”柔道五輪代表”村尾三四郎選手に学ぶ!おはSPO筋肉体操

NHK
2023年10月11日 午後6:23 公開

10月の筋肉体操は、柔道 男子90キロ級でパリオリンピックの代表に内定した村尾三四郎選手(23)。得意技は、鍛え上げられた筋肉を巧みに使って相手を崩し、長い手足を生かして繰り出す内股や、大外刈りです。

村尾選手の強さを支える筋肉の秘密を探り、私たちの日常生活に役立つ筋肉を鍛えます。

第4回 下半身の“力こぶ” ハムストリングを鍛える

谷本道哉さん

大外刈りも得意技ですよね。

村尾三四郎選手

内股と大外刈りが得意技でやらしてもらっています。

谷本さん

刈る足のトレーニングでハムストリングを鍛える。実際にそういうトレーニングは?

村尾選手

ジュニアのときに、速く刈る練習をやっていました。

谷本さん

村尾選手と言えば、刈って投げる、ですよね。

村尾選手

試合では多いですね。

谷本さん

“村尾カッター”って名づけましょうか。村尾選手は足で刈っていく動きが印象的なんですよね。ちょっと刈る感じを見せていただいてもいいですか?

村尾選手

わかりました。

谷本さん

ぐいっと刈って、フワッて浮くのは、すごく気持ち良かったんですけど、刈りきるためによくやる練習はありますか?

村尾選手

肩をお借りして、ここで刈る。戻って刈る。これが大外刈りの基本動作になるので、刈るのを意識するトレーニングとしてはいいのかなと思います。

谷本さん

皆さんもやると、ハムストリングのいいトレーニングになると思います。ぜひ鍛えてみてください。

村尾選手

やってみてください!

谷本さん

柔道は重量級が特に力の勝負となりますけど、刈る動きでスパーンと投げると、力だけじゃなくて、華麗でかっこいい感じがしますよね。

村尾選手

瞬間的な力強さは、重量級に求められるのかなと思うので、そこは柔道のいいところでもあり、魅力なのかなと思います。

谷本さん

そのためのハムストリング。

村尾選手

めちゃくちゃ大事です。

谷本さん

実はここ、腕の力こぶと同じ部分で、膝をぐいっと曲げると力こぶが出てくるんです。ここが玉のように膨らむのがかっこいい。鏡の前でも見てみるといいですよ。上腕二頭筋を見るのと同じように力こぶが見えるので、やる気も高まります。足トレをやったあとは見たほうがいいです。

村尾選手

見てみます。

谷本さん

パリオリンピックに向けて、一言抱負をお願いします。

村尾選手

オリンピックの舞台は小さいときからの夢でもあるので、そこで金メダルを取るのが目標です。そこは必ず達成したいなと思います。

谷本さん

パリから始まる金メダル。何個いきましょうか?

村尾選手

目標は3個取りたい。自分のオリンピックの物語がパリから始まるという捉え方でいきたいと思います。

第3回 下半身のパワーと骨密度 アップ

谷本道哉さん

村尾選手の魅力といえば豪快な内股だと思うんですけど、この内股をパスーンと決めるためのトレーニングがあったら教えてください。

村尾三四郎選手

ウエイトトレーニングや自重トレーニング以外に、けんけんを速く大きくするためのトレーニングを取り入れています。

谷本さん

けんけんしながらそのまま投げちゃう。ちょっと、けんけんふうで軽く投げてみていただいてもいいですか?

村尾選手

内股で足をあげさせて回していく。

谷本さん

これ大内刈りのときもする感じですよね。

村尾選手

そうですね。

谷本さん

けんけんを強く速くやるためのトレーニングを見せていただいてもいいですか?

