<DATA SPOT> Bリーグ 横浜ビー・コルセアーズの「14.8」に迫る

NHK
2023年8月18日 午後2:28 公開

スポーツキャスターの西阪太志です。

突然ですが、私は「スポーツのデータを見ていろいろ考える」ことが好きです。自分で取材をした印象とデータを照らし合わせて、選手やチームの特徴が見えてくる瞬間は、この仕事の楽しさの1つだと思っています。

そこで、おはようスポーツでも新企画を始めました。題して「DATA SPOT」

「なぜあのチームは強いのか」「あの選手のすごさは何か」、数字から選手の技術や思考を読み解き、スポーツの面白さに迫ろうというコーナーです。

第1回は、プロバスケットボール・Bリーグの横浜ビー・コルセアーズ。今季の快進撃の理由をひもときます。

今回のカギになる数字は「14.8」

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7シーズン目となるBリーグ。発足以来、低迷を続けていた横浜ビー・コルセアーズ。長年地区の下位に位置し、B1残留争いに巻き込まれたシーズンもありました。

そんな「ビー・コル」が今季は快進撃!

ここまで33勝25敗(4/30試合終了時)で、中地区の2位を確定させていて、8チームで優勝を争うチャンピオンシップへの進出を初めて決めました。

チームの司令塔で日本代表でも活躍する河村勇輝選手に、昨季までとの違いを聞くと……。

《河村勇輝選手》これまでの悔しさを持ち続けている選手がいて、その中でチームとして積み上げてきたものが今季、花開いた」との答えが。

では、数字から見えてくる今季の横浜の強さとは何か?解説者で、Bリーグ公認アナリストでもある佐々木クリスさんに分析してもらいました。

《西阪太志アナウンサー》「今季の横浜を象徴するデータというのはどんな数字があるでしょうか

《佐々木クリスさん》まず、僕があげたい数字は速攻からの得点ですね。1試合平均14.8ポイントをあげる、リーグ2位の数字です

冒頭で示したキーワード「14.8」がここで来ました。ボールを奪って攻撃に移ると一気に攻め込む速攻。

横浜は1試合当たりの速攻での得点が昨季より5.4上がり、平均14.8。去年のリーグ17位から、一気にリーグ2位の数字までジャンプアップ。

これはリーグ平均の11.6を大きく上回る数字で、横浜の今季の躍進を支える強みです。

《佐々木クリスさん》横浜は非常に運動能力が高く、スピーディーな展開を得意とするメンバーがそろっています。その象徴的な選手が、河村勇輝選手ですね。着実に成長している選手ではありましたけども、正直想像を超えていました

先ほども紹介した河村勇輝選手、22歳。

今季は1試合平均得点を大きく伸ばし、リーグ5位の19.5得点。さらに、アシストもリーグ1位の1試合平均8.4。(いずれも4/30試合終了時)

自ら得点し、さらには味方の活躍も演出。持ち味のスピードで、横浜の攻撃を加速させています。

《河村勇輝選手》速い展開を作る上で、自分のプレースタイルはすごくマッチしている。お互い、チームメイトの良さを引き出せるバスケットの展開なんじゃないかなと思います

チームメイトのチャールズ・ジャクソン選手も河村選手についてこう語ります。

《チャールズ・ジャクソン選手》自分がコートに立ったときは、彼のスピードをどれだけ生かすことができるかを心がけていますし、速攻の場面では自分が走れば、彼からボールが来ることは分かっているので、信じて走っています

河村選手を中心とした横浜の速攻のすごさを、佐々木さんがさらなるデータで示してくれました。

《佐々木クリスさん》河村選手だけを止めればいいのかといったら、そうではなくて、センターのチャールズ・ジャクソン選手も速攻で前線を走り、ジャクソン選手を抑えたら、今度はデビン・オリバー選手が流れ込んでくるっていうことで非常にダイナミックになっています。今季のBリーグを見ると、3人の選手が速攻から150点以上をあげているのは、この横浜だけです」(佐々木さん調べ・4/23試合終了時点)

そしてもうひとつ、佐々木さんが注目するデータが。横浜の攻撃と守備が上手く循環していることを示すデータだといいます。

《佐々木クリスさん》ディフェンスリバウンドの平均獲得数は28.1本になりますので、これもリーグナンバー1」(4/30試合終了時点)

リーグトップを誇る、デイフェンスでのリバウンド獲得数。しっかりした守備があることで速攻を生み出す機会が増えていると言います。

《佐々木クリスさん》今季に関しては、その守備から攻撃に繋げる、そこの部分のスピードが格段に上がったと思います

《西阪太志アナウンサー》言葉では簡単に聞こえますが、このスタイルを実現させることは簡単ではないですよね

《佐々木クリスさん》これはもう練習のときから青木勇人ヘッドコーチが常に繰り返して選手たちに指導している結果だと思いますね。自分たちは常にアップテンポで戦いたいんだぞと植えつけていく。そういったことが実を結んでいるんじゃないかなと思いますね

初の挑戦となるチャンピオンシップも楽しみな横浜ビー・コルセアーズ。

佐々木クリスさんは、データを知ることによるスポーツの楽しみ方について「僕が一番ゾクゾクするのは、データを凌駕するような形で、どこかのチームが急成長を見せたり、思いもよらないことが起きたときです。データを知っていたからこそ、より驚きや感動が大きくなります。ぜひ、皆さんにも興味を持った選手やチームのデータに注目してほしい」と教えてくれました。

私も今回のデータをもとに、チャンピオンシップを楽しみたいと思います。