大谷翔平 打撃絶好調の要因がデータで明らかに!

NHK
2023年8月18日 午後2:29 公開

さまざまなデータを駆使してスポーツの魅力に迫る「DATA SPOT」。

今回のテーマは、大谷翔平選手のバッティングです。

6月に入ってホームランを量産すると、ホームラン・打点ともに両リーグ通じてトップに。

さらに月間打率は3割6分4厘!(現地6/25時点)

絶好調の裏には何があるのか!? データからひもときます。

                                             

分析を行ったのは、スポーツのデータ解析会社のアナリスト・山内優太さんです。

西阪太志アナウンサー)大谷選手が6月絶好調ですけど、その要因はどんなところにありますか?

山内優太さん)まずは、ボールの見極めが非常によくなっているところ。そして、ボール球を振らずにストライクゾーンにきた打つべきボールを確実にしとめているところが好調の要因と思います。ワンバウンドの球を空振りして三振するなど、崩されて凡打になるようなケースが非常に減っている印象があります。

西阪アナ)なるほど。それを裏づけるデータとしては、どんなものがありますか?

山内さん)「ボール球に対してどれだけスイングしているか」というデータが、5月の不調のときは33.2%だったのが、6月は26.3%とだいぶ改善し、ボールの見極めがかなりできていると言えます。

やはりボール球を振ってしまうとなかなかヒットを打つことが難しいので、そこを見極めることで、まずは凡打の確率を下げているのです。さらに、自分のストライクゾーンが確立されてきていて、そこに来たボールに対して積極的に打ちにいけることが好成績につながっています。6月はストライクゾーンの打率が4割1分3厘ということで、自分の打てるゾーンをしっかりとらえる理想的な打撃が今できていると思います。

西阪アナ)大谷選手も実際に「構えている段階での見え方で、いい構えなら難しい球にも素直にバットが出る」と言っていましたが、データからも感じることはありますか?

山内さん)ボールがよく見えているので、動く球に対しても、しっかりと対応ができていると思います。大谷選手はもともと速球に強く3割以上打てているものの、変化球に対して5月は1割台とかなり低かったのです。それが6月は3割6分5厘と、変化球に対してもいい打球を打てるようになっています。

山内さん)好調のもう1つの要因としては、追い込まれる前に打てていることがあります。やはり追い込まれるとなかなかヒットを打つのが難しいので、大谷選手でさえも1割台なのです。いかに追い込まれる前にとらえるかが重要になってくるのですが、6月は早いカウントでの打率が4割8分9厘とかなり高く、追い込まれる前に確実に打っていることが分かります。今シーズンの大リーグ平均は3割3分8厘で、それを大きく上回っています。

西阪アナ)5割近い確率で打てているというのは、すさまじい数字ですよね。

山内さん)そうですね。どんなバッターも追い込まれたあとはボール球を振ってしまう確率が高いのですが、大谷選手は、そのボール球を投げられる前の甘いストライクを積極的に打てているのが数字にあらわれていると思います。とりわけファーストストライクでは6割9厘と非常に高い打率を残しています。今シーズンの大リーグの平均が3割5分ぐらいですので、その中で6割超えはかなり驚異的です。

西阪アナ)ボール球を投げても振ってくれない、ストライクを投げたら6割打たれる。バッテリーとしては手の施しようがないですね(笑)。

山内さん)本当に投げるボールがないですよね(笑)。

西阪アナ)バッテリーがそれでも大谷選手を抑えようとしたら、どういう勝負の仕方が一番よいですか?

山内さん)調子が悪いときは、ストライクを空振りやファールにして追い込まれ、追い込まれたあとの変化球のボール球を振ってしまうものなのですが、今は追い込まれる前に確実に打っているので、 バッテリーとすればもう大谷選手の調子が落ちるのをただ待つしかないという状態になっていると思います。

西阪アナ)トップ中のトップが集まる大リーグでも、大谷選手はそんな存在なのですね。

山内さん)大谷選手は追い込まれる前に打つ可能性が本当に高いので、皆さんには1球目からぜひ注目してもらいたいと思います!

西阪アナ)初球から見逃してはいけないということですね! 山内さんは今シーズン、大谷選手がどんな成績を打撃で残すと予想されますか?

山内さん)おととしのホームラン46本、これは超えると思います。50本も狙えるのではないかと思っています。打率でも3割近い数字を今残していますので、この調子でいけば3割を超えてくるのではないかと。 3割50本の可能性は非常に高いと思いますよ。

西阪アナ)そうなると、打点もかなりの数字にいきますよね?

山内さん)100以上はいくと思います。

西阪アナ)ピッチャーとしてあれだけ活躍しながら、打撃でも3割打ってホームラン50本以上で100打点以上!  アナリストとしてさまざまな選手を分析してこられたと思いますが、大谷選手はどんな選手ですか?

山内さん)ピッチャー、バッターどちらかでトップレベルの選手というのは何人かいると思うのですが、大谷選手はいろんなランキングを出すと必ず名前があがってくるので、そういった選手はほぼいないというか、唯一無二の存在だと思います。

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