村尾選手

最初はふつうにけんけんで行って、その次はできるだけ大きく飛ぶのと、上に高く飛ぶのを組み合わせて大きく高くというような感じでやります。

谷本さん

こういう切り返しを使うようなトレーニングを「プライオメトリックトレーニング」って言うんですけど、とにかく大きな動作で高く強いパフォーマンスを出す。この場合は高さですよね。高さや距離を出すのと、スプリンターがよくやる極めて短い時間でパンと返す、短く速くという、大きく2パターンあるんですよね。柔道の中でも、大きくけんけんできるときもあれば、動きの中でトントンと行くときもある。なので、あえて2パターンやってみるといいと思います。

村尾選手

実践してみます。

谷本さん

いまは大きいのをメインでされているので、短い接地でターンターンとやる。

村尾選手

階段とかで結構やるんですけど、そのときは細かく速く。

谷本さん

床が硬いところだと、いまとは違うタイプのプライオメトリックトレーニングと切り替えられる。高い跳躍のけんけんをやると強くなるんだけど、速いのはあまり強くならないんですよ。スプリンターがバレーボールのジャンプの練習をしてもあまり速くならなくて、逆にバレーボールの選手がスプリンターのようにぴょんぴょん飛びはねるのをやっても、あまり高く飛べるようにはならないんです。柔道はいろんな場面で両方必要なので、あえて大きな動きで強い出力、高い高さ。それから、小さい動きでパーンバーンバーンと弾いていく。両方のけんけんを試してもらって、少し変わるとうれしいです。

村尾選手

速く飛ぶのはあまりやってないかもしれないです。実践してみます。

谷本さん

けがだけはしないように、ちょっと試してみてください。けんけんで短く速くすると、トトーンとできるようになって、新しい技ができることもあると思います。

一般の方は多分けんけんしないと思うんですけど、このバネを使って瞬発的に動くというのは日常の中でも大事ですし、着地の衝撃がある程度あると、骨密度も上がるんですよ。なので、村尾選手のような骨太な体をこのけんけんで作りましょう。

村尾選手

ぜひやってみてください。

第2回 股関節まわり伸ばして元気に歩こう

谷本道哉さん

90キロ級ともなると体への負担もすごいと思うんですけど、ケアされていることはありますか?

村尾三四郎選手

練習前、練習後のストレッチは、より時間をかけてやるようにしています。

谷本さん

例えば、どんなストレッチがありますか?

村尾選手

足などのトレーニングのあとに腸腰筋が張りやすくなってしまって、別の足や膝に負担がかかってしまうので、練習前に腸腰筋を伸ばすのと、後ろにグーッと伸ばすストレッチはいつも大事にしていて、やるようにしています。

谷本さん

ハムストリングも?

村尾選手

そうです。去年の12月に膝の内側じん帯を痛めてしまって、試合が続いていたので出ないわけにもいかないなかで、膝をかばいながらやっていたら右のハムストリングを肉離れしてしまって。今年1年間、ずっとどこかしら、けがをしている状況が続いていたので、それは良くないなと今まで以上にストレッチをやるようになりました。

谷本さん

ハムストリングは相手に技をかけていくときも使いますよね。

村尾選手

仕掛けるときもそうなんですけど、相手の技を受けるときも、ぐっとハムストリングが伸びるので、そこは気をつけないといけないなと思って。

谷本さん

僕も一緒にやっていいですか。腸腰筋はグーンと、このとき体を立てれば立てるほど伸びます。骨盤を後傾させるんですけど、起こしたら後傾しますので、とても気持ちいいですね。腰まわりもつながっているので楽になります。ここから次は?

村尾選手

後ろにいきます。

村尾選手

結構斜めにいっちゃうことが多いので、できるだけまっすぐに意識しています。

谷本さん

これは気持ちいいですね。他に何かあります?

村尾選手

あまり体は柔らかくないんですけど開脚して、横になってもらって、体をひねって、ここから後ろにグーッと指をずっと見続けるような形で、円を描いて反対側まで伸ばして戻る。

谷本さん

繰り返すんですね。

村尾選手

繰り返して最後、伸ばしたいですね。

谷本さん

お尻、それから腰まわりが楽になると思うので、皆さんもこういうストレッチはやったほうがいいと思います。

村尾選手

あと柔道は結構、回転運動とか多くて。

谷本さん

体をねじる、ひねる。

村尾選手

体操の中で自分も毎回やるようにしているんですけど、前転、後転。あと倒立前転、このまま後転倒立。後転して、一気に上がるようなイメージ。伝統じゃないですけど、小さいときからずっとやってきたので、そこは柔道ならではかなと思います。

谷本さん

体の動きの改善は感じます?

