ソフトボール 後藤希友選手と学ぶ!おはSPO筋肉体操

NHK
2024年2月5日 午後2:08 公開

2月の筋肉体操はソフトボール後藤希友選手です。

東京五輪で金メダルを獲得、競技が復帰する2028年ロス五輪ではエースとしての活躍が期待されています。持ち味は110キロを超える速球。昨シーズンからは打撃にも本格的に挑戦していて投打の二刀流でもあります。

後藤選手の活躍を支える筋肉の秘密に迫り、私たちの体づくりに生かしましょう。

第4回 疲労をとるストレッチで背骨や腰回りもスッキリと!

谷本道哉さん

(投打の) 二刀流で2倍の練習量になっているかもしれないですけど、やっぱり疲労はかなり感じますか?

後藤希友選手

ピッチングに専念していたときより疲労の度合いが2倍になっているので、疲れやすさは感じています。

谷本さん

特にピッチングにはないバッティングのねじる動きがあるので、背骨・脇腹・お尻にかけてはすごく疲労がたまるイメージがあるんですけど、そのあたりはどうでしょう?

後藤選手

うちのチームでは全員でやるアップからストレッチを多めに入れていて、練習後のケアは大事だなと実感しています。

谷本さん

いくつか紹介してほしいんですけど。

後藤選手

こういう台の上でお尻を伸ばしたり。

谷本さん

これお尻すごく伸びるんですよ。後ろ足の腸腰筋も伸びる。

後藤選手

私は体が硬いんですけど、こういうストレッチ をやっています。

谷本さん

これ気持ちいいです。いすを使うのは体重を乗せやすいので、ものすごくいいですね。反対もやりましょうか、すごく気持ちいいでしょ。

後藤選手

気持ちいいです。

後藤選手

トレーナーさんが考えたペアでやるストレッチをすることもあります。

谷本さん

見せてもらってもいいですか。

後藤選手

前の人は頭の後ろで手を組んでいただいて、後ろから支える人は前の背中を膝で抑えて広げてあげながら脇腹を伸ばしてあげる。この状態で戻していく。

谷本さん 

ありがとうございます、五十肩なので反対は結構です。

谷本さん

いま膝をあてたのがいいですよね。膝があたる と胸が張れるんですよね。

ひとりでやるんだったら、まず伸びをする。伸びるとすごく反るので、誰かに膝をあててもらわなくてもその状態をつくれるんですよ。それから、伸びると片方の手でもう片方の手を引っ張ることができるから押してもらわなくてもできるので、そんなアレンジで皆さんにはやっていただこうかと思います。背骨や腰回りがすっきりすると気持ちがいいですから、ぜひ皆さんも行っていきましょう。

後藤選手

ぜひやってみてください。

谷本さん

2028年ロサンゼルス五輪の競技にソフトボールが決まりましたけど、どうですか?

後藤選手

2020年の前回大会に出させていただいて、パリではまた外れてしまうと聞いていたので、ソフトボールの復帰のためにと思ってやってきたので、また復活して安心しているところはありますね。

谷本さん

復活した大会で二刀流デビューするのも新しくて変革的なところもありますかね?

後藤選手

出るからには二刀流で挑戦したいという思いもありますし、やっぱりこの舞台に立っていることは自分の夢なので頑張りたいなと思っています。

谷本さん

エースとして?

後藤選手

代表に入ってもう8年くらいたつんですけど、最近になってエースとして自覚を持つべきだと周りの人から言われたり、監督からも言っていただいたりして 、自覚が芽生えてきたと思います。2028年のロサンゼルス五輪に向けて5年近くあるので、もっとエースにふさわしい、チームの中心人物として勝利に導ける存在になるのが一番の目標なので、投打含めてチームのメンバーから頼りにされる選手になっていきたいと思います。

谷本さん

まだ伸びしろがありますよね。

後藤選手

伸びしろしかないです。

第3回 体をねじる力を鍛えてテキパキ歩こう

谷本道哉さん

後藤選手はピッチャーとしてもすごいんですけど、皆さんが期待するのは(投打の)二刀流だと思うんです。二刀流を試してみてどうですか?

後藤希友選手

そうですね、結構バッティングをするのも好きです。

谷本さん

楽しくていいですね。

後藤選手

バッティングを始めたおかげで、ピッチングも良くなっていく効果はありますね。

谷本さん

投げるのも好きでしょ?楽しいことが2つもできるので、喜びが2倍になった。ただ負担も増えたと思うんですけど、バッティングとピッチングで違うところはありますか?

