識されているとうかがったんですが。

北口榛花選手

やり投げは基本的に欧米の選手がずっと強くて。日本人はすごくトレーニングがまじめで、勉強とかも勤勉でまじめなイメージがあるのにも関わらず追いつけない理由があったと思っていて。いろいろ体を見ていただいたり、いろんな先生にご指導いただいて、「姿勢」にたどり着きました。やっぱり外国の選手は鍛えていても足がすらっと細かったり、重心が高かったりという違いがあって。「解剖学的立位肢位」というのを、今は日本人はだいぶ崩れてしまっているんですけども、その位置に行けるように努力しています。

この位置でいることで関節が安定したりとか、この位置をベースに動きをすることでケガをしなかったり、どこか痛めたりということが減ると思っています。みんなが見ているガイコツさんと同じ位置に行こうとしてます、私は(笑)。

谷本さん

解剖学的立位肢位というのは身体運動の用語なんですけど、体の動きの座標面を決めるための基本姿勢としてあるんですよね。

北口さんがおっしゃる解剖学的立位肢位というのは、「気をつけ」から手のひらを前に向ける形。これは肩の外旋という動きをするんですけど、肩を外にねじれていくような動き方をすると、肩甲骨がグーっと寄って、それに合わせて胸が張れますよね。肩が引けて胸が張れて、というまっすぐな感じの姿勢が、動きやすくなってるんじゃないかなという風に思います。どうですかね?

北口選手

そうですね、肩甲骨が閉まっているという話でいえば、解剖学的立位肢位がスタートになれば、あとは出すだけなんですよね。投げる時も出してくるだけなので動作が一個減るというか。あとは正しく立つことで、重心が必ず前に乗る状態になるので、走るのも必ずつま先着地になります。

谷本さん

大体一般の方は、「巻き肩」とよく言いますけれど、そこを解剖学的立位肢位に持っていってあげるのは、快適に過ごすことにもつながるんじゃないかと思いますので、皆さんも北口選手に学んで、肩を外旋させていく。手のひらを前に向けるでもいいんですけど、これだと動きが小さいので、ひじを曲げてから広げたほうが、動きは分かりわかりやすいですよね。

北口選手

動きは分かりやすいんですけど、ひじが伸びていた方が自分は好きで、自分はいろいろそっちをやってます。

谷本さん

ちょっと見せてもらっていいですか?

北口選手

外旋して上を向く感じで。上で伸びをするというか。いい天気(笑)

谷本さん

きょうは快晴でめちゃくちゃ気持ちいですね。この空見ながらやってみましょうか。あー、気持ちいい。こんな天気の時にやったらいいですよね。

北口選手

あとはもう、気軽に朝起きたら伸びをする感覚でやっていただけたら、もっと気持ちいいんじゃないかなと(笑)

谷本さん

手のひらを外に向けながら、伸びていく。で、青空を見る。こんな体操を皆さんもぜひ行ってみてください。

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第2回 フォアフットランニングでスムーズに加速

谷本道哉さん

僕、北口さんの助走が大好きなんです。スプリントですよね、走りが。

北口榛花選手

(笑)ありがとうございます。初めて言われました。私は比較的助走が苦手なタイプの選手なので、助走の部分をもっと上手にしていかないといけないと思っていて、意識しているポイントは「最初から大股で行く、できるだけ歩幅を狭く、最初からスピード全開で行かないように、後半で加速するような感じ」のイメージを心がけています。

谷本さん

すごく軽やかですよ。地面をはじいている感じがありますよね。足首を固めながら地面をタンタンタンとはじきながら来るので、カールルイスの走りみたい。

北口選手

ほんとですか?(笑)ありがとうございます。

谷本さん

ももがすごく上がって、足首でうまくバネでバーンと弾いて助走ができている。実は、終わった後に喜んで走る時があるじゃないですか?あの喜んで走るときの動きで、スプリントが上手だなと思って。スプリンターのようにうまく足首ではじいて、ももが上がってスイスイスイって、あっという間にコーチのとこまで行かれるでしょ。あのバネを使った助走というのが、1つ大きな武器だと僕見てて思います。

北口選手

その時の方が速いんですよね私(笑)。ありがとうございます。実は、あまりももを上げるという意識をしてなくて、どちらかというとつま先接地、つま先だけで、かかとを絶対下ろさないというイメージで走っていて、どちらかというと上げる方よりは下ろす方を意識して走ってます。

今のコーチになってから、外国人の方は絶対つま先で走るって言われて。どうしても日本人はかかとに乗る人が多くて、姿勢の部分で意識して前に乗れるようにやっています。常に重心を高く、っていうのが大事で、あとは自分が倒れていく延長で、倒れていったらどんどん「おっとっととと…」って足がついてくような感じです。

谷本さん

叩く感じですかね?下ろしたら弾んで帰ってくる感じ?

