【2023年8月放送】
8月の筋肉体操はプロゴルファーの河本力選手。去年、プロ1年目にして2勝をあげた期待の若手です。
持ち味は国内プロナンバーワンの飛距離。力強く、しなやかなスイングで遠くへ飛ばす河本選手の筋肉の秘密を探り、私たちの日常生活に役立つ筋肉を鍛えます。
第4回 肩周りを動かし 肩こり予防
谷本道哉さん
ボールを遠くに飛ばすためには、強い足や胴体のねじりがあって、それから腕の強い振りにつながっていくんですけど、腕を振る様子がものすごくしなやかに見えるんですよね。何か秘けつはありますか?
河本力選手
肩甲骨周り、肩関節の柔らかさですかね。
谷本さん
僕らの体は、胴体からいきなり腕が生えているわけではなくて、間に肩甲骨があるんです。なので間にもう一つ動きがあるので、その部分の動きを大きくできるのは、しなやかに腕を振れることに関わっているのかなと。ゴルフのクラブを持って、そのまま後ろまで回るという話を聞いたんですけど。
河本選手
朝のストレッチとかでよくやるので。
谷本さん
生身でそれをやる人は見たことないです。
河本選手
肩幅ぐらいのスペースでいけます。
谷本さん
信じられない、すごいですね。肩周りが柔らかいと、違いますか?
河本選手
人より大きくスイングできるというか、スイングアークも大きくなるし、それだけボールに伝わるエネルギーが大きくなるんじゃないかなと思っているんですけど。
谷本さん
長い時間、長い距離でエネルギーを与え続けられるので、それだけヘッドスピードは上がってくると思います。
河本選手
よかったです。
谷本さん
肩周りは、わりと固まりがちなんです。なので皆さんにはこの体操はできませんから、ちょっと簡単なところで、普通に大きく肩を上げたり下げたり、引いたり出したり、くるくる回してみたり。腕は肩自体から大きく動くということを意識して体操していただけたら飛ぶスイングにもつながりますし、肩周りも軽やかになっていいと思います。ぜひやってみてください。
谷本さん
最後に今後の目標を教えてください。
河本選手
2023年の目標は賞金王になることなので、日本オープンゴルフ選手権で優勝すること。いずれはアメリカのPGAツアーという世界最高峰のツアーで戦って、メジャーで優勝して世界一のプレーヤーになる。日本人は飛距離が足りていないと言われているので、そこを認めさせるぐらいの勢いで、高いところを目指して、やっているつもりです。
谷本さん
飛距離って、世界で強い人はどれぐらい飛ばすんですか?
河本選手
PGAのナンバーワンの平均が327ぐらいですかね。僕が320ヤードぐらいなので、まだ勝ててはいないんですけど、いずれは追い抜けるように。
谷本さん
いうほど変わらないですね。
河本選手
変わらないと思う人がほとんどなんですけど、年間通した6ヤードというのは、全部に換算すると何千ヤードとか何百ヤードになってくるので、そこを伸ばすのはなかなかきついんですけど、しっかり筋力トレーニングすればいけるという先生の言葉もあったので。
谷本さん
筋トレは、まだ少し伸びしろが残っているように見えます。肩周りの柔らかさとか、スキルは僕が言うことじゃないですけど、まだまだ筋肉はつくし伸びしろはあると思います。うまく合わせながらやっていただければ。期待しています。
河本選手
ありがとうございます。
第3回 内転筋を鍛え 安定した下半身
谷本道哉さん
内ももの内転筋がすごいんですよ。特に左側が大きいですね。
河本力選手
左右で差が出ちゃう。
谷本さん
全然出ていいんですよ、ゴルフは左右で違う動きをする競技なので。
河本選手
そう言われたら、左側のほうが大きく見えます。
谷本さん
ゴルフだとダウンスイングで、まず右側の内転筋でひねって左側でもう1回ぐっとひねる。左側をぎゅっとひねると、ねじれたのに耐えきれなくなって左足の裏がちょっとめくれるんです。
河本選手
めくれますね。
谷本さん
最初から左足のつま先をちょっと開いておいてもいいんですけど、そうするとボールをとらえにくくなるので、我慢しておいて最後にめくれるっていう感じかなと思います。ばあっと左足の裏がめくれているの見て“めちゃくちゃ内転筋を締めているな”と思って。内転筋は自信ありますか?