村尾選手

もともと、あまり柔らかいほうじゃなかったので、それによって足の可動域は増えてきたんじゃないかなと思います。

谷本さん

柔道はそこまで柔軟性が高い必要はないんですけれども、やっぱり組み合いの中でちょっと大きく動いてしまうようなときとかありますから、ある程度やっぱり柔らかくする。

村尾選手

それは大事だと思います。

谷本さん

皆さんの場合は大きく足を振り出したり、引いたりという動きのためにはこのストレッチは非常に大事ですから、ぜひ行っていただきたいと思います。

村尾選手

ぜひ皆さんもやってみてください。

第1回 前腕鍛えて ボトルのふた開け楽に

谷本道哉さん

今月は柔道男子90 キロ級のパリオリンピック代表の村尾三四郎選手です。でかくて、かっこいいですね!

村尾三四郎選手

ありがとうございます。

谷本さん

やはり90キロ級なので全身どこも筋肉がすごいんですけど、自慢できるところはどこですか?

村尾選手

背中も自信はあるんですけど、特に柔道家ならではというと、左の前腕がお気に入りです。

谷本さん

前腕には、詳しく言うと「浅指屈筋」、「深指屈筋」という大きな筋肉があります。握って手首を曲げる筋肉が、ここにある玉のような筋肉ですね。このあたりが普通のサイズじゃないですね。

村尾選手

柔道では、動きの中で、釣り手を立てるという動きがある。その動きの時に、この前腕の筋肉が出る。この釣り手がねてしまっていると相手をうまく崩せないので、釣り手をしっかり立てて相手を組み止める。相手を制するときに、ここの前腕が生きてきます。

谷本さん

ボールが入ってるみたい、というか、ボールが完全に入ってますよねっていうぐらい、すごいですね!やっぱり左が特に強いんですね。握力は右と左でだいぶ違います?

村尾選手

10キロ15キロぐらい、左のほうが強いです。

谷本さん

みなさんも自分で握力をはかることがあると思うので、どっちのほうが強いというのはあるはずなんですよ。僕も左と右だと10キロ違う。この左の強さでぐっとつかむわけですよね。

村尾選手

そうですね。

谷本さん

それを知りたくて、道着をお借りしましたので、ちょっとつかんでいただいて。

谷本さん

もう、ぐいっときてください!僕を振り回していただきたい。(相手をつかんで振り回すと)やっぱり広背筋が、すごく引っ張られると思うんですね。広背筋も右と左だと強さは違う?

村尾選手

左のほうが強いと思います。

谷本さん

強いですよね。左腕で制するっていうのがありますよね。

村尾選手

相手を制する、相手を組み止めるっていうときには、左の腹斜筋だったり広背筋が、より使われるのかなと思います。

谷本さん

僕を振り回してみてください!がっとつかんで、その広背筋の強さを実際に体感したいと思います。

村尾選手

わかりました。

谷本さん

グイグイ引いてくれて、広背筋の強さを体験させていただいて、どうもありがとうございます。

谷本さん

スポーツって左右違いがあっちゃいけないみたいに言うことがあると思うんですけど、握力なんかみんな10キロぐらいとか5キロぐらいとか左右で違うのは普通にあることですし、村尾選手の場合は手が長いので、奥襟を取る強みもあるので、左メインで戦っていくのは、すごくいいやり方だと思います。あと筋力に関して言うと、握る力は相手を投げるために必要なんですけど、みなさんの場合は、生活の中でペットボトルを開けるとか、そういうところでも大事になってきますので、村尾選手の強い握力に学ぶ、そういう筋トレをやってみたいと思います。

村尾選手

ぜひやってみてください!