北口選手

叩いてもいないですね、そのまま下すだけですね。ただただ足を上げ、ただただ足を下ろす連続で走っている。下ろした足が弾んで上がってくるように見えるっていう感じですね。

谷本さん

いまジョギングされる方が増えてるんですけど、いまの北口選手の助走みたいに、かかとを着かずにパンパンパンと弾くような走り方する人が増えてるんですよね。北口選手の助走に学んで、皆さんも上手につま先着地のランニングができるようになればと思います。

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第1回 腕をねじる動きで肩回りをほぐす

谷本道哉さん

北口選手のやりを見ていてすごく特徴的だなと思うのは、肩周りがものすごく柔らかいですよね。「外旋方向」って言うんですけど、めちゃくちゃ後ろに倒れるでしょ。あまり意識していないですか?

北口榛花選手

全く意識をしてなくて、やりを構えた段階で(手が)この位置にあるんですよね。なので、ただ自分が回るだけというか、回ることによって、手が遅れて残されたのを自分で一緒に持っていく。

谷本さん

びゅんと戻していく感じですよね。体が行って、あとから手が巻き付くように出てくる感じですよね。

北口選手

肩というよりは、上半身というか下半身も全体でしなるのが大事。自分が肩が柔軟に使える要因として、小さい頃から競泳をやっていて、人より腕を回す機会が多い。日常ではあんなに肩を回さないと思いますけど。3歳からずっと水泳をやっていたので、それがすごくいま柔軟性という部分でやり投げに生きているなと思ってます。

谷本さん

バドミントンもされていたんですよね。バドミントンはものすごく後ろにひねってから打つんですよね。

北口選手

そうですね、バドミントンもやり投げとすごく近くて。でもスマッシュというより、やり投げは上に投げる種目なので、スマッシュではなくてハイクリア(コートの奥まで高い軌道で打つショット)というか。追い込まれたときに打ち返す、時間を稼ぐために打ち返すハイクリアが、一番やり投げの腕の振り方に似てるかなって自分は考えてます。

谷本さん

ハイクリアって多分みんな難しいんですけど、こう上に向かって打つ?

北口選手

そうですね、かなり自分が辛い体勢になる。時間を稼がないと元の位置に戻れないっていう時に、自分のコートの一番後ろ側から相手のコートの一番後ろまで高めに打ちます。今やる選手がいるかちょっと分からないですけど、自分が小学生の時にはそういうことをやってたので、高く遠くまで飛ばして時間を稼ぐという球ですね。

谷本さん

肩回りストレッチはどんなのをされてるんですか?

北口選手

あー、あんまりストレッチ・・・。

谷本さん

投げること自体がストレッチになっている感じですかね?

北口選手

今も水泳をトレーニングとして取り入れているので、週に1~2回、毎回トレーニングで泳いだりとか。あとは柔らかいだけではやっぱり使い物にならないので、うんていをして肩の安定感を出したりとか、逆立ちとか。

谷本さん

うんていをされるんですね。

北口選手

うんていとか、逆立ちとか、マット運動とかをよくやって肩を安定させるようにしてます。

谷本さん

上腕が外にねじれていくような動きって日常では絶対ないんですよね、手は基本的に前なんで。手が後ろに下がっていくような動きは普通はしないんです。やりでやるような、肩の外旋と言うんですけれど、外旋方向のストレッチをして肩回りを柔らかくしてあげるのは、皆さんもぜひされたらいいと思います。65メートル飛ぶかもしれません。

北口選手

(笑)ただ外旋方向で手を上げるだけでも気持ちいいというか、変わると思います。

谷本さん

姿勢も整いますしね。ありがとうございます。

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