河本選手
そうですね、鍛えています。
谷本さん
“自信のある部位はどこですか”って聞いたとき、内転筋はあまり聞かないので、特にこだわって突き詰められているのかなと。
河本選手
スイングの軸をすごく大事にしているので、その軸を太くするというか、軸を基本に回転するときに内転筋が一番大事かなって。
谷本さん
内転筋は結構オールマイティーな筋肉で、足の位置によっていろんな方向に力を入れられるんです。足が前にいっているときは後ろに蹴る筋肉、後ろにいっているときは前に振り出す筋肉というかたちで、いろいろ活躍できる筋肉なんです。その筋肉をうまくフル活用して、大活躍させているんじゃないかなと。内転筋の使い手ですかね。
河本選手
うれしいです。
谷本さん
内転筋はどんなトレーニングをされています?
河本選手
ワイドスクワットとか。
谷本さん
ワイドスクワット、やっぱり内ももにいいですよね。
第2回 体をねじり腰回り軽やか
谷本道哉さん
河本さん、ものすごくねじりますよね。
河本力選手
捻転差を武器にしています。あまり意識してこなかったんですけど、飛距離の秘密をよく聞かれるので、何だろうと考えたときに捻転差が大きいんじゃないかなと。下半身はそのまま足が地面に刺さっているイメージで、上だけねじる意識でやっているんです。
谷本さん
胴体のねじりですね。飛ばそうと思うとそうなるけど、当てようと思うとそれが消えてくる。そっちの方が簡単にボールをとらえられる。ただ、とらえられることよりもぶっ飛ばすことを重視して。
河本選手
そうですね。
谷本さん
そうすると、それだけ高いスキルが必要なので、河本選手の打ち方をそのまま真似するとみんなスライスしてしまうかもしれない。でも、距離を飛ばしたかったら、やっぱりねじりが必要?
河本選手
間違いないと思います。
谷本さん
ねじりでやっているトレーニングを見せていただいてもいいですか。
河本選手
ドライバーを逆さまに持って、ただひたすら早く振ります。ブンブン振る感じですね。
谷本さん
振る音が全然違う。逆に持っても結構、慣性が強いので腕も疲れるし、かなり持っていかれるから脇腹もすごい筋トレになりますよね。
河本選手
そうですね、もう全身。
谷本さん
やっぱりゴルファーだなと思ったのは、顔が全くぶれずに見ているところがずっと一緒なんですよね。
河本選手
職業病が出ちゃいました。
谷本さん
それがとらえられる練習にもなっていると思います。ゴルフクラブなしのバージョンでもやってみようと思いますので、皆さんもやってみましょう。腰回りはよく動いたほうがほぐれて腰痛の予防にもなります。クラブ持たないスタイルでやっていただくと、腰回りもよくほぐれて気持ちよくなると思います。ぜひやってみてください。
第1回 大殿筋を鍛えて 元気に歩く
谷本道哉さん
河本選手は何ヤード飛ばすんですか。
河本力選手
ことしの試合の平均が大体320ヤードとなってますね。
谷本さん
300ヤード飛ばしましょう、どころじゃないですね。
河本選手
マックスで振ったら、もうちょっと飛びますね。
谷本さん
狙わずに距離だけでいくと?
河本選手
380ヤードぐらい。
谷本さん
河本選手のぶっ飛ばしていく原動力は、一番最初に地面を蹴るところからなんですけど、足、お尻がやっぱりすごいですね。意識されてます?
河本選手
お尻がすごく大事になってくるんじゃないかなって信じてやってます。
谷本さん
お尻の位置が高い。足が長いだけじゃなくて、お尻の上横の方に筋肉がついてるんですよ。大殿筋の上とか、軸足のグンっていうスイングですごく使うので。
河本選手
めっちゃお尻張りますね。
谷本さん
お尻の特に上の方がよく鍛えられているので、これは飛ぶお尻ですね。お尻はどんなトレーニングをされてます?
河本選手
メインはやっぱりスクワットですね。フルスクワット、ワイドスクワット、ハーフスクワット、ジャンプスクワット。
谷本さん
パワー発揮にはジャンプスクワットは効果的ですね。片足のスクワットとかされます?
河本選手
します。
谷本さん
地面を蹴るときの足の使い方は片足が近いので、ますますされて、どんどん飛距離上げて。
河本選手
しっかり鍛えておきます。
谷本さん
皆さんも片足のスクワットをしていただきたいんですけど、片足だと2倍の時間がかかるので、片足と似たような感じにするには、足を閉じるといいんです。この形でスクワットすると、わりと片足のときと力の出し方が似てくるので、お尻の位置がぐっと高くなっていきます。
河本選手
女性にもおすすめですね。
谷本さん
飛距離も伸びるし、元気に歩くこともできる。あと見た目もきれいになるということで、ぜひ皆さんにもやっていただきたいと思います。300ヤード飛ばしましょう!
河本選手
飛ばしましょう!