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進化する カプセルトイ

NHK
2021年5月31日 午後1:17 公開

世代によってさまざまな懐かしさを感じるカプセルトイ。コロナ禍で閉店した後の空き店舗や駅の構内などに、専門店が急増している背景は?

“安近短”な楽しみがニーズにマッチ 売り上げが想定の2倍超の会社も    

東京・豊島区にあるカプセルトイの専門店「ガシャポンのデパート池袋総本店」には、3000台を超える販売機がずらりと並んでいます。例えば、懐かしの名車シリーズ(400円)や、お風呂にお湯を張る時などの音声が流れるおもちゃ(300円)など。店では毎月、200以上の新しいシリーズに入れ替えているといいます。

5月下旬に発売したのが、「ルーレットおみくじ」(400円)。ちゃんと、おみくじも出てきます。また最も高いカプセルは1500円で、組み立てると高さ10センチのフィギュアになり、LED内蔵で光ります。

カプセルトイは、出てきたおもちゃの写真をSNSに上げるなど、新型コロナウイルスの影響で遠出を控える人たちのささやかな楽しみになっているといいます。

店を訪れた3人組の女性客は「あまり出かけられないから」と話し、「食べ物も(外食では)食べづらいし、遊ぶ所はここぐらい」と苦笑。そうした中でもカプセルトイは「ちょっと運試しみたい。『何が出るかな』っていうのが楽しい」と話しました。

カプセルトイの国内の市場規模は、350億円を超えると言われています。この店を運営する会社は、1年足らずの間に25店舗をオープン。売り上げは想定の2倍を超えているそうです。

この店の毛塚広治マネージャーは「性別も年齢もすべて関係なく、どんな人でも必ず楽しんでいただける。安くて近くて手短に遊べる、“安近短”なレジャーがニーズに合致した」と話しています

ミニチュアのテーブルやいすがヒット 家具メーカーにも相乗効果

カプセルトイを制作する東京のメーカー「ケンエレファント」。得意とするのは、老舗洋菓子メーカーのクッキーやオーディオ製品のシリーズなど、実際にある商品の精巧なミニチュアです。

石山建三社長は「全部本物をミニチュアにしている。他がやらないことをあえてやっていくということが受けているんじゃないか」と話します。

最大のヒットは、愛知県の家具メーカー「カリモク家具」の商品を再現したシリーズ(1個500円)。この家具メーカーの担当者が「合成皮革のちょっと鈍い感じのツヤ感をよく再現できている」と太鼓判を押すほど質感を忠実に再現し、シリーズ累計で50万個を生産しました。

カプセルトイのヒットは、この家具メーカーの本物の家具をPRすることにもつながっているといいます。SNSで家具の写真が拡散され、メーカーでは2020年度にこのブランドの家具の売り上げが過去最高となりました。

山田郁二常務は「『こういう国産の家具メーカーがあるんだな』という気付きは多かったと思う。認知策としては成功したのではないか」と話していました。

この家具メーカーでは、ミニチュアの家具を持って顧客を回り、商談にも役立てているそうです。“ビジネスの小物”としても使われ方が進化しているようです。

【2021年5月31日放送】