後藤選手

バッティングは打つタイミングで(上半身の)ねじれが必要だと感じていて、自分は出力が高い時があったりするので、背中とかをねじりすぎてけがをすることもあります。ピッチングだとそこまで上半身をねじることがなくて、下半身を上手く使うことが多いです。

谷本さん

そこが野球と違うところで、野球は(ピッチングでも)ものすごくねじるんですけどソフトボールは右肩を残したまま、後藤選手の場合は左投げなので、左肩を後ろに残して投げていく。打つときはぐんとねじるのでそこは大きな違いかなと思います。

後藤選手

そう思います。

谷本さん

ピッチングの時にはなかった上体を捻転するような動作がバッティングでは大事ということなんですけど、強化するためにねじる動作でトレーニングみたいなことやっていますか?

後藤選手

ねじる動作を何もない状態でトレーニングすることは難しくて、チューブで引っ張ってもらった状態でひねる動作をする練習はしています。

谷本さん

寝転んでやるロシアンツイストなら動きがほとんど同じなので、皆さんにはそれをやってもらおうと思います。

後藤選手

こういう感じです。

谷本さん

ねじる動きをすると腰回りもよくほぐれますし、実は歩くときに毎回ひねっているんですよね。なのでテキパキ歩くために上体をひねれることは大事ですから、皆さんもぜひ行ってみてください。

後藤選手

ぜひやってみてください。

第2回 瞬発力をみがき転ばない体を作る

谷本道哉さん

後藤選手のピッチングで僕が魅力を感じるのは、下半身の爆発的なパワーです。投げるときに前に跳びますよね?

後藤希友選手

結構、跳びますね。

谷本さん

投げるときにはどこまで前に出てもいいんですか?

後藤選手

たまにピッチャーサークルを飛び越えちゃうことが何回かあります。

谷本さん

飛び越えてもセーフなんですよね?

後藤選手

大丈夫です。

谷本さん

ピッチャーサークルの中でやらなきゃいけないみたいに見えますけど。

後藤選手

何も言われないので、ときどきたまに飛び越えていますね。

谷本さん

距離だとどれくらいですか?

後藤選手

(ピッチャーサークルの半径)2メートル44センチよりちょっと前には飛んでいたりします

谷本さん

お尻の横のほうとか、なんかを使ってバーンと爆発的に蹴っている。ちょっと見せていただいても?

後藤選手

はい。

谷本さん

めっちゃ跳ぶでしょ。みなさん、こんな跳ぶんだって思う。

谷本さん

ありがとうございます。めっちゃ跳びますね。こんな来るとは思わなかった。ずるいくらいですね。

後藤選手

跳べる選手のほうがバッターに近いので。

谷本さん

どこまで来て投げるんだって感じるくらい。

谷本さん

そんな下半身の爆発的なパワーを出していくために、どんなトレーニングをされていますか?

後藤選手

ジャンプするイメージなんですけど、瞬発的な動作、爆発的な力を出すためのトレーニングをしています。

谷本さん

「クイックリフト」みたいな、「クリーン(バーベルを床から素早く引き上げるトレーニング)」はよくやりますか?

後藤選手

「クリーン」はやりますし、チームで「クリーン」と「スクワット」と「ベンチプレス」とでマックス測定を行っています。

谷本さん

三つの中に入ってくるほど「クリーン」は大事?

後藤選手

はい。

谷本さん

クリーンはいくつあげますか?

後藤選手

82.5キロです。

谷本さん

スタンディングですよね?スタンディングキャッチで82.5キロは強いですよ、男子でも難しいと思います。ソフトボールは片足で蹴るので、片足のクリーンもやったりします?

後藤選手

両足のクリーンと全く同じようにはしないんですけど、着地するときと、上げて足が着くタイミングのときの力の入れ具合がピッチング動作とすごく似ているなと思います。

谷本さん

蹴りだすほうだけじゃなくて、止めるほうもイメージする。片足の「クイックリフト」はすごく珍しい。一般的にはありますけど、片足だと使う筋肉が違うのでそんなにはされていない。

谷本さん

すごい爆発的なパワーを発揮していて、見ていても気持ちがよかったです。一般の方がここまでのトレーニングをする必要はないんですけど、高齢になるほど瞬発的な力を出す速筋がどんどん落ちちゃうんです。ですので、ぐらついたときにもパッと足を着いて耐えられるような筋力をつけていく必要があります。ちょっとアレンジした方法で皆さんも瞬発力のあるかっこいい筋肉つけていきましょう!

後藤選手

ぜひやってみてください!

第1回 お尻を鍛えて力強く立ち上がろう

谷本道哉さん

全身すごい体をされていますけど、自信がある部位はどこですか?

後藤希友選手

トレーニングにはそんなに自信はないんですけど、一番好きな部位はお尻です。

谷本さん

ソフトボール選手はお尻ががっちりしている。がっちりしていると言うと失礼かもしれないですけど、お尻がプリっと上がってかっこいい印象があります。周りの選手もお尻は強いんですか?

後藤選手

ピッチャーは特に下半身を使うんです。投げるので上半身を使うかなと思われがちですけど、下半身の土台がしっかりしていないと速球が投げられないということもあって、私は一番お尻を大事にしています。

谷本さん

球速に与えるエネルギーは大半お尻とか下半身なんです。投げるとき、右足でも左足でも蹴りますよね。

後藤選手

そうですね。でも、私が一番大事にしているのが最後の着地、着いた足をお尻で止める。  爆発的な力を出すにはお尻が一番必要かなと思っています。

谷本さん

爆発的に蹴ってドンと止める。どんなトレーニングをされていますか?

後藤選手

ウエイトトレーニングのメニューにも入っている「ヒップスラスト」を行っていて、私はその種目は結構好きでやっています。

谷本さん

メニューに入っているということは後藤さんだけじゃなくて、みんながやる種目でもある?

後藤選手

そうですね、チームメイトもみんなやっています。

谷本さん

みなさん、それだけお尻は重要だという認識でされているわけですね。

後藤選手

重要だと思います。

谷本さん

その中でも後藤さんは強いほうですか?

後藤選手

強いって言っていただくんですけど、自信があるわけではないです。

谷本さん

じゃあ、まだ伸びしろがある?

後藤選手

伸びしろは自分で感じていますし、うちにも外国人選手がいるんですけど、外国人のパワーって日本人と比較できないくらいすごくて、「自分もこれくらいできるようにならないとな」って思います。

谷本さん

後藤さんは何キロぐらいでセットを組むんですか?

後藤選手

ふつうに100キロはだいたい持ち上げるんですけど、今まで持ち上げた中で最高は180キロです。

谷本さん

ちょっといま早くて聞き取れなかった、180キロって言いました?

後藤選手

結構しんどかったんですけど、外国人選手が200キロを持ち上げていたので、まだまだだなって思いました。

谷本さん

180キロも200キロも僕らからしたら同じくらいすごいです。そのヒップスラスト、見せていただいてもいいですか。きょうは何キロでいきましょう?

後藤選手

シーズンが終わって、まだトレーニングの時期に入っていないのですが、60キロから80キロは普通にできると思います。

谷本さん

180キロを上げる日本人選手っています?

後藤選手

そのときは、チームメイトではいなかったです。

谷本さん

いないですよね。

後藤選手

結構少ないとは思います。

谷本さん

200キロを上げる選手が海外から来たのは刺激になりますね。

後藤選手

なりますね。

谷本さん

80キロのセットができました。いけるときは、ここにあと100キロついているんですよね。いまは調整の段階ですので、無理をなさらず80キロで見せてください。

谷本さん

めちゃめちゃ強いですね。下で骨盤を前傾して上で後傾するとお尻めっちゃ使えるん  ですよ。重いのを上げているだけじゃなくて上手です。

後藤選手

ありがとうございます。

谷本さん

お尻に効いているでしょ?

後藤選手

はい。結構みんなつま先に体重かけてしまいがちなんですけど。

谷本さん

踏ん張りにくいですよね。

後藤選手

かかとでうまく使えるようにと言われているので、最近はそれがだんだんできるように  なりました。

谷本さん

普段からかかとでしっかり押せる感覚を気にしながらやっているということですね。骨盤の使い方が上手です。皆さんは家でできるやり方で、後藤選手のような骨盤の使い方をして、お尻をしっかり鍛えていくといいと思います。

谷本さん

後藤選手はギュンと速い球を投げるためにこれをされているわけですけれども、皆さんもお尻の筋肉はすごく大事です。立ち上がる動作は、ももでやっているイメージがあるんですけれども、ももとお尻で半々くらいなんですよ。

後藤選手

そうなんですね。

谷本さん

結構お尻を使うので、力強く立つためにもお尻をしっかりと鍛えていく。後藤選手のような上手な骨盤の動かし方でお尻をしっかり鍛えていってください!

後藤選手

ぜひやってみてください!